プレミアリーグで開幕連勝を飾ったブライトン [写真]=Getty Images
日本代表FW三笘薫を擁するブライトンの勢いが止まらない。2023-24シーズンのプレミアリーグで開幕2連勝を飾り、122年のクラブ史において初めてイングランドのトップリーグで首位に立ったのだ。
三笘の2試合合計1ゴール2アシストという活躍もあり、開幕2連勝と好スタートを切ったブライトン。プレミアリーグ第2節を終えた時点での全勝は3チームのみとなっており、ブライトン以外ではリーグ4連覇を目指す絶対的王者のマンチェスター・シティと昨シーズン2位のアーセナルが順当に連勝スタートを切った。
飛ぶ鳥を落とす勢いのブライトンは、開幕戦で昇格組のルートンを4-1で退けると、第2節のウルヴァーハンプトン(ウルブス)戦では三笘が超絶ソロゴールを決めて再び4-1で勝利。ここまで8得点2失点、得失点差「+6」でマンチェスター・シティとアーセナルを抑えて首位に立っているのだ。そのブライトンは、ウルブス戦に勝利した8月19日にクラブ史上初めてイングランドのトップリーグで首位に浮上した。彼らは、135年の歴史を誇るイングランドのフットボールリーグにおいて「53クラブ目」となる首位チームとなったのである!
次節の第3節は、チェルシーとルートン・タウンが一足先に25日にぶつかるが、どちらが勝利してもブライトンの勝ち点「6」には届かないため首位の座は安泰。そのためブライトンは少なくとも26日まで「7日間」は世界最高峰のリーグの1位として過ごせることになる。
それではブライトンが初めて経験するプレミアリーグの「首位の座」を深掘りしてみよう。
[写真]=Getty Images
■今シーズンの首位在籍日数
ブライトンが少なくとも「7日間」は首位に立つわけだが、シーズン終了まで36節も試合が残っており、まだまだ先は長い。8月11日のバーンリーvsマンチェスター・シティで幕を開けた今シーズンは、最終節となる第38節が行われる来年5月19日まで9カ月間の長丁場だ。日数に直すと実に「283日間」の戦いになる。
これから幾度となく順位が入れ替わっていくことだろう。既に何度か首位の座は入れ替わっており、開幕日の8月11日にマンチェスター・シティがバーンリーを3-0で倒して首位に立つと、翌12日にはニューカッスルがアストンヴィラを5-1で粉砕して首位を奪還。そこから7日間は1位をキープしたが、彼らは第2節にマンチェスター・シティに敗れて首位の座から陥落した。そして同日、2戦連続で4-1の大勝を収めたブライトンが首位に立つこととなった。
ここまで首位の在籍日数はブライトンが「7日」、ニューカッスルが「7日」、マンチェスター・シティが「1日」という計算になる。ただし、どれだけ長く首位の座をキープしても、最終的に物を言うのはシーズン終了後の順位である。それを誰よりも痛感したのは昨シーズンのアーセナルだろう…。
■昨シーズンの首位在籍日数
昨シーズンは、FIFAワールドカップカタール2022による中断期間を迎えたときも、クリスマスも、元日も、そしてバレンタインデーもアーセナルが首位に立っていた。その後、一瞬だけマンチェスター・シティに首位の座を譲るも、再び1位に返り咲くとエイプリルフールも首位で過ごした。だが、問題はそこからだった。マンチェスター・ユナイテッドで黄金期を築いた名将サー・アレックス・ファーガソンの言葉を借りるならば、シーズン終盤の「スクイーキー・バム・タイム(ソワソワしてお尻がシートとこすれて音を立てる時間)」を迎えてアーセナルは失速。4試合連続で勝利を逃すなど、リーグ戦の終盤9試合で「3勝3分け3敗」と不振に喘ぎ、マンチェスター・シティに栄冠を譲ったのだ。
昨シーズンのアーセナルは実に「248日間」も首位の座に立っていた。開幕した2022年8月5日から翌年5月28日まで「297日間」のシーズンにおいて実に83.5パーセントの期間を首位で過ごしながら優勝を逃したのである。一方、リーグ3連覇を果たしたマンチェスター・シティは「42日間」しか首位に立たなかったのだ。シーズン序盤に一時的に首位に浮上したほか、2月のアーセナルとの直接対決を制して数日間だけ首位に立ったが、シーズン最終盤に到達するまではずっと2位に甘んじていた。それでも最後の直線でアーセナルを追い抜いて見せたのだ。
「アーセナルが240日以上も首位というデータを見た。僕らはずっと追いかける立場だったが、全てが決するのはシーズン終盤戦なんだ。マラソンと同じさ。マンチェスター・シティには優勝してきた経験があるからね」とノルウェー代表FWアーリング・ハーランドも肝心なのは終盤戦だと語っていた。
ちなみに昨シーズン、マンチェスター・シティとアーセナル以外で首位に立ったのはトッテナム(開幕戦後の7日間)。2022-23シーズンのプレミアリーグでは実にその3チームしか首位に立たなかったのだ。
■長期間1位に君臨しながら…
昨季シーズンのアーセナルは不名誉な記録を打ち立てしまった。それがプレミアリーグにおいて、シーズン中に最も長期間1位に立ちながら優勝を逃すという記録だ。前述通り、アーセナルは「248日間」も1位に立ちながら最終的に2位に終わった。これが最長記録となっており、それに続くのが1995-96シーズンのニューカッスルの「212日間」だ。ケヴィン・キーガン監督の下で快走していたマグパイズ(ニューカッスルの愛称)だが、アレックス・ファーガソン監督のマインドゲームにも翻弄され、最終的にマンチェスター・ユナイテッドに優勝を譲った。
3番目以降は2002-03シーズンのアーセナル(189日間)、続いて1997-98シーズンのマンチェスター・ユナイテッド(187日間)、そして2007-08シーズンのアーセナル(156日間)となっている。
■プレミアリーグ通算の首位在籍日数は?
