苦しんだアーセナルをハフェルツが救う！　終盤の劇的弾でブレントフォード撃破、今季初の首位浮上

　プレミアリーグ第13節が25日に行われ、アーセナルとブレントフォードが対戦した。

　今季も上位争いに名を連ねているアーセナル。前々節のニューカッスル戦を0－1で落とし、今季のプレミアリーグで初黒星を喫したものの、前節はバーンリーを3－1で破ってインターナショナルマッチウィークに突入。現在8勝3分1敗で3位につけている。今節は首位マンチェスター・シティと2位リヴァプールが激突し、試合は1－1のドローで終了。この結果、アーセナルは今節を勝利すれば首位に浮上することができる。今節対戦するブレントフォードはここまで4勝4分4敗。前節はリヴァプールに0－3で敗れたものの、それまでは3連勝を記録しており、決して状態は悪くない。

　ブレントフォードとのアウェイゲームに向けて、アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督はウィリアン・サリバ、ガブリエウ・マルティネッリ、ブカヨ・サカといった主力をスターティングメンバーとして送り出した。冨安健洋はプレミアリーグで3試合連続のスタメンに入り、右サイドバックで起用されている。直近3試合は欠場が続いていたマルティン・ウーデゴーアも先発に戻ってきた。また、ブレントフォードからレンタル移籍加入中のダビド・ラヤは契約の関係で起用できないため、ゴールマウスはアーロン・ラムズデールが守る。一方、ブレントフォードはイーサン・ピノック、ヨアヌ・ウィサ、ブライアン・ムベウモらがスタメンに並んだ。

　試合は立ち上がりからアーセナルがボールを握る構図となったものの、ブレントフォードは前からの組織的な守備でショートカウンターを狙う。14分にはパスコースを探して迷ったGKラムズデールからウィサがボールを奪う。マイナスへの落としからムベウモが左足でシュートを放ったが、ゴールカバーに入っていたデクラン・ライスにクリアされた。

　難を逃れたアーセナルは25分、オレクサンドル・ジンチェンコからのアーリークロスをレアンドロ・トロサールが頭で合わせたものの、シュートは枠を捉えきれない。42分にはペナルティエリア手前でボールを持ったサカが左足で浮き球のボールを送ると、フリーになったジェズスがヘディングシュート。GKマルク・フレッケンに弾かれたボールをトロサールが押し込んだが、VAR（ビデオ・アシスタント・レフェリー）チェックの結果オフサイドが認められ、得点は認められなかった。前半はこのままスコアレスで終了している。

　後半に入ってもブレントフォードは怯むことなく前に出る。48分にサマン・ゴドス、52分にムベウモがそれぞれフィニッシュまで持ち込むシーンを作ったものの、ゴールネットを揺らすには至らない。その後は膠着したまま時間が経過し、アーセナルには徐々に焦りの色も見え始める。

　77分にはブレントフォードがこの日最大の決定機を作り出す。敵陣右サイドでフランク・オニェカがボールを奪うと、ムベウモを経由してパスを受けたクリストフェル・アイェルが中央を突破。フィニッシュはブロックされたものの、こぼれ球を回収したムベウモがペナルティエリア右を抉ってクロスボールを送る。マイナスから飛び込んだニール・モペイが頭で合わせたが、ゴールカバーに入っていたジンチェンコに阻まれた。

　是が非でも勝ち点「3」を積み上げたいアーセナルは、ライスやサリバがミドルシュートでゴールを脅かす場面を作る。しかし、なかなかブレントフォードゴールをこじ開けられない。試合はスコアレスで終盤に差し掛かったが、89分に遂に均衡を破る。アーセナルはライス、ウーデゴーアを経由して右サイドにボールを繋ぐと、待っていたサカが左足で内巻きのクロスボールを送る。ファーサイドに走り込んでいたカイ・ハフェルツが頭で合わせると、執念のヘディングシュートがゴールに吸い込まれた。79分からピッチに立ったハフェルツの6試合ぶりゴール、PKを除くと今夏の加入後初ゴールで、アーセナルが先手を取った。

　試合はこのままタイムアップ。敵地で苦しんだアーセナルだったが、ハフェルツが値千金のゴールを決め、白星を飾った。冨安は3試合連続のフル出場。2連勝で勝ち点を「30」に伸ばし、首位に浮上した。一方のブレントフォードは今季2度目の連敗を喫している。

　次週は欧州のカップ戦が組み込まれており、チャンピオンズリーグ（CL）に出場しているアーセナルは29日にホームでRCランスと対戦する。次節のプレミアリーグは12月2日に予定されており、アーセナルはウルヴァーハンプトンと、ブレントフォードはルートン・タウンと、それぞれホームで対戦する。

【スコア】
ブレントフォード　0－1　アーセナル

【得点者】
0－1　89分　カイ・ハフェルツ（アーセナル）