マンチェスター・Uに所属するジョーンズ [写真]=Getty Images
今月初め、マンチェスター・ユナイテッドのDFフィル・ジョーンズ(29歳)が久しぶりにピッチに帰ってきて話題を集めた。1月3日のウォルヴァーハンプトン戦にフル出場したジョーンズ。彼がトップチームの公式戦に出場するのは実に「708日(約2年)ぶり」のことだった。
ジョーンズは、名将アレックス・ファーガソンに認められて2011年にブラックバーンからユナイテッドに加入。19歳でイングランド代表デビューを果たし、未来の“代表キャプテン”と期待される逸材だった。しかし近年はユナイテッドでの出番が激減。膝の怪我に悩まされ、2年前の夏に手術を受けてから長期離脱し、ネット上で揶揄されることも多くなり「笑い者にされているのは知っている」と本人も語っていた。
それでも努力を怠らずに前述のウルヴズ戦で復帰を遂げ、「彼は素晴らしいプロフェッショナルだ。長期離脱しながら復帰初戦で活躍したのだから尊敬されるべき」とチームメイトのDFルーク・ショーから称賛を浴びた。
ジョーンズの708日ぶりの出場は凄いことに思えるが、まだまだ上には上がいる。それでは一度も退団することなく同じクラブで「久しぶりにピッチに戻ってきた選手」を見てみよう。
■ルーク・ヤング(QPR)
トッテナムなどで活躍した元イングランド代表DFルーク・ヤングは、キャリア晩年の2011年にQPRに加入するとチームのプレミアリーグ残留に貢献。しかし、その後は臀部の怪我などもあり構想外となり、翌2012-13シーズンは一度もピッチに立てずにチームも2部に降格。その後も出場機会がないまま迎えた2014年4月、チームに怪我人が続出したために2部リーグの試合で起用されることに。実に「745日ぶり」の出場だった。しかし、同シーズンも出場したのはその1試合だけで、シーズン後に放出されてそのまま現役生活を退いた。
■イアン・デュラント(レンジャーズ)
やはり長期間ピッチを離れる原因は怪我が多く、元スコットランド代表MFデュラントも例外ではない。レンジャーズで13年プレーしたデュラントは、1988年10月のアバディーン戦で大怪我を負うのだった。
スコットランドは伝統的にレンジャーズとセルティックの“二強”という勢力図だが、1980年代にそれを書き換えた指揮官がいる。後にマンチェスター・ユナイテッドを世界一のクラブに導くアレックス・ファーガソンだ。同指揮官の元、アバディーンは6年間で3度の優勝を遂げて、二強に割って入ったのだ。そして1986年に同監督がユナイテッドに引き抜かれた後も上位をキープしていた。
そんな状況で迎えた前述の試合で、優勝を目指す両チームが激しい火花を散らして危険なタックルの応酬を繰り返し、デュラントがその犠牲者に。膝の靭帯を断裂する大怪我を負って「910日」も戦列を離れるのだった。
■ギャレス・エインズワース(ウィコム)
イングランドの下部リーグには、もっと稀なケースがある。久しぶりの出場どころか、久しぶりの「現役復帰」を果たした者がいるのだ。下部リーグで現役時代を過ごしたエインズワースは、2009年に当時3部のウィコムに加入。その後、2012年に選手兼監督に就任すると、2013年4月に現役を退いたあとは監督業に専念していた。だが2016年8月、チームに怪我人が続出したためカップ戦で自分をベンチメンバーに入れることに!
そして2点リードして迎えた85分、43歳のエインズワース監督は途中交代でピッチに立って「1221日ぶり(約3年半ぶり)」の出場を果たしたのだ。それどころか、見事なスルーパスでチームの3点目を演出して勝利に貢献。実は、エインズワースはプロ選手を引退後も草サッカーを続けていたので、43歳になっても体が動いたという。ちなみにエインズワース監督は、今でもイングランド3部のウィコムを指揮しており、イングランドフットボール界の現役監督として2番目となる長期政権を築いている。
■ルイス・ミジャ(バルセロナ)
英紙『The Guardian』によると、スペインにも面白いケースがあるという。1984-85シーズン、スペインのプロ選手たちがストライキを起こしたことで、シーズン第2節の試合はユースやアマチュアの選手が出場することに。それはバルセロナも例外ではなく、1984年9月のレアル・サラゴサ戦では若手選手たちが出場した。
そして、その試合でトップチームデビューを果たしたのが当時ユースチームに所属していた18歳のルイス・ミジャだ。同選手は、先制ゴールを決めて4-0の勝利に貢献。しかし、すぐにストライキが収束したため、ミジャはユースチームでの下積み生活に戻ったという。そこから着実にステップアップを遂げて、1988年に「1455日(約4年)ぶり」にファーストチームの試合に出場したのだ!
その後、ミジャはバルセロナを退団して宿敵レアル・マドリードでもプレーし、スペイン代表としても3試合に出場。引退後はスペインの年代別代表の監督を務めたあと、インドネシア代表も率いた。ちなみに息子のルイス・ミジャ・マンサナレスもプロ選手で、現在はスペイン1部のグラナダで活躍している。
■ルイス・ベイカー(チェルシー)
誰よりも久しぶりの出場を果たしたのは、先日チェルシーからストークに移籍した元イングランドU21代表ルイス・ベイカー(26歳)だ。チェルシー生え抜きのミッドフィルダーは、2014年1月のFAカップでトップチーム初出場。18歳にしてチェルシーでのデビューを飾ったのだが、そこから2度目の出場まで、途方もない道のりが待っていた。
2015年1月にシェフィールド・ウェンズデー(イングランド2部)に期限付きで移籍すると、それを皮切りにフィテッセ(オランダ)、リーズ、フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ)、そして昨季のトラブゾンスポル(トルコ)など、気づけば計8クラブへのローン移籍を繰り返したのだ。ちょっと聞こえは悪いが、まさに“ローン地獄”である。
しかし、その間もずっとチェルシーと契約を結んでいたため、今シーズンはチームに留まることに。やはりトップチームでは出番がなく、オーバーエイジ枠としてU23チームの試合に出場する日々が続いたのだが、今月8日のFA杯のチェスターフィールド戦で久しぶりにベンチ入り。そして後半途中からピッチに立ったのだ。チェルシーのトップチームでデビューを飾ってから8年、実に「2925日ぶり」の出場となった!
そのベイカーは今月15日、チェルシーから2部のストークへ完全移籍。9歳で入団してから17年も過ごしてきた西ロンドンのクラブに別れを告げた。
(記事/Footmedia)
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