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ベッカムや“優しい巨人”ら…英国フットボール界の最高の輸出選手とは?

2023.12.14

英国を飛び出したスター選手たち [写真]=Getty Images

 今季はスペインやドイツで英国選手の活躍が目立っているが、歴代最高の“輸出選手”は誰なのか?

 今シーズン、ドイツとスペインで英国プレーヤーが脚光を浴びている。例えば、トッテナムからバイエルンに移籍したイングランド代表FWハリー・ケイン(30歳)などは、新天地で驚異的な得点力を発揮している。

ハリー・ケイン

 1億ユーロ(約155億円)という大金で初の海外移籍を果たしたケインは、今季ブンデスリーガでここまで13試合に出場して18ゴールで得点ランク1位を走っている。出場12試合の時点で18ゴールを決めていたが、これは60年以上の歴史を誇るブンデスリーガにおいて最初の12試合における歴代最多記録だ。同リーグの歴代最多ゴール記録を持つ英雄ゲルト・ミュラーの12試合で17ゴールを超えて見せたのである。そんな歴史を塗り替えるストライカーが次に目指すのは、2020-21シーズンにFWロベルト・レヴァンドフスキ(現在バルセロナ所属)が叩き出した「41ゴール」というブンデスリーガの1シーズン最多得点記録となる。

 スペインのラ・リーガでも得点ランク1位を走るのはイングランド人だ。今夏ドルトムントから1億300万ユーロ(約160億円)でレアル・マドリードに加入したMFジュード・ベリンガム(20歳)である。トップ下や中盤の左などで起用されているイングランドの怪物は、今月9日のベティス戦でもネットを揺らし、今季ラ・リーガで14試合に出場して12ゴール。中盤の選手ながら、FWアントワーヌ・グリーズマン(9ゴール)などに3点差をつけて得点ランクのトップを走っている。

ジュード・ベリンガム

 近年はこういった選手たちが海外で活躍するようになったが、これまで英国選手はどちらかというと自国のリーグでプレーする印象が強く、とりわけプレミアリーグが急成長してからは海外リーグに挑戦する英国人は少なかった。それでも、過去には英国を飛び出したスター選手がいる。

 先日、『BBC』が「英国フットボール界の最高の輸出」という特集を組み、誰が最も海外リーグで影響を残したかアンケートをとっていたので、その結果を紹介しよう。こちらが海外で活躍した「英国最高の輸出選手」のトップ5だ。

[写真]=Getty Images

■4位タイ:MFスティーヴ・マクマナマン 得票率=5%

スティーヴ・マクマナマン

 “マッカ”の愛称で親しまれた元イングランド代表MFスティーヴ・マクマナマン(51歳)は、真っ赤なユニフォームを着てリヴァプールでプロキャリアをスタート。そして1999年、27歳の時にフリートランスファーでスペインの白い巨人、レアル・マドリードに入団した。スペインでは3年半で158試合に出場して14ゴール。2度のリーグ優勝のほか、2000年と2002年にはチャンピオンズリーグ制覇にも貢献した。

 敵をどんどん抜き去っていくタイプではないが、細かいタッチでのドリブルでボールを運んでチャンスを生み出してきた。加入1年目には、史上初の同国対決となったチャンピオンズリーグ決勝のバレンシア戦で決定的な仕事をした。先発出場したマッカは67分、ボックスの外から相手のクリアボールをそのままシザーズキックでボレーシュート。これがゴール隅に決まり、チームも3-0でヨーロッパの頂点に立った。イングランド人が海外のクラブで初めてチャンピオンズリーグを制した瞬間でもある。

 ちなみに「英国人」という枠で見ると、海外クラブで初めてチャンピオンズリーグを制した選手は元スコットランド代表MFポール・ランバート。1996-97シーズンにドルトムントで欧州の頂に立った。今回の『BBC』の特集でもノミネートはされていたがトップ5からは漏れた。

