最強イレブンに名を連ねた選手たち [写真]=Getty Images
マンチェスター・Cが伝説のチームに肩を並べようとしている。
現地時間の今月10日にイスタンブールで行われるチャンピオンズリーグ(CL)決勝でインテルと対戦するマンチェスター・C。彼らは、この試合に勝つことができれば念願の欧州初制覇を果たすとともに、イングランドフットボール界において史上2チーム目となる“トレブル”(主要タイトル3冠)を達成することになるのだ。
これまでプレミアリーグ、FAカップ、CLの3冠を達成したことがあるのは1チームだけ。それが1998-99シーズンのマンチェスター・Uだ。そのためイングランドでは「1999年のマンチェスター・Uと現在のマンチェスター・Cはどっちが上なのか?」といった論争が起きている。
時代が違うため、単純な比較は難しいのだが、多くの有識者たちが様々な媒体で「1999年のマンチェスター・Uと2023年のマンチェスター・C」を融合してベストイレブンを選んでいるので見てみよう。果たして誰が“トレブル最強イレブン”に選ばれるのだろうか?
[写真]=Getty Images
■GK
GKに関しては一択だろう。ほぼ全ての解説者たちがマンチェスター・Uで活躍した元デンマーク代表GKピーター・シュマイケルを選んだ。そんな中で、元マンチェスター・Cのマイカ・リチャーズだけは古巣のゴールを守るエデルソンを選出したが、これはマンチェスター・UのOBと共演した『YouTube』番組を盛り上げようと思っただけかもしれない。やはり、究極のチームのゴールマウスを任せられるのはプレミアリーグ史上歴代最高のGKにも挙げられるP・シュマイケルしかいないはずだ。
イギリス紙『デイリーメール』のオリヴァー・ホルト記者もP・シュマイケルを選出した上で、記事の中で興味深いエピソードまで紹介した。遡ること1997年、何とP・シュマイケル本人も当時のチームと1968年のチャンピオンズカップを制したサー・マット・バズビー率いるマンチェスター・Uとの比較を聞かれたことがあるという。するとP・シュマイケルは、30年前とはスピードやフィットネスが違うとして「僕たちが10-0で勝つ」と語ったそうだ。そうなると、1999年のマンチェスター・Uが時空を超えて2023年のマンチェスター・Cと対戦したら、驚くべきスコアが付く可能性も否定はできないだろう…。
■右サイドバック
元マンチェスター・Uのギャリー・ネヴィル氏は、数週間前に『スカイスポーツ』の番組内で2チームを融合したベストイレブンを発表する際に、まずは古巣から11人全員を選んで見せた。そして「これがトレブルを達成したチームで、マンチェスター・Cはまだ達成していない」と主張。マンチェスター・Uのプライドを存分に見せつけたあとで、しっかりと番組の趣旨に沿った融合チームを選考した。
注目は右サイドバック(SB)だ。右SBとしてマンチェスター・Uのトレブルに貢献したG・ネヴィル氏は、同ポジションを空欄にし、共演した元リヴァプールのジェイミー・キャラガー氏に選択を委ねたのだ。そしてキャラガー氏が選んだマンチェスター・Cのカイル・ウォーカーについて「私もウォーカーで納得だ。(レアル・マドリード戦での)ヴィニシウス・ジュニオールへの対応は称賛されるべき」と認めた。そのため右SBは、カイル・ウォーカーで決定だろう。
■左サイドバック
見解が割れる余地がなかったのは左SBだ。今年1月にポルトガル代表DFジョアン・カンセロがチームを離れたこともあり、今のマンチェスターCには明確な左SBが不在だ。そのためほぼすべての有識者たちが同ポジションに、1999年のマンチェスター・Uで安定したパフォーマンスを発揮し「Mr.信頼感」と呼ばれたデニス・アーウィンを選択した。アーウィンは優秀なPKキッカーでもあり、1998-99シーズンにもプレッシャーのかかる終盤戦のリヴァプール戦で見事にPKを沈めた。
■センターバック
センターバック(CB)に関しても、大半の人が頑強なボディでマンチェスター・Uの守備を支えたヤープ・スタムを選択した。同選手は1998年、当時のマンチェスター・UのDF最高額でPSVから加入。すぐに定位置を確保し大活躍したものの、わずか3年で売却されることになってしまった。スタムの自叙伝での発言が問題視されたとも言われているが、いずれにせよ当時マンチェスター・Uを率いていたサー・アレックス・ファーガソンはスタムの売却について「間違いだった」と認めている。
