争奪戦必至のジョンストン(左)、ブレアトン・ディアス(右) [写真]=Getty Images
全24チームで構成され、年間46試合を戦い、上位2チームはプレミアリーグへ昇格。残り1枠を3位から6位のクラブがプレーオフで争うことから、“世界一厳しいリーグ”とも言われるイングランド2部チャンピオンシップ。昇格できるクラブは1シーズンに3つだけだが、活躍を披露し、プレミアリーグへの“個人昇格”を勝ち取る選手も少なくない。
そこで英紙『デイリー・スター』は、チャンピオンシップのクラブに所属し、来夏で契約が切れる注目株5人を紹介している。
■ベン・ブレアトン・ディアス(22)/ブラックバーン
まさに“ゲーム”のようなサクセスストーリーだ。ストーク・オン・トレントで生まれたストライカーは、2021年5月、突如としてチリ代表に初招集。この裏には、人気ゲーム『Football Manager』の存在があった。
イギリスメディア『トークスポーツ』などによると、イングランドU-19、 U-20代表歴があるブレアトン・ディアスは、とあるインタビューの中で「厳密に言えば、僕はチリ代表でプレーできるんだ。母親がチリ人だからね」と語った。それを聞きつけたゲームのリサーチャーが、同選手のゲーム内の情報を更新。すると、それを見つけたファンが、SNSで“チリ代表にブレアトン・ディアスを”というキャンペーンを開始し、それをチリのメディアが報道。話はトントン拍子に進み、6月のコパ・アメリカでチリ代表デビューを果たしたのだ。
それを機に、登録名もベン・ブレアトンに母親の姓を足し、現在のベン・ブレアトン・ディアスに。すると、今シーズン一気に覚醒を果たし、リーグ戦18試合で14ゴールの大爆発。チリ代表でもFIFAワールドカップカタール2022南米予選で2ゴールを決めている。クラブは延長オプションを保有しているようだが、この活躍が続けば、遅かれ早かれ、ステップアップすることは間違いないだろう。
■ジャン・ミシェル・セリ(30)/フルアム
2018年夏、プレミアリーグに昇格したフルアムが、クラブ史上最高額となる2700万ポンド(約41億円)でニースから獲得したのが、このコートジボワール代表MFだった。当時“アフリカのシャビ”として注目を集めていたセリだったが、シーズンを通じて不安定なプレーに終始し、チームも1年でチャンピオンシップ降格の憂き目に遭った。翌2019-20シーズンはガラタサライ、2020-21シーズンの後半はボルドーに期限付き移籍と、セリのフルアムでの時間は終わったと考えられていた。
しかし、今シーズン、マルコ・シウヴァが監督に就任すると、流れは一変。不動のレギュラーとしてリーグ戦17試合に出場して5アシストと、ようやくフルアムで花開いた。現在の契約は来夏で切れるものの、フルアムは1年の契約延長オプションを保有。クラブとセリの今後の動きに注目だ。
■サム・ジョンストン(28)/ウェスト・ブロムウィッチ
昨シーズン、ウェスト・ブロムウィッチ(WBA)で孤軍奮闘とも言える活躍を見せ、クラブのサポーター選出のMVPと、選手選出のMVPの2冠を達成。今年3月には代表に初めて招集され、控えGKとしてEURO2020にも参加した。そのため、新シーズンは新たなチームで迎えるという見方が主だったが、結局チャンピオンシップに降格したWBAに残留。今シーズンもそのパフォーマンスは変わらず、リーグ戦18試合に出場し、8つのクリーンシートを記録するなど、3位につけるチームを支えている。
報道では、トッテナム、マンチェスター・U、ウェストハム、アーセナルなどがジョンストンを狙っているとされているが、来夏のフリーでの流出を避けるため、クラブが冬に売却を検討する可能性は大いにある。
■ジェド・ウォレス(27)/ミルウォール
ミルウォールがリーグ1(イングランド3部)に所属していたときに、ウルヴァーハンプトンから2度、ローンで加入し、クラブがチャンピオンシップに昇格した2017-18シーズンに待望の完全移籍を果たしたウォレス。リーグ戦では4シーズン連続で40を超える試合に出場し、直近2シーズンは2桁ゴールも達成した。右サイドをメインのポジションとしているが、左サイドや中盤、セカンドトップやストライカーまでこなすユーティリティー性も大きな魅力だ。
本人は「新契約について話はしたが、自分は契約や交渉のエキスパートではないし、今は最高のプレーを見せることに集中している」と語ったが、ウォレスが動くとなれば、プレミアリーグのチームも黙ってはいないだろう。
■トム・ローレンス(27)/ダービー・カウンティ
11月21日に行われたチャンピオンシップ第18節ボーンマス戦では、2ゴールの活躍で3-2の勝利に貢献。破産申請に加え、収益性と持続性に関する規則に違反したことから、EFL(イングリッシュ・フットボールリーグ)から合計で勝ち点「-21」の処分を受けていたチームは、これでようやく勝ち点を「0」とし、スタート地点に立った。しかし、クラブに現金が必要なことは変わらない。最悪なのは、この背番号10のキャプテンが、来夏フリーでチームを去ってしまうことだ。それならば、冬の移籍市場で売却し、移籍金を得ることを選ぶのではないだろうか。
(記事/Footmedia)
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