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天下分け目のプレミアリーグ首位攻防戦…アーセナル対マンCをプレビュー

2023.02.15

アーセナルとマンチェスター・Cによる首位攻防戦を迎える [写真]=Getty Images

 日本時間の16日(午前4:30)にプレミアリーグの頂上決戦が開かれる。それでは、今季のタイトルの行方を占う「アーセナルマンチェスター・C」の大一番をプレビューしよう。

[写真]=Getty Images

■最近の調子と“外的要因”

マンチェスター・C

 首位を走っているのはアーセナルだ。今季ここまで僅か2敗という安定した戦いぶりで、21試合を終えて「勝ち点51」を稼いで19年ぶりのリーグ制覇に向けて邁進している。しかし、シーズン後半戦に入ってからは足踏み状態。2試合連続で勝利を逃しており、2位に着けるマンチェスター・Cに3ポイント差まで迫られている。1試合消化が少ないとはいえ、アーセナルはこの直接対決に敗れると今季初めて首位から陥落することになる。

 冬の移籍市場が閉まった瞬間から、アーセナルは一度も勝てていないのだ。ゴールを量産してきた得点力も、ここ2試合はわずかに1ゴールと湿りがち。リーグ戦では最近6試合連続で同じスタメンを起用しており、メンバーを固定できているのは強みだが、追いかける展開になっても前線の選択肢が限られる。1月にベルギー代表FWレアンドロ・トロサールやイタリア代表MFジョルジーニョを加えたとはいえ、38試合という長丁場のリーグ戦を乗り切れるだけの選手層が揃っているのか不安が残る。

 一方、リーグ3連覇を目指すマンチェスター・Cは“王者の意地”を見せ始めている。今季は、波に乗りかけたところで敗戦を喫して苛立ちを募らせていたマンチェスター・Cだが、そこは百戦錬磨の指揮官が選手たちを叱咤激励。先月のリーグ戦の試合後には、ホームでトッテナムに逆転勝利を収めながらも「選手たちから燃えさかる炎を感じない。このままではアーセナルに完膚なきまでに負ける」とジョゼップ・グアルディオラ監督が発破をかけた。

 さらに、ここにきてチームの結束力を高める事件が。プレミアリーグから「財務違反」を告発されたのである。降格処分の可能性さえ報じられるなか、ペップは逃げも隠れもせずにメディアと向き合って「万が一にも我々が潔白じゃなかった場合は処分を受け入れる」と前置きしてから、クラブ首脳陣への信頼を強調した。そして「(就任から)7年は長い歳月で、その間には少し考えた時期もあったが、今の私はいつになく“ここに残りたい”と強く思う」と言い切ったのだ。

 プレミアリーグの20チームの中で自分たちは「孤独」だが「クラブとして一丸となれば我々は孤独ではない」と語り、これまで通り「良いプレーをして試合に勝つしかない」と力説した。今後、ピッチ外でどんな裁定が下されるか分からないが、今回の疑惑はペップの求心力を強める契機になりそうだ。

 無論、アーセナルにもチームの結束力を促せる“外的要因”がある。前節のブレントフォード戦、アーセナルはトロサールの移籍後初ゴールで先制しながらも、8分後にセットプレーの流れから追いつかれて1-1で勝ち点1に甘んじた。だが、同点ゴールのクロスを上げたブレントフォードのMFクリスティアン・ノアゴールはオフサイドの位置におり、本来ならばゴールは取り消されるべきだったが、VARがこれを見落とすという大失態を犯したのだ。審判団も人為的なミスを認めており、アーセナルは「勝ち点2」を奪われる形となった。

アーセナル

 これについてアーセナルのミケル・アルテタ監督は「ヒューマンエラーではない。自分の仕事を怠った者がいるのだ。許されることではない」と憤慨したうえで「(審判団からの)謝罪と説明は尊重する。我々は前に進むしかない。この一件が、選手やスタッフ、そしてファンをより強くする。障害を乗り越えようという情熱が強まったはずだ」と記者会見でチームの絆に期待した。

