左からバートランド、コウチーニョ、イヴァノヴィッチ、D・コスタ、テリー、アザール、サンチェス、デ・ヘア、ケイン、ケーヒル、マティッチ [写真]=Getty Images
インターナショナルマッチウィークということで代表戦の話題も多い中、イギリス紙『デイリー・メール』が気になる情報を発信している。それは昨シーズンのプレミアリーグにおけるベストイレブンが不調ということだ。
同紙が指摘しているのはPFA年間ベストイレブンである。これはPFA(プロフットボール選手協会)のメンバーによる投票で選出されるものだ。
このベストイレブンは、プレミアリーグだけでなく、2部であるチャンピオンシップから4部のリーグ2までベストイレブンが選出されるのが特徴と言えるだろう。
さて、今回はプレミアリーグのベストイレブンが「不調」とされているが、まずは昨シーズンの受賞者の顔ぶれを振り返ってみよう。
2014-15 PFA年間ベストイレブン
▼DF
ブラニスラフ・イヴァノヴィッチ(チェルシー)
ガリー・ケーヒル(チェルシー)
ジョン・テリー(チェルシー)
ライアン・バートランド(サウサンプトン)
▼MF
アレクシス・サンチェス(アーセナル)
ネマニャ・マティッチ(チェルシー)
フィリペ・コウチーニョ(リヴァプール)
エデン・アザール(チェルシー)
▼FW
ジエゴ・コスタ(チェルシー)
ハリー・ケイン(トッテナム)
メンバーを見てわかる通り、優勝したチェルシーからの選出が多い。また、全選手が今シーズンも同じクラブに所属しているのが特徴的だ。では、『デイリー・メール』紙が何故彼らを不調としているのか、個別の論評をご紹介していこう。
このスペイン人GKは過去2シーズン、マンチェスター・Uにおけるベストパフォーマーであり、レアル・マドリードとのデッドラインデーの交渉が破談に終わるまでは、母国に帰ると思われていた。 ルイ・ファン・ハール監督は夏の移籍騒動によって正しいメンタルに無いと考えているため、彼はまだ今シーズンオールド・トラッフォードで出場していない。
この26歳は昨シーズンのはじめにローンでサウサンプトンに加入し、徐々に力をつけて最終的にサウスコーストへの完全移籍を実現した。バートランドはロナルト・クーマン監督のチームで重要な役割を果たし、セインツは欧州の切符を掴んだ。しかし、元チェルシーのサイドバックは7月に両ひざに軽微な手術を行ったため、今シーズンは未だ出場していない。彼のいないサウサンプトンはスロースタートとなっている。
2014-15シーズンのプレミアリーグにおけるベストDFと称賛され、テリーに国際舞台から引退を撤回し、イングランドへ戻るようにという世論もあった。最も屈強なセンターバックの片方となり、ブルーズをタイトルに導いた。しかし、今シーズンのチェルシーはわずか4試合ですでに9つのゴールを許しており、その多くがテリーのミスによるものだという辛辣な批判に晒されている。チェルシーのキャプテンは敗れたマンチェスター・C戦において前半で下げられており、ウェスト・ブロムウィッチ(WBA)戦ではサロモン・ロンドンを倒して一発レッドとなっている。
昨シーズン、ジョゼ・モウリーニョ監督が信頼を寄せていたDFペアのもう片方。シーズン序盤、ケーヒルはテリーの隣でとりわけ不安なわけではなかった。8月に行われたタイトルのライバルであるマンチェスター・C戦、3-0で敗れた試合でこの29歳はセルヒオ・アグエロに走り回られてしまった。WBA戦でスタメン落ちし、20歳のクルト・ズマに取取って代わられてしまった。
昨シーズンはみんな“ミスター頼りになる男”、と思っただろう。昨シーズンのイヴァノヴィッチはプレミアリーグで最高の右サイドバックだった。守備はソリッドな一方で、不意に出現すると重要なゴールを決めた。しかし、開幕してからの4試合で平凡に見えるチェルシーのDF陣において、もしかしたらこのセルビア人は最も大きな弱点となっているかもしれない。31歳のイヴァノヴィッチはジェフェルソン・モンテーロ、ラヒーム・スターリング、カラム・マクマナマンのような選手たちに苦しめられている。
