プレミアリーグ上位クラブの主力選手 [写真]=Getty Images
マンチェスター・シティの2連覇で幕を閉じたプレミアリーグ。既に来シーズンへ向けた戦いは始まっており、各クラブが移籍市場で戦力補強に動いている。
しかし、見境なく補強しても意味がないだろう。補強すべきポジションを絞って、軍資金を上手く有効利用したところだが、果たしてどのポジションの補強に力を注ぐべきなのか? 英放送局『スカイスポーツ』が各クラブの補強ポイントをまとめているので紹介しよう。
[写真]=Getty Images
■マンチェスター・シティ(優勝)
最近5年間で4度目の優勝を果たしたシティに必要なのは守備的MFだという。既にドルトムントから怪物のFWアーリング・ハーランドを獲得した同クラブにとって、数少ない懸念材料となるのがMFロドリの“バックアップ”だ。
今季ロドリは、プレミアリーグで最多となる“ミドルサード”でのボール奪取回数(170回)のほか、リーグ2位のタッチ数(3246回)、リーグ2位のパス成功数(2629本)、リーグ3位となるボックス外からのゴール数(4点)と、あらゆる部門でリーグ上位に入る大車輪の活躍を見せた。今季のリーグ戦とチャンピオンズリーグを合わせると、ロドリが欠場した試合では勝率が77%から43%まで低下したという。同じポジションのMFフェルナンジーニョが退団したこともあり、中盤の底に新たな人材が欲しいところだ。
■リヴァプール(2位)
前人未到の4冠に挑戦しながら、あと一歩マンチェスター・シティに及ばず、リーグ優勝を逃したリヴァプールはセンターバックの補強が必要だ。世界最高のセンターバックの呼び声高いオランダ代表CBフィルジル・ファン・ダイクや、新加入ながら活躍したCBイブライマ・コナテ、自己最高のシーズンを送ったCBジョエル・マティプといった優秀なDFを揃えているリヴァプールだが、それでもセンターバックをレベルアップさせたい。
優勝したシティと今季のデータを比較すると失点数は同数(26失点)だが、“失点期待値”に差があったという。シティの失点期待値が「26」だったのに対し、リヴァプールは「38」もあり、危ない場面がかなり多かったことになる。さらに“ファン・ダイク依存症”は深刻で、同選手が加入して以降のリーグ戦での「敗戦率」を見ると、ファン・ダイク出場時の7.8%(129試合で10敗)に対し、彼が欠場した試合は20.5%(39試合で8敗)となっているのだ…。
■チェルシー(3位)
二強に水をあけられたチェルシーの補強ポイントは明白だ。今夏、ドイツ代表CBアントニオ・リュディガーやデンマーク代表CBアンドレアス・クリステンセンが移籍するほか、主将セサル・アスピリクエタも退団が噂されている。チェルシーのDF陣において、今季リーグ戦の出場時間の上位6名のうち3名が来季は不在になりそうなのだ。さらにDFリーダーとして君臨したブラジル代表DFチアゴ・シウヴァも9月には38歳になるため、新たなセンターバックが必要となる。
■トッテナム(4位)
シーズン途中に監督交代に踏み切ってトップ4に滑り込んだスパーズは、アントニオ・コンテ監督の要求に応えられる得点力のある攻撃的ウィングバックが欲しいところだ。ライアン・セセニョン、セルヒオ・レギロン、エメルソン・ロイヤル、マット・ドハーティといった現有戦力のウィングバックは、コンテ監督が就任してから攻撃の機会が著しく増えた。しかし彼らは漏れなくゴール期待値を下回っており、4人合わせて計5ゴールに留まった。
■アーセナル(5位)
2ポイント差でトップ4入りを逃したアーセナルは「ストライカー」の補強が求められる。今季アーセナルのチーム最多得点はブカヨ・サカのリーグ戦11ゴールだが、これは最下位で降格したノリッジのチーム内得点王と同じゴール数(テーム・プッキ)だった。
チームのゴール期待値はリーグ4位の「69.4点」だったが、実際はそれを下回ってリーグ6位の「61ゴール」に留まった。ゴール期待値と実際のゴール数の差が「マイナス8.4ゴール」は20チーム中15位の成績だったという。特に、今季いっぱいで退団したFWアレクサンドル・ラカゼットは30試合に出場して46本もシュートを放ちながら、PKを除いたゴール数は「2」に留まった。
■マンチェスター・ユナイテッド(6位)
ユナイテッドに必要なのは守備と攻撃を結びつけるセントラルミッドフィルダーだ。ミドルサードでのボール奪取回数で12位と低迷したほか、ファイナルサードでのパス数も10位に留まった。退団したMFポール・ポグバが出場16試合でチーム最多の9アシストだったことを考えると、中盤の人材不足が心配になるだろう。
■ウェストハム(7位)
見事7位に入ったウェストハムは高齢化が心配される。今季プレミアリーグで彼らよりも平均年齢が高かったのは、降格したワトフォードとバーンリーだけ。そのためデイヴィッド・モイーズ監督は若いセンターフォワードが欲しいはずだ。
FWマイケル・アントニオ(32歳)は開幕5試合で5ゴールの活躍を見せるも、疲労もあったのかシーズン中盤から失速した。同選手は今季公式戦「3920分間」に出場したが、これは過去2シーズンの合計出場時間を超えていたのだ(2020-21シーズンは2072分、2019-20シーズンは1823分)! さらにアントニオは2019年にセンターフォワードにコンバートされて以降、3シーズン連続で実際の得点数がゴール期待値を下回っているのだ。
■レスター(8位)
シーズン後半に盛り返して8位に入ったレスターは“空中戦に強いセンターバック”が必要になる。今季レスターは、プレミアリーグでの総失点のうちのセットプレーによる失点の割合が34%でリーグワーストとなっているほか、クロスからの失点も15点でリーグ最多だった。
(記事/Footmedia)
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