■スタッツでは圧倒的にマンCが有利

アーセナル、マンチェスター・C

 マンチェスター・Cにとってノースロンドンでの試合はお手の物だ。今月5日に同じ北ロンドンのトッテナムの本拠地に乗り込んで0-1の敗戦を喫しているとはいえ、アーセナルの本拠地では勝ち続けている。驚くべきことに、敵地でのアーセナル戦はカップ戦も含めて6連勝中だという。もし今回も相性の良い場所で勝利を収めれば、136年の歴史を誇るアーセナルに初めてアウェイで7連勝したチームとなるそうだ!

 それだけではない。グアルディオラ監督は、プレミアリーグでの対戦ではアーセナルに一度も負けたことがないのだ。それどころか12回対戦して11勝1分0敗(現在10連勝中)。「勝率92%」を誇っているのである! いくら今季のアーセナルが一味違うとはいえ、近年の対戦成績を見る限りは圧倒的にマンチェスター・Cが有利だ。

■ストライカーのジレンマ

エンケティア、ハーランド

 マンチェスター・Cで注目を集めるのは、前節のアストン・ヴィラ戦でハーフタイムに交代してケガが心配されるノルウェー代表FWアーリング・ハーランドだろう。今季すでに公式戦31ゴールを叩き出しているノルウェーの怪物は、もし出場できるのならマンチェスター・Cにとって最大の武器となる。

 この両チームは1月27日にもFAカップで対戦したが、その時はアーセナルがメンバーを落としたこともあり、マンチェスター・CがDFネイサン・アケのゴールで1-0の勝利を収めた。その試合でマンチェスター・Cは、ピッチ全体を使ってマンマークを採用してきたアーセナルに対して少し戸惑いながらも、最前線のハーランドに早めにボールを入れるという解決策で対抗した。今回の試合でアーセナルが同様の戦術を採用するかは不明だが、マンチェスター・Cからすればハーランドの有効利用が最大の焦点となる。ペップも、これまで磨いてきた戦術をハーランド仕様に順応させる必要性を口にしており、ハーランドという“圧倒的な個”は、良くも悪くも今季のマンチェスター・Cの課題となっているのだ。

 アーセナルもエースの使い方が宿題となっている。彼らの場合は“仮のエース”と言った方が適切か。エースであるブラジル代表FWガブリエウ・ジェズスはワールドカップ中のケガで戦列を離れており、復帰は3月になる見込み。それまでの間、彼の代役を務めているのが生え抜きのFWエディ・エンケティアである。先月のマンチェスター・U戦で2ゴールを決めてチームに勝ち点3をもたらした“仮のエース”は期待以上の働きをしているとはいえ、彼もポテンシャルを最大限に発揮できているとは言い難い。

 一瞬の反転と裏への抜け出しを身上とするエンケティアの最大の魅力は“スペースを必要としない”こと。彼は敵に囲まれた密集地帯でも瞬時にして入れ替われるが、エースの前に“仮”が付くためか、欲しいタイミングでパスを貰えないことが多い。白星から遠ざかっている直近2試合は、押し込みながらも引いて守る相手を攻め崩せずに「前線に高さが欲しい…」と嘆く声も聞かれたが、もう少し“仮のエース”を信頼してもいいだろう。危険なエリアで彼の足元にボールを供給して勝負させれば何かが生まれるはず。失敗に終わっても、ボールロストやルーズボールは、むしろ次の好機につながる可能性がある。とはいえ、これはあくまで押し込んだ展開のとき。マンチェスター・C戦では無難にサイド攻撃に専念するのだろう。

 さてさて、この一戦で優勝が決まるわけではないが、タイトルの行方を占う大一番であることは間違いない。アーセナルマンチェスター・Cの天下分け目の首位攻防戦に注目したい。

(記事/Footmedia

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