期限付き移籍中のマンチェスター・U所属の選手たち [写真]=Getty Images
マンチェスター・Uのテクニカル・ディレクター、ダレン・フレッチャー氏は、同クラブからローン移籍中の選手たちに、プレシーズンでアピールの場を与えることを約束した。
先月末に行われたファン・フォーラムでフレッチャー氏は、「ブランドン・ウィリアムズ、テデン・メンギ、ジミー・ガーナー、イーサン・レアード、タヒス・チョン、そしてアマド(・ディアロ)などがローン移籍の成果を得ているといいね」と期待の若手選手の名前を列挙。「皆、ローン先で頑張っている。プレシーズンで彼らがトップチームの選手たちと、どれだけやれるのか楽しみにしている」とクラブを離れて武者修行中の選手たちにエールを送った。
現在、トップチームとU-23チームに所属する計17選手をローン移籍に出しているマンチェスター・U。フレッチャー氏に名前を挙げられた6選手は来季、即戦力として『オールド・トラッフォード』に戻って来ることができるのだろうか。彼らの現在地を紹介しよう。
[写真]=Getty Images
■DFブランドン・ウィリアムズ(ノリッジ/21歳)
初のローン移籍で主力としてプレミアリーグの過酷な残留争いを経験中。21歳のブランドン・ウィリアムズは一回りも二回りも成長してオールド・トラッフォードに戻って来るはずだ。
8歳でマンチェスター・Uのアカデミーに加入し、U-18やU-23チームではキャプテンも務めたB・ウィリアムズ。2019年9月にカラバオ杯ロッチデール戦でトップチーム初出場を飾ると、アシュリー・ヤングから“第2左サイドバック”の座を奪うことに成功。ルーク・ショーに欠場が続いた2019-20シーズンはデビュー戦を含めて36試合に出場した。しかしアレックス・テレスが加わった2020-21シーズンは出場機会が減少。2021年の夏、B・ウィリアムズはプレミアリーグに復帰したノリッジへのローン移籍を決断した。
すぐにレギュラーポジションを掴むと、1月にはクラブの月間最優秀選手に選ばれたB・ウィリアムズ。左右どちらのサイドバックもこなす若手DFは、プレミアリーグの舞台で十二分に通用することをマンチェスター・Uの首脳陣にアピールしている。なお、今月5日のブレントフォード戦では、タックルを仕掛けてきた選手の胸ぐらを掴みかかったB・ウィリアムズだが、相手が昨夏のEURO2020で心停止を起こしたデンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンだとわかった瞬間、“ハグ”したことが話題となった。
■DFテデン・メンギ(バーミンガム(2部)/19歳)
将来的にはテデン・メンギを中心に最終ラインを形成することを、マンチェスター・Uは目指しているはずだ。7歳でマンチェスター・Uの下部組織に入り、順調にステップアップを続けてきた屈強なセンターバック。2019-20シーズンのヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16第2戦でオーストリアのLASKを相手にトップチームでデビュー。翌シーズンは5試合でベンチ入りは果たしたものの、ピッチに立つことはなかった。
2021年の冬の移籍市場でダービー・カウンティにローン移籍をしたメンギ。ウェイン・ルーニー監督の下で出場機会を得ると、すぐにマンチェスター・Uは若きDFに新契約を提示した。契約期間は2024年までで、1年の延長オプション付き。クラブから大きな期待をかけられたメンギだったが、4月にハムストリングを負傷。最初のローン移籍は途中で打ち切りとなった。
今季の前半はマンチェスター・UのU-23チームのキャプテンとしてプレーをしていたメンギは、既に首位通過が決まっていたCLグループステージ最終節ヤング・ボーイズ戦で途中出場。トップチームで2度目のプレーを果たした翌月、リー・ボウヤー氏が率いるバーミンガムに期限付きで加入した。すぐにレギュラーの座を掴んだものの、2月に再びハムストリングを負傷。1カ月の離脱を強いられたが、12日ハル戦でベンチに戻って来た。
■FWタヒス・チョン(バーミンガム(2部)/22歳)
復帰戦のシナリオとしては出来過ぎだろう。ローン先のバーミンガムで太ももを負傷し、昨年11月に手術を受けたタヒス・チョン。マンチェスターでリハビリを行い、バーミンガムに戻ったのは2月になってからだった。同26日のハダースフィールド戦で途中出場を果たし、今月5日のブリストル・シティ戦でおよそ4カ月ぶりにスタメン復帰を果たすと、開始2分に先制弾をマーク。完全復活の狼煙を上げた。
2016年にフェイエノールトの下部組織からマンチェスター・Uに加入し、2017-18シーズンにはクラブの年間若手最優秀選手に選ばれたチョン。ジョゼ・モウリーニョ氏が監督だった2018-19シーズンのプレシーズンでトップチームに帯同し、公式戦でのベンチ入りも経験。オーレ・グンナー・スールシャール氏に政権交代後の2019年1月にFAカップ3回戦レディング戦でデビュー。翌シーズンの前半はブレーメン、後半はクラブ・ブルージュにローン移籍。後者ではリーグ優勝も味わった。
