ハードな年末年始を過ごすプレミアリーグの選手たち [写真]=Getty Images
年末年始、そしてクリスマスもプレミアリーグは休まず営業する。
今シーズンもプレミアリーグは休むことなく戦い続ける。欧州の大半のリーグがウィンターブレイクを導入するなか、プレミアリーグの冬休みは“おまけ程度”だ。今シーズンは28年ぶりにクリスマスイブにも試合を開催(ウルヴァーハンプトン対チェルシー)。そして12月26日のボクシングデーからは、ほぼ毎日のように試合が開かれる。大晦日にはフルアム対アーセナルのロンドン・ダービー、そして元日にはリヴァプール対ニューカッスルの大一番も控えている。
1月の第2、3週には「ミッドシーズン・プレーヤー・ブレイク」という冬休みが設けられるが試合は続く。プレミアリーグは時期をずらして休みを取る「休暇分散」を導入しており、通常ならば1つの週末に全10試合が開催されるが、それを5試合ずつに分けて2週にわたって開催する。1月13日(土)の週末のプレミアリーグ第21節の5試合、そして翌週末に残りの5試合が行われる。そして試合がない週に選手たちは休暇を取る。2019-20シーズンに初めて導入されたあと、コロナ禍によって廃止となっていたプレミア独自のシステムである。
だから選手たちは束の間の休息を取ることができるが、リーグ自体は休まず続くことになる。そんな年中無休のプレミアリーグにおいて、どの上位勢が最もハードな年末年始を過ごすのか見ていこう。プレミアリーグは12月21日のクリスタル・パレス対ブライトンによるライバル対決(違う町だが熾烈なライバル関係にある)から怒涛の年末年始がスタートするぞ!
[写真]=Getty Images
■アーセナル(現在1位):対戦相手の平均順位=7位
20年ぶりのリーグ制覇を目指して首位を走るアーセナルは年末に大一番を迎える。今月23日、アーセナルは敵地アンフィールドに乗り込んで、2位リヴァプールとの首位攻防戦を迎えるのだ。自分たちが首位に立つアーセナルにとって、2位とのアウェイゲームは考えうる最も難しいカードである。しかもアーセナルは、アンフィールドでは11年間も勝利がない。2012年9月にルーカス・ポドルスキなどのゴールで勝利して以降、一度も勝てていない鬼門中の鬼門なのだ。その間に、5回も4失点以上を喫しており、2003-04シーズンの無敗優勝以来となるリーグ制覇を目指すチームにとっては真価が問われる一戦だ。
その後、アーセナルは28日に8位ウェストハム、31日に11位フルアムとのロンドン・ダービー2連戦を控えている。3試合の対戦相手の平均順位は「7位」と、難しい戦いになる。リヴァプール戦との超大一番のあとにロンドン・ダービーという特殊なゲームが続くため、一瞬たりとも気を抜けないだろう。
■リヴァプール(現在2位):対戦相手の平均順位=8.7位
1ポイント差で首位アーセナルを追う2位のリヴァプールは、前述通り、23日にアーセナルとの頂上決戦を迎える。厳しいゲームとはいえ、ホームでのリーグ戦は1年以上も負けていない彼らからすると、首位に返り咲くチャンスとも言える。
首位攻防戦のあとは、26日のボクシングデーにバーンリー(19位)とのアウェイゲームに臨む。そして元日には6位に着けるニューカッスルをホームに迎える。1996年4月の対戦ではプレミア歴代ベストゲームの1つに選ばれる「4-3」の死闘を演じた両チームの対戦なので、新年を祝う意味でも派手な打ち合いを期待したい。
リヴァプールの対戦相手の平均順位は「8.7位」。ホームとはいえ2つのビッグゲームを控えており、アンフィールドが熱く盛り上がること間違いないだろう。
■アストン・ヴィラ(現在3位):対戦相手の平均順位=15.3位
今季のサプライズチームとなっているのはアストン・ヴィラだ。彼らは今月上旬にマンチェスター・シティとアーセナルに連勝して3位まで浮上。年末は22日のシェフィールド・ユナイテッド戦(20位)に始まり、26日には敵地でマンチェスター・ユナイテッド(7位)と相まみえ、30日のバーンリー戦(19位)で充実の2023年を締めくくる。
マンチェスター・ユナイテッドは難敵だが、今季すでに公式戦のホームゲームで7敗。しかもボーンマス(0-3)、バイエルン(0-1)とホームでは連敗中のため、今の調子ならアストン・ヴィラに分があるだろう。年末3試合の対戦相手の平均順位は「15.3位」とかなり楽なカードが続く。
ちなみにアストン・ヴィラは、22日のシェフィールド・ユナイテッド戦(H)に勝利すれば暫定だが首位に立つ。そして翌日のリヴァプール対アーセナルが引き分けに終われば、初めてプレミアリーグの首位でクリスマスを過ごすことになるのだ!
