“幻の先制弾”を決めていたルイス・ディアス [写真]=Getty Images
プレミアリーグのプロ審判協会(PGMOL)は9月30日、同日に行われたプレミアリーグ第7節「トッテナムvsリヴァプール」の一戦にて、リヴァプールのルイス・ディアスの得点が取り消されたジャッジが誤審であることを認めた。イギリスメディア『BBC』が伝えている。
同試合は今季ここまでプレミアリーグ4勝2分のトッテナムと5勝1分のリヴァプールによる、“無敗対決”として戦前から大きな注目が集まっていた。試合は36分、ジェームズ・マディソンのスルーパスに抜け出したリチャーリソンがボックス左から中央へ折り返すと、ソン・フンミンがダイレクトで押し込み、トッテナムが先制に成功。だが、リヴァプールも前半アディショナルタイム、ドミニク・ソボスライが右足でアーリークロスを上げると、ボックス左のフィルジル・ファン・ダイクが頭で折り返し、待っていたコーディ・ガクポが反転から執念の一撃を叩き込んだ。後半もハイレベルが攻防戦が繰り広げられたが、後半アディショナルタイムにトッテナムが勝ち越しに成功。右サイド高い位置でパスを受けたペドロ・ポロが右足で低い弾道のクロスボールを入れると、これがジョエル・マティプのオウンゴールを誘発した。試合はこのままタイムアップを迎えている。
リヴァプールは26分にカーティス・ジョーンズがレッドカードで、69分にディオゴ・ジョッタが連続した2枚のイエローカードで退場処分となり、試合の多くの時間を数的不利で戦わなければならなかった。両者のファウルも議論を呼んでいるものの、同試合では“決定的な”ミスジャッジがあった。まだスコアレスだった34分、敵陣右サイドでボールを収めたサラーの出したスルーパスにルイス・ディアスが反応。P・ポロを背負いながらボックス右に侵入し、ファーサイドを狙った一撃でゴールネットを揺らした。だが、このゴールはオフサイドで取り消しに。L・ディアスは目視であろうとオンサイドのポジションにいるように見えたが、判定が覆ることはなかった。
試合後、プレミアリーグを中心にイングランドのリーグの審判に関する独立組織であるPGMOLは、L・ディアスのオフサイド判定に関する声明を発表している。
「PGMOLは重大な人為的ミスが発生したことを認める。ルイス・ディアスのゴールは、フィールド上のマッチオフィシャルチームによりオフサイドと判定され、得点は認められなかった。これは明らかな事実誤認であり、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入によってゴールが与えられるべきだったが、VARは介入しなかった。PGMOLはこのミスが発生した原因について、全面的な検証を実施する。直ちにリヴァプールと連絡を取り、ミスを認めた上で謝罪する」
一方、リヴァプールを率いるユルゲン・クロップ監督はイギリスメディア『スカイスポーツ』を通して「こんなにも不公平な試合は見たことがない。同時に、今日ほどチームを誇りに思った日もない。クレイジーな判定だ」と怒りを露わにした。「あれ(L・ディアスの得点取り消しシーン)はオフサイドではない。誰だであろうと見れば分かるだろう。彼らはオフサイドラインを引き間違えて、モー(サラー)がボールをパスした瞬間を正しく判断しなかった」とレフェリー陣を糾弾している。
また、今季のプレミアリーグでは試合後にPGMOLが誤審を認めて謝罪するケースが増加している。第1節「マンチェスター・ユナイテッドvsウルヴァーハンプトン(ウルブス)」や第4節「マンチェスター・シティvsフルアム」といった試合で、得点シーンにおいてVARによるミスがあったことを認めている。第2節「リヴァプールvsボーンマス」では、リヴァプールのアレクシス・マック・アリスターに下されたレッドカードが後に取り消され、出場停止処分が撤回された出来事もあった。クロップ監督はウルブスがPGMOLから受けた謝罪に言及しながら、「何の意味もない。それが何かの役に立つのか?」と話し、次のような言葉で自身の考えを発した。
「(PGMOLからの謝罪について)あまり話題にすべきことではないと思っている。なぜなら、今になって謝罪されたところで、試合結果は変わらないからだ。何の役にも立たない。ウルブス同じような声明を発表され、謝罪を受けた。彼らはマンチェスター・ユナイテッドから勝ち点を取れなかったし、我々も今日は勝ち点を積み上げられていない」
「誰も故意にミスを犯しているわけではない。でも、実際に起こってしまったことなんだ。そして、現段階で私はそのミスがなぜ起こったのかがわかっていない。我々は素晴らしいゴールを決めた。認められればチームにとって大きな助けになっていたか?そんなことはわからない。ただ、多分(謝罪とは違って)ゴールは我々の試合における助けになると思うよ」
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By サッカーキング編集部
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