リーズからニューカッスルに加入したウッドゲイト(右)
欧州各国の移籍市場最終日は、駆け込みで多くの選手の移籍が発表されることから“デッドライン・デー”として今やすっかりサッカーにおける冬の風物詩となっている。
今冬もクリスティアン・エリクセン(フリー→ブレントフォード)、デヤン・クルゼフスキ(ユヴェントス→トッテナム)、デレ・アリ(トッテナム→エヴァートン)、ドニー・ファン・デ・ベーク(マンチェスター・U→エヴァートン)などのビッグネームが動き、SNSを中心に盛り上がりを見せた。
そもそも、この冬の移籍が導入されたのは2002-03シーズンから。そこで『デイリー・スター』では、導入された年のプレミアリーグでのデッドライン・デーの移籍を振り返っている。
■ラウール・ブラボ(レアル・マドリード→リーズ)
レアル・マドリードの下部組織出身で、ロベルト・カルロスの控えを務めていた左サイドバックの獲得は、リーズにとって良い取引に見えた。しかし、ふたを開けるとブラボはリーズで公式戦たった6試合の出場にとどまった。シーズン終了後にレアル・マドリードに戻ったブラボは、スペイン代表としてEURO2004を戦ったが、チームはグループ3位で敗退。ブラボ自身もそれ以降、スペイン代表に呼ばれることはなかった。
■ジョナサン・ウッドゲート(リーズ→ニューカッスル)
昨年10月にサウジアラビアの政府系ファンドによる買収が成立し、世界有数の資金力を手に入れたニューカッスルだが、19年前の冬にも大金をはたいていた。慢性的な資金難から主力選手を放出せざるを得なくなっていたリーズからウッドゲートを獲得したのだ。移籍金900万ポンドは初年度となった2003年の冬のデッドライン・デー最高額。加入後すぐにニューカッスルファンの心を掴んだウッドゲートは、翌2004年夏にレアル・マドリードへと驚きのステップアップを果たした。
■デイヴ・ビーサント(ウィガン→ブライトン)
キッチンで落下したサラダクリームのガラス瓶を素足で受け止めようとして負傷したエピソードで有名なビーサント。ウィンブルドンやチェルシーでプレーし、イングランド代表歴もあるGKではあったが、当時すでに43歳。その中で現役続行を目指し、2部に所属していたブライトンに移籍した。チームは降格したものの、16試合に出場。同年夏にフルアムに移籍するも公式戦出場はなく、プロキャリア最後の公式戦はブライトンでのものとなった。
■ダニー・ヒギンボザム(ダービー→サウサンプトン)
当時、デッドライン・デーの移籍はほとんどがローンだったが、数少ない完全移籍を果たしたのがヒギンボザムだ。ダービーから150万ポンドの移籍金でサウサンプトンに加入したヒギンボザムは、そのシーズンのFAカップ決勝進出に貢献。しかし、チームの成績は徐々に下降していき、2004-05シーズンに降格が決定。ヒギンボザムはチームに残り、チャンピオンシップを戦ったが1シーズンでの昇格は叶わず、2006-07シーズンに同じくチャンピオンシップに所属していたストークへ移籍した。
■デイヴィッド・プラットン(ノッティンガム・フォレスト→サウサンプトン)
初年度から賑やかなデッドライン・デーを過ごしたサウサンプトンは、ヒギンボザムに加えてプラットンも獲得。イングランドU21代表だったプラットンはサウサンプトンで公式戦94試合に出場し、5ゴールを記録した。2006-07シーズンに出場機会が激減したことで、2007年の冬の移籍市場で古巣ノッティンガム・フォレストにローン移籍。そのまま同年夏にサウサンプトンとの契約が満了となり、リーズにフリーで加入した。
■タラール・エル=カルクーリー(パリ・サンジェルマン→サンダーランド)
当時残留争いの真っ只中だったサンダーランドは救世主としてPSGで100試合以上に出場し、モロッコ代表でもあったエル=カルクーリーに白羽の矢を立てた。しかし、チームはエル=カルクーリーが出場した8試合で全敗、最下位で降格となってしまった。ただし、エル=カルクーリー自身は2004年夏にチャールトンに移籍。個人ではプレミア“残留”を果たしている。
■マイケル・リケッツ(ボルトン→ミドルズブラ)
2000年夏にボルトンに加入すると、初年度にプレミア昇格を果たし、プレミアデビュシーズンで13ゴールを記録。2002年2月にはイングランド代表デビューを果たすなど、夢のようなキャリアを送っていたリケッツ。しかし、デッドライン・デーに350万ポンドでミドルズブラに加入してから彼の成績は下降。引退するまでの7年でたった17ゴールしか決められなかった。
(記事/Footmedia)
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