スタムの選出はほぼ満場一致だが、問題は彼の相棒となるもう一人のCBだ。多くの人が現在マンチェスター・CでDFラインを統率するポルトガル代表DFルベン・ディアスを選ぶなか、『デイリーメール』紙のホルト記者は、イングランド代表DFジョン・ストーンズを選択した。人選については言及していないが、恐らくストーンズの柔軟性を評価したのだろう。CBだけでなくSBもこなし、中盤の底に入ることもできる。何よりストーンズは今シーズンの“終盤戦のMVP候補”とも称えられるほどの活躍を見せているのだ。とはいえ、多数決で判断するのならCBはスタムとR・ディアスの2人となるだろう。
■中盤
ここからは選んだフォーメーションによって人選も変わるはずだ。例えば、元ウェールズ代表のロビー・サヴェイジ氏は自身のコラムの中でベストイレブンを選んだ際に「4-3-3」を選択。中盤3枚には1999年のマンチェスター・Uからロイ・キーンとポール・スコールズの2名、加えて現在のマンチェスター・Cからベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネをピックアップ。そして、マンチェスター・Uで圧倒的な人気を博したデイヴィッド・ベッカムとライアン・ギグスを3トップの両翼に置いたのだ。多くの人がベッカムとギグスを選ぶために「4-4-2」の布陣を採用するなか、サヴェイジ氏の「4-3-3」は誰も漏らさない素晴らしい選択だったように思う。
フォーメーションこそ違うが、G・ネヴィル氏も全く同じ人選となった。ネヴィルは4-4-2の中盤4枚に右からベッカム、キーン、スコールズ、ギグスを並べ、絶対に外せないデ・ブライネを2トップの一角に配置。ホルト記者も、デ・ブライネを攻撃的MFに配置したが、まったく同じ顔触れを選んだ。
そんな中で物議を醸したのは元リヴァプールのキャラガー氏だ。彼の中盤4枚は、右からベッカム、キーン、そしてマンチェスター・Cのドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンと、イングランド代表FWジャック・グリーリッシュ。ギグスを選ばなかったことで共演したG・ネヴィル氏に白い目を向けられたキャラガー氏は「キャリアを通しての評価ではなく、その1シーズンの実績だけで選んだ」と弁明している。
そして、「グリーリッシュは今シーズンのリーグ戦で5ゴール7アシスト。一方でギグスは3ゴール1アシストだった。もちろんギグスの方が選手としてはグリーリッシュよりも上だが、その1シーズンだけを考えてグリーリッシュを選んだ」と付け加えた。また、スコールズの選外については「当時のスコールズは完全なレギュラーという感じではなかった」と持論を展開した。
これに対してG・ネヴィルは「スタッツを重視するなら、なぜスコールズを選ばない? あのシーズン、スコールズは公式戦51試合に出場して中盤から21点に直接関与したじゃないか」と反論。そしてキャラガー氏の中盤の人選について「受け入れられない」と完全否定した。
■FW
陣形こそ違うかもしれないが、最前線に選ばれたのは今シーズンのマンチェスター・Cで公式戦52試合に出場し52ゴールを叩き出している“怪物”ことノルウェー代表FWアーリング・ハーランドだ。1998-99シーズンのマンチェスター・Uはアンディー・コールとドワイト・ヨークの名コンビ「ヨーク&コール」が何度もゴールネットを揺らして話題になったが、2人合わせた公式戦でのゴール数は「53」。ハーランドがインテルとのCL決勝でゴールを奪えば、一人で“2人分”の得点を叩き出したことになるのだ!
そのため「ヨーク&コール」が選外となるのも納得。前線はハーランドで決まりだ。2トップならばハーランドとデ・ブライネ、3トップならばベッカム、ハーランド、ギグスになるだろう!
(記事/Footmedia)
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By Footmedia
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