ダービーに敗れたマンチェスター・ユナイテッド [写真]=Getty Images
名門マンチェスター・ユナイテッドの選手たちに、あまりにも惨めな採点が付けられた。
10月29日に行われたプレミアリーグ第10節のマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティによる注目のダービーは、アウェイのマンチェスター・シティが力の差を見せつけて3-0で宿敵を粉砕した。試合は、FWアーリング・ハーランドのPKでマンチェスター・シティが前半のうちに先制すると、後半に入って再びマンチェスター・シティのエースがネットを揺らして2点差。そして80分には同選手のラストパスをMFフィル・フォーデンが詰めて勝負あり。マンチェスター・ユナイテッドにもチャンスはあったが、そこはマンチェスター・シティの守護神エデルソンが立ちはだかり、ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームが3-0と快勝した。
「強いチームが大差をつけて勝利した。正直、勝負にさえならなかった」と『BBC』で解説を務めた元イングランド代表FWクリス・ワドル氏は試合を総括。「マンチェスター・ユナイテッドにもチャンスはあったが、88分間はマンチェスター・シティのゲームだった。両チームの差はあまりにも大きい。マンチェスター・ユナイテッドは今の選手たちを追い出して、新しい選手を獲らないといけない」
そんな敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッドについて、地元紙『Manchester Evening News』も厳しい評価を下しており、選手の採点が酷い有様になっているので紹介しよう。10点満点中の採点で、5点を上回った選手が一人しかいなかったのだ!
この試合で唯一、「7点」という及第点の採点を貰ったのはGKアンドレ・オナナだった。前半にはFWハーランドのヘディングシュートをギリギリで止めるスーパーセーブを披露。そのため地元紙も「前後半に何本かファインセーブを見せた。おかげでマンチェスター・ユナイテッドは何とか踏みとどまるというか、大量失点を免れることができた」として「7点」を付けた。
しかし、3失点を喫した4バックは手厳しい採点を免れなかった。センターバックとしてフル出場した35歳のジョニー・エヴァンスは「エリック・テン・ハフ監督はラファエル・ヴァランの代わりにどういうわけかエヴァンスを選んだが、その選択は正当化されず。35歳は身動きが取れず、3失点目のシーンでは眠っていた」と酷評され、この試合最低となる「2点」を付けられた。
DFラインの残りの3名も「3点」という普通の試合では見られないような低い評価を下された。右SBディオゴ・ダロトは「最初のクロスがオーバーすると、その後も改善できず。攻守両面で苦しみ、マンチェスター・ユナイテッドの右サイドの問題を露呈」と厳しい評価を受けることに。本職はセンターバックながら左SBを任されているヴィクトル・リンデロフには「不可解にも予備の左SBとして起用されている。ボールがないときに内側に入り過ぎるし、ハーランドのヘディングのシーンでは注意散漫だった」、センターバックのハリー・マグワイアにも「前半はコミュニケーションのミスであわや失点。2失点目のシーンではあまりにも簡単におびき出された」と低評価を付けた。
中盤では、昨年のワールドカップで大活躍をした新戦力のモロッコ代表MFソフィアン・アムラバトが酷評されることに。「今回もセリエAのテンポでプレーし、2試合連続で何もできず。国際大会での活躍だけで選手を獲ってはいけない」と辛辣な寸評と共に「3点」の評価。同じくボランチを任されたMFクリスティアン・エリクセンについては「先発起用は正しいが、使う場所が間違っている。0-2の状況でマーカス・ラッシュフォードのチャンスを演出したが、全体的には美を追い求めるマンチェスター・シティの中盤に圧倒された」と監督の采配に問題があったとして「4点」。トップ下で出場したMFスコット・マクトミネイは惜しいチャンスに絡むシーンもあって、フィールドプレーヤーとしては最高点をマーク。とはいっても「5点」止まり。
キャプテンのポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスに関しては「マンチェスター・シティ戦では今回も右サイドで起用され、ほとんど見せ場を作れず。やる気はあったがクオリティが足りず」として「4点」。クラブチームの試合で2カ月近くゴールから遠ざかっているFWマーカス・ラッシュフォードにはこの試合最低の「2点」を付け、こう綴った。「0-2の状況で決定機があるも決められず。これで今季(公式戦)13試合でわずか1ゴール。まだスタメンから外されていないのが信じられない。交代される際には一部のファンから声援が起きたほど」
一方、1トップを任されたデンマーク代表FWラスムス・ホイルンド(20歳)は、自慢のパワーとスピードを発揮して可能性を感じさせた。前半、敵のFKの際にMFロドリを引っ張ったとしてPKを献上して先制ゴールを与えてしまうも、31分にはフォーデンのパスミスを見逃さずにDFラインの裏に抜け出した。少しドリブルが大きくなってシュートを打てずにチャンスを逸したが、十分に相手を脅かす存在だった。結局、この試合は1本もシュートを打てずに73分にベンチに下がったが、その際には「交代させるな」と要求する一部のファンからブーイングが起きた。
そんな次世代のエースについては地元紙も「PKを献上し、前半のチャンスも活かせなかった。必死に走り続けたが、これでリーグ戦7試合ゴールなし」と指摘しながらも、フィールドプレーヤーとしてチーム最高点に並ぶ「5点」を付けた。
途中出場のMFメイソン・マウントには「チームにエネルギーをもたらすために投入されるも、彼がピッチに入ってよりオープンになってしまった。そして今回も彼は何もできず」として「3点」が付けられた。その他の交代出場選手では、DFセルヒオ・レギロンとFWアレハンドロ・ガルナチョに「5点」、アントニーに「4点」が付けられた。
敗れたマンチェスター・ユナイテッドは、リーグ戦の開幕10試合で5敗目を喫することに。これは1986-87シーズン(6敗)以降で最多の敗戦数だという。そんな悩めるチームを率いるテン・ハフ監督にも地元紙は厳しい評価を下した。「CBエヴァンズと左SBリンデロフという間違った起用をしたほか、エリクセンのボランチ起用も間違っていた。またハーフタイムにテコ入れしたが、今回は上手くいかなかった」として10点満点中で「2点」を付けた…。
宿敵に実力差を見せつけられたマンチェスター・ユナイテッドは、ここから巻き返すことができるのか? 名門復活に期待したい。
(記事/Footmedia)
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