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過去には“殴打事件”や160名の逮捕者も!?…イングランドの熾烈なダービーマッチを紹介

2024.01.09

イングランドの熾烈なダービーマッチを紹介 [写真]=Getty Images

 世界最古のカップ戦と呼ばれるFAカップは、3回戦からプレミアリーグ勢が登場し盛り上がりを見せている。
 
 現地時間7日には、プレミアリーグで優勝を争いを演じているアーセナルリヴァプールで3回戦で激突。注目のビッグマッチは、終盤のゴールでアウェイのリヴァプールが2-0で勝ち切り4回戦に駒を進めた。敗れたアーセナルはこれで2年ぶりの公式戦3連敗。シーズン後半戦に差し掛かり失速気味だ。
 
 そんなFAカップの醍醐味と言えば、下部リーグのクラブがプレミアリーグ勢に挑戦するゲームだろう。6日土曜日には、チャンピオンシップ(2部)所属のサンダーランドニューカッスルをホームに迎え、8年ぶりの“タイン・ウェア・ダービー”が実現した。英国屈指の熾烈なダービーとして知られる一戦は、実力で勝るニューカッスルが敵地で3ゴールを奪い宿敵を沈めた。

ニューカッスル

FAカップ3回戦で“宿敵”サンダーランドを撃破したニューカッスル [写真]=Getty Images


 
 過去には逮捕者が続出することもあった危険な“タイン・ウェア・ダービー”だが、今回は事件らしい事件が起きなかったという。厳戒態勢の中、6000人ものニューカッスルファンが特別に用意されたバスで敵地に乗り込んだが、起こったことと言えば軽い小競り合い程度。警備にあたった地元警察も「ほとんど事件は起こらなかった。両クラブのファンに感謝を伝えたい」と感謝を述べた。
 
 今回は無事に終わった“タイン・ウェア・ダービー”だが、英紙『テレグラフ』が特集した「イングランドフットボール界の最大のライバル」のランキングでは上位に名を連ねている。それでは、その他にはどのような顔合わせがランクインしているのだろうか。熾烈なライバル関係のトップ10を見てみよう。

[写真]=Getty Images
 

■10位:シェフィールド・ウェンズデイvsシェフィールド・ユナイテッド

シェフィールド・ユナイテッドvsシェフィールド・ウェンズデイ

2019年に行われた“シェフィールド・ダービー”


 
 10位には鉄鋼業で発展したシェフィールドの両雄がぶつかるダービーが入った。「Steel City derby(鉄の町ダービー)」と呼ばれることもある一戦は、両チームとも古い歴史を誇るため「イングランド最古のダービー」とも言われている。
 

■9位:ウルヴァーハンプトンvsウェスト・ブロムウィッチ

ウルヴァーハンプトンvsウェストブロムウィッチ

下部リーグでの対戦回数も多いウルブスとウェストブロムウィッチ


 
 9位はウェストミッドランズ州を舞台に繰り広げられるウルヴァーハンプトン(ウルブス)とウェスト・ブロムウィッチの“ブラック・カウンティ・ダービー”だ。同等規模のクラブであるため、トップリーグだけに限らず下部リーグでも対戦回数が多く「いつも対戦している感じがする」と記事も指摘している。
 

■8位:イプスウィッチ・タウンvsノリッジ

イプスウィッチ・タウンvsノリッジ

イプスウィッチ・タウンノリッジによる“イースト・アングリアン・ダービー”


 
 “イースト・アングリアン・ダービー”は、イングランド東部のイースト・アングリア地方を拠点とする2チームによる都市間ダービーだ。ノーフォーク州のノリッジと、お隣サフォーク州のイプスウィッチ・タウンの対戦は町の威信をかけたバトルのため「敵意」が強いという。
 

■7位:カーディフ・シティvsスウォンジー

カーディフ・シティvsスウォンジー

ウェールズに拠点を置くカーディフ・シティスウォンジー


 
7位には、イングランドリーグに所属するウェールズの2クラブがランクイン。サポーター同士の対立が激しいダービーで、1988年の対戦ではスウォンジーのファンが相手チームのファンを海まで追い詰めたことがあるとのこと。この歴史に因み、今でも水泳帽を使って相手ファンを馬鹿にしているそうだ。
 