1992年に発足したプレミアリーグの歴史を振り返ると、これまで首位に立った日数が最も多いのは、やはり最多13回の優勝を誇るマンチェスター・ユナイテッドだ。データサイト『Opta』によると、ファーガソン政権時代に黄金期を築いたマンチェスター・ユナイテッドは実に「2362日」も首位を経験しており、2000日を超えた唯一のチームとなっている。とはいえ、彼らは直近10年間もリーグ優勝から遠ざかっており、最後に首位に立ったのも2年近く前のことだ(2021年9月)。
2番目に多いのはアーセナル…かと思いきや、実はチェルシーだという。ロマン・アブラモヴィッチ元オーナーが大改革を起こしたクラブは5度の優勝を達成しており、これまでに合計「1590日間」も首位に立ってきた。2014-15シーズンにはジョゼ・モウリーニョ監督の元で圧巻の強さを発揮。シーズン282日間のうち実に「274日間」も1位の座をキープし、1993-94シーズンのマンチェスター・ユナイテッドのシーズン首位在籍日数の記録(262日間)を更新した。
ちなみに、この記録は二度と塗り替えられないと思われていたが、世界的パンデミックによって更新されることになる。2019-20シーズンは、コロナ禍の影響で3月から6月まで3カ月間もシーズンが中断することになり、最終的に全日程が終了したのは7月末。2019年8月9日から翌年7月26日まで歴代最長の352日間のシーズンとなったのだ。そのシーズン、リヴァプールが圧倒的な強さを誇り「345日間」も首位に君臨して30年ぶりにリーグ制覇を成し遂げた。これが最長記録となっているが、2019-20は異例のシーズンだったため除外して考えるべきか…。
プレミアリーグ通算の首位在籍期間のデータに戻ると、3位はアーセナルで「1236日間」。そして4位がマンチェスター・シティの「1077日間」となっている。アーセナルは1236日間で優勝3回。一方のマンチェスター・シティは1077日間で倍以上の優勝7回。アーセナルは惜しいシーズンが何度もあり、効率の悪さを露呈していると言っても過言ではない。
通算の首位在籍日数で1000を超えているのは以上の4チームだけ。それ以下の順位は5位リヴァプール(834日間)、6位ニューカッスル(367日間)、7位ブラックバーン(238日間)、8位レスター(188日間)となっているそうだ。
果たして今シーズンは、どのクラブが最終的に首位の座に立っているのか? 今後の首位チームの入れ替わりに注目したい。
(記事/Footmedia)
【PR】「U-NEXTサッカーパック」で
プレミアリーグ全試合を独占配信
「U-NEXTサッカーパック」は、U-NEXTが提供するサッカーコンテンツに特化したプラン(月額2,600円・税込)。
「プレミアリーグ」を全試合独占で配信するほか、「ラ・リーガ」「FAカップ」なども視聴可能だ。
「サッカーパック」単体契約も可能だが、通常の「月額プラン(月額2,189円税込)」の無料トライアル登録&「サッカーパック」契約がとってもおトク。
専用ページから無料トライアルに登録すると、サッカーパックの支払いに利用できる1,200ポイント(1,200円相当)が付与されるため、初月はなんと1,400円(税込)で「サッカーパック」と「月額プラン」をダブルで楽しめる!
月額プランに加入すれば映画・アニメ・ドラマ等が見放題。サッカーもエンタメも楽しみたい方にオススメだ。
- ① 「U-NEXTサッカーパック」はプレミアリーグ、ラ・リーガ1部を全試合配信!
- ② FAカップ、コパ・デル・レイなども独占配信決定!
- ③ 無料トライアル登録&サッカーパック契約で、初月は1,400円!
By Footmedia