今冬チェルシーに加入したムドリク [写真]=Getty Images
長期契約での補強を続けているチェルシーの影響で、欧州サッカー連盟(UEFA)が規則を変更する予定のようだ。24日、イギリスメディア『BBC』やイギリス紙『イブニング・スタンダード』などが伝えている。
チェルシーは昨年5月にロシア人のロマン・アブラモヴィッチ氏からアメリカ人のトッド・ベーリー氏ら率いるグループに経営陣が変更。昨夏から今冬にかけて2回の移籍市場で4億2000万ポンド(約675億円)を超える金額を費やし、選手補強を行なっている。しかし、UEFAが問題視しているのは金額ではなく、契約年数だという。
昨夏に加入したU-21フランス代表DFウェズレイ・フォファナとは7年、スペイン代表DFマルク・ククレジャとは6年、今冬に加入したウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクとは8年半、フランス代表DFブノワ・バジアシーレとは7年半、U-21イングランド代表FWノニ・マドゥエケとは7年半、コートジボワール代表FWダヴィド・ダトロ・フォファナとは6年半といった異例の長期契約を結んでいる。
しかし、移籍金は契約年数に応じて各年度に分割して費用計上(減価償却)できるため、この長期契約にはファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規則への抵触を避ける目的も含まれていることが指摘されている。
例えば、今冬の移籍市場でチェルシーはムドリクを総額8900万ポンド(約143億円)で獲得したと報じられているが、同選手とは8年半契約を締結しているため、1シーズンで支払う金額は約1100万ポンド(約18億円)と計上される。このように他の選手も多額の資金を投じながら獲得しているものの、長期契約で移籍金を分散させているやり方に他クラブから懸念が示されているという。
この指摘を受け、UEFAは対策を講じる模様で、移籍金を分割で費用計上できる期間を最大5年間に制限する方針を決めたことが伝えられている。なお、イギリスの規則では5年を超えた長期契約を締結することは依然として可能だが、移籍金を分割できるのは5年までに制限されることになるという。また、この新規則は今夏の移籍市場から施行される予定になっているが、遡って適用されることはないようだ。
チェルシーの新オーナーとしてはアメリカのスポーツから学んだ教訓を利用して、この長期契約での選手獲得を実施しているようだが、UEFAとしては同クラブのような注目度の高いクラブだから成り立つ方法であるだけで、他クラブが同様に行うと後々自分たち自身を困らせる可能性があることを懸念。リスクのあるやり方に他クラブが追随するのを避けることを目的としてルール改正が行われることになりそうだ。
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By サッカーキング編集部
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