新シーズン開幕を迎えるプレミアリーグ [写真]=Getty Images
今週末から新シーズンが開幕するプレミアリーグでは新たに導入されるルールなどがある。それでは開幕を前に、新シーズンの変更点をおさらいしておこう。
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■追加タイム
新シーズンからアディショナルタイムが大幅に増えることになる。サッカーの試合はもう90分間ではなく、少なくとも100分間は戦いが繰り広げられることになる。
昨年のワールドカップ同様、今季のプレミアリーグもより正確に時間を測定することになった。これまでは得点シーンや選手交代に対して大雑把に30秒ほど時間が追加されていたが、今後はプレーが止まった瞬間から再開するまでの時間を計測し、それがアディショナルタイムに足される。「ゴール&セレブレーション」「選手交代」「ケガ&治療」「PK」「レッドカード」などの場面で対象になるそうだ。
これにより昨年のワールドカップのように「7分!」という追加タイムは当たり前。むしろ短いくらいだ。今月6日に行われたコミュニティシールドは後半追加タイムが「8分」と表示され、その間にケガ人も出たため追加タイムはさらに延びて、最終的にアーセナルのレアンドロ・トロサールが同点ゴールを決めたのは追加タイム11分のことだった。
このルールはイングランドの下部リーグでも採用されており、先週末に行われた35試合は全て後半追加タイムが「8分以上」。そのうち33試合は最終的に試合が100分以上にも及んだ。最長は3部リーグのノーサンプトン対スティーヴネッジで試合時間は「112分36秒」だったという。
新ルールについてアーセナルのミケル・アルテタ監督は「今後、時間稼ぎするチームは考え直すかもね。これからは毎週末のように100分以上戦い切る準備をしないといけない」と語っている。
■カード
今シーズンはイエローカードの枚数が増えるかもしれない。これまでも審判への強い抗議にはイエローカードが出されていたが、新シーズンはさらに簡単にカードが出される。複数人で審判に近づけばイエローの対象だし、遠い距離から審判に走って詰めよればそれだけでイエローカードが出される。
昨シーズンのプレミアリーグではフルアムのFWアレクサンダル・ミトロヴィッチが審判を押して8試合の出場停止処分を受けたほか、マンチェスター・UのMFブルーノ・フェルナンデスも副審を押す場面が見られ、審判への態度は大きな問題となっていた。そのため英国の草サッカーでは審判がボディカメラを装着して選手の態度を監視する試みが導入されている。さらに同じく草サッカーレベルだが、審判への度重なる暴言や乱暴は勝ち点の剥奪処分の対象になるという。
また、プレミアリーグでもアカデミーの選手たちに審判資格コースの受講を義務付けるという。
■テクニカルエリア
監督やコーチにもイエローカードが出されやすくなる。例えば、テクニカルエリアに複数人のスタッフが入れば、それだけでイエローカードの対象になる。もちろん、監督がテクニカルエリアから飛び出すことも厳しく取り締まられる。また、敵チームの選手へカードを出すように要求する行為は今まで以上に厳しく罰せられる。コミュニティシールドでマンチェスター・CのMFロドリにイエローカードを出すよう要求したアルテタ監督には主審からイエローカードが提示された。「普段の振る舞いを数日で変えるのは難しい。我々は常に全力なので、ときには苛立ってしまうことがあるんだ。でも、ちゃんと順応するよ」と態度を改めることを誓った。
ちなみに、退席処分を受けた監督やスタッフは、これまでのようにスタンドから試合を見るのではなく完全にピッチから見えない場所に移動しなければならない。
■CL枠の増加
今シーズンのプレミアリーグはチャンピオンズリーグ(CL)出場枠が増える見込みだ。CLは来シーズンから大幅にフォーマットが変更され、本選出場チーム数も32から36チームに増加する。それに伴い、これまで欧州の上位4リーグには出場枠が4つ用意されていたが、2024-25シーズンからは「5つ目」の枠を獲得するチャンスが生まれる。
今シーズンの欧州カップ戦での成績上位2リーグ(UEFA係数を最も稼いだ2リーグ)には、CL出場権が1つ追加される。そのため今季プレミアリーグ勢が欧州の舞台で上位まで勝ち上がれば、例年のトップ4だけでなく5位にもCL出場権が与えられるのだ。これは今シーズンの成績のため、シーズン終盤まで上位2リーグに入れるか分からないが、過去6シーズンの5シーズンでプレミアリーグは成績上位2リーグに入っているそうだ。
ということは、来シーズンは最大で「7チーム」までCLに出場できる可能性がある。そのためにはCLとヨーロッパリーグを制し、その2チームがリーグ戦で6位以下になる必要がある。
■背番号と名前
今シーズンからプレミアリーグのユニフォームに採用される背番号と名前の「フォント」も刷新された。背番号は少し背が高くなり、名前のレターと共に今まで以上に見やすくなるそうだ。1992年に発足したプレミアリーグにおいて4度目のフォント変更だという。
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— Premier League (@premierleague) March 14, 2023
■DOGSO
決定的な得点機会の阻止(DOGSO)の三重罰についても今まで以上に明確化される。これまでボックス内でのDOGSOは「ボールをプレーしようと試みた反則」だけがPKの判定後にレッドカードではなくイエローカードが出された。ここに「ボールに向かうことで相手競技者にチャレンジしたことでの反則」も追記される。守備者がボールに向かうことで相手選手にファウルをした場合も三重罰を免れることができるのだ。これはプレミアリーグに限った話ではなく、国際サッカー評議会によるルール変更だ。
こういった変更点も頭の片隅に置きながら“世界最高リーグ”を堪能したい。
(記事/Footmedia)
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