■4位タイ:FWケヴィン・キーガン 得票率=5%

ケヴィン・キーガン

 元イングランド代表FWケヴィン・キーガン(72歳)は、1970年代にリヴァプールで3度のリーグ制覇に貢献したあと、1977年にドイツのハンブルガーSVに移籍。同クラブでは3シーズンでリーグ戦90試合に出場して32ゴール。1978-79シーズンにはチームをブンデスリーガ優勝に導き、翌年はチャンピオンズカップで順当に勝ち上がって準決勝でレアル・マドリードを退けてファイナルに進出。しかし決勝では、名将ブライアン・クラフ率いるノッティンガム・フォレストの前に0-1で敗れて涙を飲んだ。

 それでも“マイティ・マウス”と呼ばれた小柄なアタッカーは、1978年から2年連続でバロンドールを受賞。イングランド人で2度もバロンドールを受賞した選手は、今のところキーガンしかいない。

■3位:ジョン・チャールズ 得票率=13%

 3位に入ったのはカルチョの国で愛されたウェールズ人だ。リーズでプロキャリアをスタートさせたFWジョン・チャールズは、1957年に当時の英国の移籍金記録でユヴェントスに引き抜かれると、両足から高精度のシュートを放ったほか、空中戦でも強さを発揮してヘディングでもゴールを量産。ユーヴェでは1年目からリーグ戦28ゴールで得点王に輝いた。そして在籍5シーズンで181試合105ゴールの結果を残し、3度のリーグ制覇、2度のコッパ・イタリア優勝に貢献した。

「Il Buon Gigante(優しき巨人)」として愛されたチャールズは、1997年にユヴェントスの設立100周年記念のイベントでミシェル・プラティニを差し置いてクラブ歴代最高の外国人選手にも選ばれた。2004年2月、“優しき巨人”が72歳でこの世を去った翌日、ボローニャ対ユヴェントスのセリエAの一戦では試合前に拍手が捧げられた。貴賓席では、涙を拭くユヴェントス関係者が何名もいたという。

■2位:デイヴィッド・ベッカム 得票率=17%

デイヴィッド・ベッカム

 2位は元イングランド代表MFデイヴィッド・ベッカム(48歳)。マンチェスター・ユナイテッドで6度のリーグ優勝と1999年のチャンピオンズリーグ制覇に貢献した偉大なスターは、2003年に海を渡った。世界中が注目したベッカムのレアル・マドリード入団会見には500名以上ものマスコミが駆け付けたという。結局、レアルでは4シーズンでリーグ優勝1回に留まるも、常に話題の中心にいたのは間違いない。

 その後はアメリカに渡ってLAギャラクシーに6年ほど在籍しながら、同チームのシーズンオフなどを利用してイタリアのミランでもプレー。そして2013年にはフランスのパリ・サンジェルマンでも半年だけ所属して現役生活に別れを告げた。

■1位:ガレス・ベイル 得票率=44%

ガレス・ベイル

 やはり、獲得したタイトルやゴール数などを見ると、元ウェールズ代表FWガレス・ベイル(34歳)は際立っている。サウサンプトンでプロキャリアをスタートしてトッテナムで世界的プレーヤーへと成長したウィンガーは、ベッカムが海を渡ってから10年後の2013年、スペインの地に降り立って白いユニフォームに袖を通した。

 当時の移籍金記録となる8500万ポンド(約153億円)でレアル・マドリードに加入したベイルは、9年間で258試合に出場して106ゴール・57アシスト。ケガが多くて批判されたこともあるが、それでも2014年から2022年までの間に5回もチャンピオンズリーグを制覇。チャンピオンズカップ時代を含め、これよりも多くの優勝を経験しているのは1950~60年代にレアルで活躍したパコ・ヘントだけだ。

 2018年チャンピオンズリーグ決勝のリヴァプール戦では途中出場から“あのオーバーヘッド”を含めて2ゴールを奪い、チームを頂点に導いた。

(記事/Footmedia

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By Footmedia

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