今季はバーミンガムで開幕戦から先発に抜擢され、11月に負傷離脱するまではレギュラーとしてプレーをしていた。チョンの復帰後、「シーズンの初めに彼が加わって、我々はほぼ全ての試合で非常に危険なチームに見えた。負けた試合でもね」と同選手の存在感の大きさを認めたボウヤー監督。「彼はこのチームで最もクリエイティブな選手」とローン加入中の選手に最大の賛辞を贈っている。
■MFジェームズ・ガーナー(ノッティンガム・フォレスト(2部)/21歳)
スールシャール前監督がチョンの次にトップチームでデビューさせたのは、当時17歳だったジェームズ・ガーナーだった。2019年2月に行われたプレミアリーグのクリスタル・パレス戦で、試合終盤にピッチに送り込んだガーナーを、「次世代のマイケル・キャリック」と表現したスールシャール氏。「シンプルなパスを出し、ラインの間を抜けてプレーができる。彼はマン・ユナイテッドの選手」と期待を寄せた。
8歳からマンチェスター・Uに所属し、2019-20シーズンにはリザーブチームのMVPに輝いたガーナー。昨季の前半は当時2部のワトフォードにローン移籍をし、後半からノッティンガム・Fでプレーを続けている。今ではチャンピオンシップで中位のチームで中心選手としてプレーをするガーナー。プレースキックの名手としても高い評価を受けており、すでにリーズやサウサンプトンを含めたプレミアリーグのライバルチームが獲得に興味を示しているという。
今季のFAカップ4回戦ではレスターを相手にコーナーキックからアシストを記録したガーナーを、この試合で解説を務めていた元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏は大絶賛。「彼をすぐに連れ戻した方が良いよ!」とマンチェスター・Uにアドバイスを送ったほどだ。20日にはFAカップ準々決勝でリヴァプールとの対戦を控えているガーナー。一昨季のリーグ王者を相手に好パフォーマンスを見せれば、注目度がさらに増すことは避けられないだろう。
■DFイーサン・レアード(ボーンマス(2部)/20歳)
ローン先の変更は正解だったのだろうか。9歳からマンチェスター・Uに所属し、2019年11月のELアスタナ戦でトップチーム初出場を果たしたイーサン・レアード。走力が魅力の攻撃的な右サイドバックは2020-21シーズンにリーグ1のMKドンズにローン移籍。当時監督のラッセル・マーティン氏から才能を高く評価され、今季も同氏が率いるスウォンジーでプレーをすることになった。
開幕からチャンピオンシップで全20試合に出場していたレアードだったが、1月に突如、ローン期間が打ち切りに。マンチェスター・Uがレアードを、昇格争い中のボーンマスでプレーさせることを選択したからだった。「失望している。ほとんど何も知らされていなかった」と嘆いたマーティン氏。「我々はとても上手くやっていた。ピッチの内外で大きな損失だ」と1年半に渡って成長を見届けたレアードへの思いを語った。
レアードが初めてボーンマスのベンチに座ったのは、加入から1カ月以上も経った後だった。しかし2試合連続で途中出場を果たすと、その後は再びベンチ外。スコット・パーカー監督は「我々がサイドバックに求めるレベルに到達するまで、もう少しトレーニングを積む必要がある」と理由を説明している。レアード自身が「カオス」と表現した移籍劇はハッピーエンドを迎えることができるだろうか。少なくても現時点では、マンチェスター・Uが望んだ“ステップアップ”にはなっていないようだ。
■MFアマド・ディアロ(レンジャーズ(SCO)/19歳)
前評判がなければ、ここまで批判されることはなかったかもしれない。アタランタからマンチェスター・Uに加入した昨季の冬の移籍市場で、FIFAが発表した高額移籍ランキングの1位だったアマド・ディアロ。当時18歳だったウインガーにスールシャール前監督は積極的にチャンスを与え、チームメイトとサポーターは将来のスター候補を温かい目で見守った。
今季は夏の移籍市場でフェイエノールトにローン移籍をする予定となっていたが、直前に太ももを負傷して取り止めに。昨年12月のCLグループステージ最終節ヤング・ボーイズ戦でようやく今季初めてトップチームの試合に出場すると、翌月にレンジャーズに合流。デビュー戦となったロス・カウンティ戦で開始5分に先制点を決めたことで、ファンの期待は一気に高まった。しかしセルティックとの“オールドファーム”で低調なパフォーマンスを披露し、前半で交代を命じられたディアロは、たった2試合で先発の座を失った。
ファンや識者からの視線が厳しくなった中で行われた先月20日のダンディー・ユナイテッド戦で、終盤に訪れた勝ち越しの決定機を外し、痛烈な批判を浴びたディアロ。元スコットランド代表MFクリス・コモンズ氏は『デイリー・メール』紙のコラム内で「マンチェスター・Uが3700万ポンドを費やしたからと言って、成功の保証はない」と指摘。さらに「優勝争いをしている(レンジャーズ監督のジョヴァンニ・)ファン・ブロンクホルストはこんなことをしている余裕がないことを分かっているはずだ」と責任を追及した。その後は負傷もあり、欠場が続いているディアロ。厳しい声は期待が高すぎた代償だろう。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia