2試合連続でベンチスタートとなっているマンチェスター・Cのアグエロ [写真]=Getty Images
スペインの二大巨頭であるレアル・マドリードとバルセロナが、マンチェスター・Cのアルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロのリーガ・エスパニョーラ復帰に向けて熱視線を送っているという。
2011年夏にアトレティコ・マドリードからマンチェスター・Cに移籍して以来、エースストライカーとして2度のプレミアリーグ制覇に貢献し、2014-15シーズンには得点王にも輝いたアグエロ。今シーズンもここまでの公式戦でチーム最多の18ゴールを挙げているものの、現在は新戦力のブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスにレギュラーの座を奪われかけている。
この冬の移籍市場でパルメイラスから加入したG・ジェズスは、先月21日に行われたプレミアリーグ第22節のトッテナム戦でデビューを飾ると、同28日に行われたFAカップ4回戦のクリスタル・パレス戦では初スタメンで初アシストを記録。2月に入っても先発出場を重ね、1日に行われた第23節のウェスト・ハム戦では1ゴール1アシスト、5日に行われた第24節のスウォンジー・シティ戦では2ゴールをそれぞれ挙げるなど、チームの公式戦3連勝に貢献している。
一方、これまで何度も移籍の噂が流れながらも、昨年秋にマンチェスター・Cとの契約を2020年6月末まで1年間延長したアグエロだが、ジェズスの台頭による急激な立場の変化により自身の去就を再び検討し始めているという。そして、スペイン紙『マルカ』によると、レアル・マドリードならびにバルセロナが、アグエロの状況を注視しているとのことだ。
レアル・マドリードは現在、フランス代表FWベンゼマの決定力不足が目立つうえ、エースのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドにも衰えを指摘する声があり、アトレティコ・マドリード在籍時代から何度も獲得を画策した経緯があるアグエロに再びアプローチする可能性は十分にある。
対するバルセロナは、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ウルグアイ代表FWルイス・スアレス、ブラジル代表FWネイマールの“MSNトリオ”が、前線で盤石の体勢を築いている。だが、その一方でバックアップのスペイン代表FWパコ・アルカセルは復調気配にあるものの期待には応えられておらず、大黒柱のメッシが共演を期待している母国の親友アグエロの獲得に動いてもおかしくはない。
いずれにしても、選手が移籍を決断しない限り、クラブは獲得を実現することはできない。とはいえ、渦中のアグエロはリーグ戦で2試合連続ベンチスタートとなったスウォンジー戦後、「僕はマンチェスター・Cで幸せなので、残りのシーズンも全力でチームに貢献するだけだ。将来については、選手の入れ替えを考えるのはあくまでもクラブだ」と微妙な発言をしているだけに、ジョゼップ・グアルディオラ監督との関係も含め、今後の動向から目が離せなさそうだ。
文=北村敦