昨シーズンのタイトル制覇においてこのMFが影響を及ぼしたと言っても過言ではないだろう。4バックの前での彼の守備は素晴らしく、モウリーニョ監督の規律の取れたプレースタイルの象徴だった。しかし、今シーズンの序盤、チェルシーの本来は強固な中盤を通り抜け、簡単に沈黙させる方法を対戦相手たちは見つけてしまっている。相方のセスク・ファブレガスがまずい出だしのため、マティッチが助けられていないと言われるに違いないけれども。
この小さなブラジル人は昨シーズンのリヴァプールが成し遂げたことの全てにおいて中心にいた。レッズにとって平凡なシーズンの中、調子の上がらないブレンダン・ロジャーズ監督のチームをほぼ独力でトップ6フィニッシュへと導いた。有力な選手が何人も到着したが、この23歳は今シーズンもリヴァプールにとって鍵となる存在のままだ。シーズンの開幕戦、ストークに対して稲妻のような決勝ゴールを奪ったことで証明されている。しかし、ホームで3-0の敗戦を喫したウェストハム戦でリヴァプールが苦しんでいたことに激怒していた。
アザールは昨シーズン、他を圧倒するパフォーマンスを披露した。彼のゴールとアシストはこの5年で初となるチェルシーの王座獲得において鍵となる役割を果たした。アザールのパフォーマンスが彼をPFAプレーヤーオブザイヤーへと導いた。しかし、この24歳は、今シーズンの最初の4試合では並外れた才能の幻影を見ているようである。モウリーニョ監督は決してアザールを“流石”とは思っていないだろう。また、日曜日の夜にはベルギー代表監督のマルク・ヴィルモッツにも批判されている。
昨年の夏にバルセロナからやってきたが、このチリ人はプレミアリーグにきわめて自然に溶け込んだ。サンチェスが見せる全ての動きが完璧にプレミアリーグにフィット。彼は傑出したシーズンを楽しみ、リーグで16ゴールを奪った。しかし、今回は全くのスロースタートだ。サンチェスは今シーズン未だグーナーのためにゴールを決めておらず、得点を決めるための数多くのチャンスを逸している。チリで行われたコパ・アメリカによってトレーニングに戻るのが遅れたが、今もフィジカルコンディションのピークに達していることは注目すべきである。
ブラジル生まれのスペイン代表は2014-15シーズンの前半、目を見張らせるようなプレーでチェルシーを上位に導き、プレミアリーグで自らを確立した。昨シーズンはリーグ戦わずか4試合ですでに7ゴールを奪ったのだ。1年が経過した現在、今シーズンも同じ数の試合をこなしたが、ジエゴ・コスタはわずか1ゴールのみ。チェルシーでのキャリアはまだ序盤だが、まるでプレミアリーグの守備にいじめられているようであり、同じ選手(=ジエゴ・コスタ)のイミテーションのように見える。もちろん、スペインのユニフォームでも彼は批判に直面している。
それは2014-15シーズンのストーリーだった。ケインのイングランドフットボールにおける台頭はスパーズのストライカーがプレミアリーグで21ゴールを奪ったのと同じくらいの早さだった。今夏、イングランドU-21代表への招集は、トッテナムのストライカー不足と共に、燃え尽き症候群になる恐れを抱かせた。今シーズンの序盤、ケインはゴール前で苦しんでおり、ホワイトハートレーンでエヴァートンの守備から逃げたのは彼の優柔不断さの典型である。
以上が『デイリー・メール』紙による昨シーズンの「PFA年間ベストイレブン」に対する今シーズンの評価だ。
納得できるような部分もあれば、手術後のために出場していないバートランドのようにジャッジするには時期尚早という部分もある。そして、ベストイレブンの6人が優勝したチェルシーから選出されていただけに、今シーズンのチェルシーが不調であれば全体的に不調に見えるような…。
だが、彼らは当然チームの根幹であり、「活躍して当然の選手」だ。裏を返せば、「活躍しなければすぐに批判される存在」ということになる。そして、実力充分の選手たちがこのまま終わるはずがない。彼らの巻き返しに大きく期待したい。
(記事提供:Qoly)
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