開幕3連勝で首位に立つマンチェスター・C [写真]=Getty Images
「2-0から1点返されて、我々に火が付いた」
そう語ったのはマンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督だ。
28日にホームで行われたウェストハム戦で3-1と勝利したマンチェスター・Cだったが、前半を2点リードで折り返し、58分に1点を返された場面を同監督はさらにこう振り返っている。
「今日の前半のパフォーマンスは過去3試合で最高の出来だった。過去2週間でチームは予想以上の成長を見せている。だが、2-0で決まる試合などない。失点した後、選手たちは感情的になり、奮起した」
マンチェスター・Cは過去3試合ですでに9ゴールをたたき出しているが、そのうちセットプレーからの得点が4ゴールであるという点も特筆すべきだろう。攻撃時に変則的な「3-2-3-2」ないし、「4-1-4-1」という布陣になる中で、5人の攻撃選手が流動的にプレーし、敵陣でボールを失ってもすぐさまプレスをかけて取り返すというスタイルも確立されつつある。それが結果としてボール支配率67パーセント、シュート数22本というスタッツにも表れている。
ほとんどのチームが守備「6」、攻撃「4」という定石的布陣をしく中、グアルディオラ監督の守備「5」、攻撃「5」という攻撃的プレースタイルが今後、優勝争いを繰り広げるであろうマンチェスター・Uやチェルシーを相手にどこまで通用するか。注目すべき点となるだろう。
一方、グアルディオラ監督は今シーズン、すでにイングランド代表GKジョー・ハートに対し、「スイーパーキーパーとしてプレーできない」として事実上の戦力外を通告し、最後の補強としてバルセロナからチリ代表GKクラウディオ・ブラボの獲得を実現させた。
グアルディオラ監督はブラボについて、「彼は一流のGKであり、我々にとって最高の補強となった。彼には経験と統率力があり、選手として成熟している。彼は私が長年、目を付けていた選手であり、一緒に働きたかった選手だ」と賛辞を送っている。
インターナショナルマッチウィーク直後の9月10日に行われる“マンチェスター・ダービー”では、ジョゼ・モウリーニョ監督との因縁対決も実現する。グアルディオラ監督は「何よりも、選手たちが代表チームでケガをせずに帰ってきてくれることを願う。私はまだ今シーズンのマンチェスター・Uのプレーを観ていないから、これから分析して準備する。オールドトラッフォードでのダービーは楽しみだ」と意気込みを話したが、今シーズン最初の正念場を迎えることになる。
文=藤井重隆