トリッキーな映画なんて必要ない! シアラー、ベッカム、ジダンが登場するド直球サッカー映画を知ってるか!?

芸術の秋に往年のスーパースターも出演する王道のサッカー映画はいかが? [写真]=Getty Images

編集部が独断で推薦!「秋に観たいサッカー映画」

 若い頃に比べて映画館に行かなくなった。理由は何かとトリッキーなものばかりが放映されているからだと思う。大怪獣が東京に襲来したり、魔法使いたちが命を懸けて戦ったり、過去・現在・未来を行き来したり、眩しいくらいキラキラした日常で超リア充な大恋愛が展開されたり……。創意工夫を凝らすのは結構だが、世界観がミステリアスな作品も多くて、映画館を出た瞬間「?」となることも頻繁にあった。「あのシーンってつまりどういうこと? 何かの伏線?」といった具合にだ。

 個人的に、日本人は「熱しにくく冷めやすい」人種だと考えている。4年に1度、ワールドカップが開催されてようやくサッカーに注目し、日本が勝てば必要以上に騒ぎ、負ければ瞬く間に興味を失う。だから“コアサポvsにわかサポ”の論争が後を尽きない。

 平和でたくさんのサブカルチャーが存在する日本では、サッカー以外にも楽しめるものが溢れ返っている。色々楽しみ抜いた挙句、普通のものでは満足できくなったのか、“定番”は敬遠されがちだ。トリッキーなものが人気を博すのも、今日の日本では当然のことなのかもしれない。

 しかし! だからこそ、あえて、胸を張って、分かりやすいどストレートなサッカー映画を勧めさせていただきたい。武藤嘉紀が今夏からニューカッスルに移籍したので、同クラブが舞台となる『GOAL!』(2006年5月公開)なんていかがだろうか?

ニューカッスルといえばこの人! 劇中にゲスト出演しています [写真]=Getty Images

 ザックリとあらすじを説明すると、メキシコの貧しい家庭に生まれ、不法移民としてアメリカでアルバイトをする天才サッカー少年が、スーパースターに上り詰めていくまでを描いたサクセスストーリーだ。ある日、主人公のサンティアゴ・ムネスに転機が訪れる。いつも通り試合に出場して持ち前のテクニックを披露すると、たまたま居合わせたプロの代理人の目に留まり、ニューカッスルの入団テストを受けてみないか?とオファーを受ける。挑戦することを決めたサンティアゴは、チームメイトからのいじめ、ライバルとの戦い、スキャンダル、父親との確執など、様々な苦難と向き合いながら奮闘していく。

 ありきたりに感じるストーリーだ。でも、現実世界に置き換えて考えてみてほしい。そんなチャンスが巡ってくる選手は何人いる? ほんの一握り、実力と運を持った者だけだ。諦めず努力を続ける主人公を見ていると、海外でプレーする日本人選手たちも「色々と大変なんだろうなぁ」とか、「目に見えない苦労の連続なんだろうなぁ」とか……。そんなことまでしみじみと感じさせられる。変に「?」といった感情が生まれることなく、素直に見ることができるはずだ。これこそ、“定番”ならではの魅力なのである!

この人たちもゲスト出演しています [写真]=Getty Images

 ちなみに、デイヴィッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン、アラン・シアラーら往年のスーパースターたちがゲスト出演することも、同作の見どころの1つ。試合映像内にもちょいちょい大物選手(ウィリアム・ギャラス、ジェイミー・キャラガー、スティーブン・ジェラードとか)が映り込んでいる点も「おっ!」と思わせてくれる。

 舞台はイングランド、総製作費120億円、主題歌を歌うのは人気ロックバンド『オアシス』、スーパースター多数登場! シリーズは全3部作、努力の末、主人公がどのようにスター街道を駆け上がり、夢をつかむのか、ぜひとも見届けてほしい。

文=サッカーキング編集部

『GOAL!』

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