レスターはなぜこんなに強いのかを分かりやすく解説! [写真]=Getty Images
ちょうど1年前は最下位だった。そこから奇跡の残留を成し遂げたチームが、今季はさらなる奇跡を起こそうとしている。「いつか落ちる」と言われ続け、気付けば4月も首位である。ミラクル・レスターは、なぜこんなにも強いのか?
■とにかくヴァーディとマフレズがすごい!
最大の立役者は、なんといってもジェイミー・ヴァーディ、リヤド・マフレズのアタッカーコンビだ。今季プレミアここまで、リーグで最も多くのゴールに直接絡んでいるのがマフレズ(16得点+11アシスト=27)であり、2位がヴァーディ(19得点+6アシスト=25)なのだ。
圧倒的なスピードと走力を持ち、常に相手の裏を狙い、思い切りよくシュートを狙うヴァーディは現在リーグ得点ランク2位。8月末から11月末にかけてプレミアリーグ新記録となる11試合連続ゴールの金字塔を打ち立てたのも記憶に新しい。
ヴァイッド・ハリルホジッチがアルジェリア代表監督時代に高く評価していたマフレズは、左利きの超絶テクニシャン。彼はいまや、アーセナルやバルセロナへの移籍が噂される存在になっている。
■この「名脇役」たちがすごい!
脇を固める“縁の下の力持ち”たちも忘れてはいけない。3月にイングランド、フランスでそろって代表デビューを飾ったボランチコンビ、ダニー・ドリンクウォーターとエンゴロ・カンテはその代表格。堅実にボールをつなげるドリンクウォーターはまさに「水を運ぶ」タイプ。クラウディオ・ラニエリ監督が「いつか自分のクロスを自分でヘディングするんじゃ…」とまで言うカンテは、ピッチ全域を機敏に動き回り、目下タックル数はリーグトップ、インターセプト数もリーグ2位というボール回収人だ。
他にも、クロス本数がリーグ最多のマーク・オルブライトン、常に気の利いたプレーを見せるクリスティアン・フクス、屈強な守備の要にしてキャプテンのウェズ・モーガン、“親の七光り”を乗り越えたGKカスパー・シュマイケルなど、個性豊かな名黒子たちは軒並み評価が高い。
■岡崎慎司の守備がすごい!
レスターの戦術はカウンター。ポゼッションは完全放棄。1試合平均のボール支配率(46%)もパス本数(374本)も、なんとリーグワースト3位である。相手にボールを持たせ、狙いどころにパスが入ると一気呵成にボールを奪い、素早くカウンターに転じるプレーを徹底する。だからボールを持ちたがる格上との対戦や、ホームチームが能動的に攻めてくるアウェイ戦に滅法強い。
そんな戦術の中で重要な役割を担うのが岡崎慎司である。献身的なフォアチェックやプレスバックで敵のパスコースを限定することで守備のスイッチ役となり、味方のボール奪取を容易にしているのが岡崎なのだ。同じく運動量豊富なヴァーディとの2トップによる“追い回し”は、相手DFにとって悪夢だ。
ここまで30試合5得点。ゴール数は物足りないって? 見事なオーバーヘッドを決めた3月のニューカッスル戦を見ればわかるように、徐々に好機をモノにする場面は増えている。周囲の信頼度が増してラストパスも出るようになってきた。自ずとゴールシーンは増えるはずだ。
■ラニエリのマネジメントがすごい!
前線からのガムシャラなプレスと強烈カウンターは、ラスト9戦7勝で奇跡の残留を成し遂げた昨季終盤にベースが出来ていた。だが、その勢いを新シーズンに持ちこめたのは、出しゃばらず、継続路線を選んだクラウディオ・ラニエリ新監督の功績だ。
監督キャリア30年の名伯楽は、ここまで絶妙なバランス感覚でチームを率いている。戦術好きのイタリア人。チェルシー時代は「ティンカーマン(いじくり回し屋)」と揶揄されたが、レスターでは在籍選手の特徴を見極めた上で「いじらない」ことが正解だと判断した。それでいて、課題だった守備はシーズン中も丁寧に修正を施し続け、それが奏功し、シーズン序盤は撃ち合いを好んだイケイケのチームが、後半戦は相手に対策を練られても「1-0」で勝ち切れる勝負強いチームに変身した。
また、いくら注目度が増しても選手が浮き足立たないようクギをさし続け、「無失点ならピザを奢る」「連戦を乗り切ったら1週間オフ」など定期的に“ニンジン”をぶら下げるハンドルさばきも見事のひと言。その裏では寝る間を惜しんで対戦相手を研究してiPadで選手に伝える情報を整理し、ハードワークを続けさせるために教え子のコンディションを細かく管理するなど日々の準備も抜かりない。こうした仕事ぶりが、レスターの強さを一時的なものではなく継続的なものにしている。
■「低コスト高品質」を見抜くスカウトがすごい!
最後に裏方の貢献も挙げておこう。今季の主役たちは、みな数年前まで無名の選手だった。ヴァーディがアマチュアで工場勤務しながらプレーしていた過去は有名だし、マフレズもフランス4部からキャリアをスタートさせ、2部で燻っていた選手だ。
数々の眠れる才能を発掘してきたのは、助監督と強化担当責任者を兼任するスティーヴ・ウォルシュと、彼の下に就く優秀なスカウト&データアナリストたちだ。元チェルシーのスカウトだったウォルシュは、アマチュア時代のヴァーディを100万ポンド、フランス2部時代のマフレズを35万ポンドという超格安でレスターに連れてきた。小柄なカンテがプレミアで通用するか疑問を抱いたラニエリを説き伏せたのも、岡崎のスプリントと走力がレスターに合うと見抜いたのも彼ら強化部チーム。その慧眼が躍進に繋がったのは間違いない。
開幕前に5000倍だったレスターの優勝オッズは、今や1.5倍を切った。誰もが弱小クラブの偉業に夢を抱き、いわゆる「中立のフットボール・ファン」はみんなミラクル・レスターの味方である。プレミアの歴史が変わるかもしれないリーグ最終盤。奇跡を最後まで見届けよう。
(記事/Footmedia)
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