■マンチェスター・シティ(現在4位):対戦相手の平均順位=18位
昨年の3冠チームは苦戦が続いている。プレミア最近6試合でわずかに1勝。それも18位のルートン・タウンに勝った1勝だけで、首位アーセナルと5ポイント差の4位に甘んじており、史上初のイングランドトップリーグ4連覇に黄色信号がともっている。
それでもチャンピオンズリーグではイングランド勢として史上2チーム目のグループステージ全勝を果たしたほか、サウジアラビアで開催されているFIFAクラブワールドカップでは準決勝で浦和レッズを3-0で下し、フルミネンセとの決勝に進出。世界一のタイトルに王手をかけている。
このクラブワールドカップの影響で23日のブレントフォード戦は延期。そのためマンチェスター・シティは年末のプレミアは2試合だけ。27日の16位エヴァートン戦(A)、30日の20位シェフィールド・ユナイテッド戦(H)だ。対戦相手の平均順位は「18位」となっているが少し気を付けたい。エヴァートンは勝ち点10の剥奪処分で16位に甘んじているが、それがなければ10位なのだ!
■トッテナム(現在5位):対戦相手の平均順位=13位
今季はアンジェ・ポステコグルー新監督の下で軽快な攻撃的サッカーを繰り広げ、一時は首位を走っていたトッテナム。不運なケガもあって5試合も勝利から遠ざかる時期もあったが、徐々に調子を取り戻して年末を迎える。
23日の16位エヴァートン戦(H)、28日の9位ブライトン戦(A)、31日の14位ボーンマス戦(H)と続く。日韓のエース対決となるブライトン戦は一筋縄ではいかないが、移動も少なく恵まれた日程となっており、この3連戦で確実に9ポイントを確保したい。
■ニューカッスル(現在6位):対戦相手の平均順位=12.3位
23日に18位ルートン・タウン戦(A)、26日に17位ノッティンガム・フォレスト戦(H)、元日に2位リヴァプール戦(A)。
■マンチェスター・ユナイテッド(現在7位):対戦相手の平均順位=9.3位
23日に8位ウェストハム戦(A)、26日に3位アストン・ヴィラ戦(H)、30日に17位ノッティンガム・フォレスト戦(A)。
■ウェストハム(現在8位):対戦相手の平均順位=5.7位
23日に7位マンチェスター・ユナイテッド戦(H)、28日に1位アーセナル戦(A)、1月2日に9位ブライトン戦(H)。
■ブライトン(現在9位):対戦相手の平均順位=9.3位
21日に15位クリスタル・パレス戦(A)、28日に5位トッテナム戦(H)、1月2日に8位ウェストハム戦(A)。
■チェルシー(現在10位):対戦相手の平均順位=15.3位
24日に13位ウルヴァーハンプトン戦(A)、27日に15位クリスタル・パレス戦(H)、30日に18位ルートン・タウン戦(A)。
(記事/Footmedia)
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