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ゴールラインテクノロジー、ヴィラ戦でのエラーを公式に認める「9000試合で初のケース」

2020.06.18

GLTの提供元が誤審を認める [写真]=Getty Images

 プレミアリーグに「ゴールラインテクノロジー」システムを提供する『ホークアイ・イノベーションズ』が、17日に行われた第28節未消化分アストン・ヴィラシェフィールド・U戦で発生したエラーに関する公式声明を発表した。

 同試合では42分、シェフィールド・UのMFオリヴァー・ノーウッドのクロスをキャッチしたアストン・ヴィラGKエルヤン・ニーランが、後退した勢いそのままに右サイドネットに突っ込む。同選手はボールと一緒にラインを割ったかに思われたが、マイケル・オリヴァー主審はゴールラインテクノロジーの反応がないことを示して得点を認めず。疑惑の判定によって再開後第1号は幻となり、試合もこのままスコアレスドローで終了した。

『ホークアイ』は試合後、問題の場面について、公式Twitterを通じて次のような声明を発表。ゴール前に群がった選手たちによってカメラの視界が遮られ、テクノロジーがボールの位置を認識できなかったことがエラーの原因だと明かした。

「ゴール周辺のスタンドに設置されている7台のカメラは、GK、DF、ゴールポストによって遮られていました。このような“遮断”は、ホークアイのゴールラインテクノロジーシステムが稼働した9000以上の試合における前例のないケースです。試合前には担当者のテストによってシステムが機能していることが確認され、試合中もずっと機能していました。ホークアイは、プレミアリーグとシェフィールド・U、およびこの件の影響を受けたすべての人に謝罪いたします」

■“特殊な状況”のためにVARも介入せず

アストン・ヴィラ対シェフィールド・U

[写真]=Getty Images

 また、イングランドのプロサッカーを担当する審判団の母体である『プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャルズ・リミテッド(PGMOL)』も声明を発表。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が判定に関与しなかった理由について、次のように弁明した。

「国際サッカー評議会(IFAB)の規則では、VARはゴールが入った状況をチェックすることは可能です。しかしながら、主審がゴールラインテクノロジーからの信号を受け取らなかったという“特殊な状況”だったため、VARは介入しませんでした」

 九死に一生を得たアストン・ヴィラは貴重な勝ち点「1」を獲得し、降格圏脱出に必要な勝ち点は残り「2」に。一方、勝ち点「2」を失ったシェフィールド・Uは、単独5位に浮上するチャンスを逃すことになった。両クラブに与えた影響を考慮すれば、たった一度の“失敗”と言えども、今後ゴールラインテクノロジーへの信頼が揺らぐことは必至だ。

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