■6位:マンチェスター・ユナイテッドvsマンチェスター・シティ

マンチェスター・ダービー

これまで数々の激闘が繰り広げられてきた“マンチェスター・ダービー”


 
 伝統的にユナイテッドは全国区、シティは地元のクラブとして知られてきたが、後者に中東の資金が注入されて以降、“マンチェスター・ダービー”の様相は一変した。それまで「うるさい隣人」とあしらわれてきたシティだが、近年は立場が逆転。今シーズン最初の対戦でもシティが敵地『オールド・トラッフォード』で3-0の快勝を収めている。
 
 これまでいくつも印象的なシーンを生み出してきたダービーであり、元アイルランド代表MFロイ・キーンが、ノルウェー代表FWアーリング・ハーランドの父親として知られる元同国代表DFアルフ・インゲ・ハーランドに危険なタックルを見舞ったこともあれば、元イングランド代表FWウェイン・ルーニーが豪快なオーバーヘッドを決めたことも。そして元イタリア代表FWマリオ・バロテッリによる奇妙なゴールセレブレーションもあった…。
 


 

■5位:アストン・ヴィラvsバーミンガム

アストン・ヴィラvsバーミンガム

過去には殴打事件も発生したアストン・ヴィラvsバーミンガム


 
 熾烈なライバル関係にあり、過去にはアストン・ヴィラの主将を務めていたイングランド代表FWジャック・グリーリッシュ(現:マンチェスター・シティ)が乱入してきたバーミンガムのファンに背後から殴られたことがある。
 

■4位:リヴァプールvsエヴァートン

リヴァプールvsエヴァートン

“マージーサイド・ダービー”もイングランド屈指の熾烈な一戦として知られている


 
 英国を代表するダービーの1つである“マージーサイド・ダービー”が4位にランクイン。赤と青のユニフォームを着る親子が並んで試合を観戦する光景が見られるなど、以前は「フレンドリー・ダービー」として知られていた。とはいえ、この試合は1992年に発足したプレミアリーグにおいて、最もレッドカードが出されているため、ピッチ上は全くフレンドリーではないようだ…。
 


 

■3位:アーセナルvsトッテナム

アーセナルvsトッテナム

今季最初の“ノースロンドン・ダービー”は2-2のドローに終わった


 
 トップ3に名を連ねたのは“ノースロンドン・ダービー”だ。実力が拮抗した両チームの対戦は、予想できない激しい打ち合いの好ゲームが多い。数あるロンドン・ダービーの中でもやはりこの一戦は特別だろう。今シーズン最初の対戦も2-2のドロー決着。4月末に予定されているリターンマッチが楽しみだ。
 


 

■2位:ニューカッスルvsサンダーランド

サンダーランドvsニューカッスル

直近の対戦でも小競り合いが見られた“タイン・ウェア・ダービー”


 
 2位は冒頭で説明した“タイン・ウェア・ダービー”(サンダーランドのホームゲームは「ウェア・タイン・ダービー」)。1888年から続くダービーは常に問題をはらんできた。1990年の試合では、負けていたニューカッスルのファンが試合を中止にさせようとピッチになだれ込んできた。2001年の対戦では160名もの逮捕者が出たし、2013年のダービーでは騎馬警官の馬に殴り掛かるファンもいた。サンダーランドはチャンピオンシップ(2部)で昇格争いを演じており、来シーズンはプレミアリーグの舞台に“タイン・ウェア・ダービー”が戻ってくるかもしれない。
 

■1位:マンチェスター・ユナイテッドvsリヴァプール


 
 今回のランキングで1位に選ばれたのはイングランド・フットボール界の最大のビッグゲームだ。最も成功を収めていると言っても良い2クラブの対戦は、国内に限らず世界的に注目を集める。ノースウェスト地方の2つの主要都市はライバル意識も強く、それがこの対戦をより熾烈なものにしているという。
 
 マンチェスター・ユナイテッドで黄金期を築いたサー・アレックス・ファーガソン監督は就任時にリヴァプールを「木の上から落とす」と宣言し、見事に優勝回数で抜いて見せた。現在、リーグ優勝の回数はマンチェスター・ユナイテッドが最多20回。次いでリヴァプールが19回となっている。

(記事/Footmedia

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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