クリーンシート数でプレミアリーグ歴代トップ5に君臨するレジェンドたち [写真]=Getty Images
10月30日のレスター戦(2-0)で“神セーブ”を披露して話題になっているアーセナルのGKアーロン・ラムズデール。とりわけジェイムズ・マディソンの直接FKを止めたセーブは、歴代最高の1つと称えられており、試合後の会見でミケル・アルテタ監督も「マディソンが蹴った瞬間に、私は『決まった』と言ってしまった。信じられないセーブだ」と絶賛した。
だが指揮官は、まだ始まりに過ぎないとも語った。「我々は将来的にクラブで活躍してくれる才能に多額の投資をしている。アーロンは、ここまで頼もしいプレーをしているし、信じられないようなセーブでクリーンシートに貢献してくれた。だが、これを続けないといけない。シーズン50試合を20年続けないといけない。まだスタートに過ぎないんだ」
シェフィールド・U時代を含め、プレミアリーグ82試合に出場して14回目のクリーンシートを達成したラムズデール。23歳の若き守護神にとって、これはあくまで始まりに過ぎないということだ。というわけで、彼が目指す“クリーンシートの頂”を見てみることにしよう。こちらがクリーンシート数でプレミアリーグ歴代トップ5に君臨するレジェンドたちだ。
[写真]=Getty Images
5位 ナイジェル・マーティン (クリーンシート137回)
リーズやクリスタル・パレス、エヴァートンなどで活躍したGKは、イングランド代表23キャップを有して、出場機会こそなかったが2002年ワールドカップで来日している。さらにリーズ時代の2000-01シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)でベスト4まで勝ち上がった実績を持ち、安定感と力強いセービングに定評があった。
2003年に加入したエヴァートンでは、引退する2006年までプレミアリーグ86試合でクリーンシート30回を達成。デイヴィッド・モイーズ監督の元、2004-05シーズンには1989年以降で最高成績となる4位に入ってCL予備戦の出場権を獲得したことも。モイーズ監督も、過去最高の補強選手について「リーズからフリーで獲得できたナイジェル・マーティン」と『FourFourTwo』誌にて明かしたことがある。
4位 デイヴィッド・シーマン (クリーンシート141回)
マーティンが1998年と2002年のW杯でピッチに立てなかった理由は、この男がイングランド代表の守護神として君臨していたからだ。アーセナル時代にはトニー・アダムス等と“フェイマス・ファイヴ”と呼ばれた強固な最終ラインを形成し、リーグ優勝2回に貢献。同クラブにおけるプレミアリーグでの最多クリーンシート(138回)を誇り、その安定した守備から「セーフ・ハンズ」の愛称で親しまれた。
アーセナル時代の2003年FAカップ準決勝のシェフィールド・ユナイテッド戦では、コーナーキックから相手選手にゴール前2メートルの位置でヘディングシュートを打たれるも、右腕一本で止めるだけでなく腕力を活かしてボールをかき出して見せた。
3位 マーク・シュウォーツァー (クリーンシート151回)
長年にわたりミドルズブラやフラムでゴールマウスを守り続けてきた元オーストラリア代表の守護神。プレミアリーグで514試合出場は、英国系選手を除いた外国人プレーヤーの中で歴代最多。彼が凄いのは、ほとんどビッグクラブに在籍せずに、これだけの数字を積み上げてきたことだ。
だが、2010年にはアーセナルに加入するチャンスもあった。当時、アーセナルは守護神が定まっておらず、マヌエル・アルムニアやウカシュ・ファビアンスキ、当時若手のヴォイチェフ・シュチェスニーなどがゴールマウスを守っていた。そのためアーセン・ヴェンゲル(当時監督)は、フラムをヨーロッパリーグ決勝まで導いたGKシュウォーツァーに白羽の矢を立てて獲得に動いた。当時37歳のキーパーの移籍金としては破格の400万ポンド(約6億円)のオファーを出すも、フラムが1000万ポンド(約15億円)も要求したため交渉が決裂して移籍は実現しなかった。
それでもシュウォーツァーは、2013年に40歳にしてチェルシー入り。その後はレスターでもプレーし、43歳というレスターの最年長出場記録を打ち立てた。
2位 ディビッド・ジェームズ (クリーンシート169回)
リヴァプールやマンチェスター・Cなど10クラブも転々とした元イングランド代表は、ランクインした他の選手とは違い、安定感よりも派手なセーブで名を馳せたタイプだ。それが何を意味するか…結構ミスも多かったということだ。
それでもプレミアリーグ歴代4位となる通算572試合の出場は、ゴールキーパーとしては最多である。そして、彼が凄いのはGK以外のポジションでも出場経験を持つことだ! シティ時代の2005年、シーズン最終節にUEFAカップ出場権をかけてミドルズブラとの直接対決に臨んだ。1-1で迎えた88分、勝利が必要だったシティは控えGKを投入してジェームズを前線にあげたのだ。
ジェームズは得点できなかったが、それでもチームは終了間際にPKを獲得。これをFWロビー・ファウラーが蹴るも、相手GKに止められてしまい万事休す。ドロー決着でミドルズブラがUEFAカップ出場権を手にした。ちなみに、その時のボロのGKというのが、今回のランキングで3位に入った選手だ!
1位 ペトル・チェフ (クリーンシート202回)
断トツで1位に立つのはチェルシーやアーセナルで活躍した元チェコ代表キーパーだ。出場443試合で202回だから、クリーンシート達成率は驚異の45.6%! 2試合に1回近いペースでクリーンシートを達成していた。
プレミアリーグのゴールデングラブ賞(1シーズンの最多クリーンシート)も歴代最多の4回受賞。さらにジョゼ・モウリーニョ政権時代のチェルシーで、2004-05シーズンにクリーンシート24回(38試合中)というプレミアリーグにおける1シーズンの最多記録も樹立した。そのため同選手が2015年に宿敵アーセナルに移籍するとき、チェルシーの主将ジョン・テリーは「彼は1人でシーズン12~15ポイントの勝ち点を稼ぐ」と嘆いたほどだ!
(記事/Footmedia)
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By Footmedia