各クラブが輩出した現役プレーヤーたち [写真]=Getty Images
プレミアリーグの各クラブが輩出した最高の現役タレントは誰なのか?
どんなチームにおいても圧倒的な支持を得るのは生え抜きのスター選手である。クラブの下部組織から台頭した選手に対してサポーターは「One of our own(俺たちの一員だ)」と大声援を送る。注目を浴び、そのまま世界的なプレーヤーへと覚醒していく者もいれば、期待通りの活躍ができずに消えていく者もいる…。
果たして最も高価な現役プレーヤーを輩出しているクラブはどこなのか? 各クラブが輩出した最高の現役プレーヤーを市場価値と共に見てみよう。今回は10位から6位まで紹介しよう。
[写真]=Getty Images
■10位:エヴァートン(FWアンソニー・ゴードン) 4300万ポンド(約81億円)
10位に入ったのはエヴァートンで、彼らが輩出した最も市場価値の高い現役プレーヤーはFWアンソニー・ゴードン(22歳)だ。マージーサイドで生まれ育ったゴードンは11歳でエヴァートンに入団すると、着実に成長を遂げて2017年に「16歳286日」でトップチームデビュー。イングランドの年代別代表の常連となって、昨夏のU-21欧州選手権では2得点1アシストと躍動して母国を優勝に導くと共に大会MVPに選ばれた。
昨年1月には、愛するクラブを離れて移籍金4500万ポンド(約85億円)でニューカッスルへ移籍。その際に、エヴァートンでの思い出を振り返った感動的なコメントと動画をSNSにアップした。「僕は11歳でクラブに入団した。クラブは僕にプレーする場だけでなく、第二の家族まで与えてくれた。スタジアムから2分のところで育った僕はグディソン・パークでゴールを決め、みんなから自分の名前を呼んで貰うことが夢だった。この素晴らしいクラブで僕を支えたくれた皆さんに感謝している。僕はこのクラブを愛している。心の底からクラブの幸運を願っている。ありがとう」
— AG (@anthonygordon) January 29, 2023
ニューカッスルに加入した当初は少し苦しんだが、今季はプレミアリーグで7ゴール・5アシストと結果を残してチームに欠かせない存在となっており、A代表招集も囁かれている。『Transfermarkt』によると、現在の市場価値は4300万ポンド(約81億円)だ。
■9位:ブライトン(FWエヴァン・ファーガソン) 5600万ポンド(約105億円)
9位はブライトンのFWエヴァン・ファーガソン(19歳)で、彼の市場価値は5600万ポンド(約105億円)だ。元プロ選手を父に持つアイルランド出身のストライカーは、2019年に14歳にして母国のトップリーグでデビューを果たして注目を集めることに。そして2021年1月にブライトンのアカデミーに加入。リヴァプールも同選手を狙っていたがブライトンが争奪戦を制した。
加入1年目はブライトンのユースチームでプレーしていたが、徐々にトップチームにも呼ばれるようになり、1年後の2022年2月に17歳でプレミアリーグデビューを果たした。そして2022-23シーズンに大ブレークを果たす。シーズン途中から出場機会を得ると、アーセナル戦で「18歳72日」にしてゴールを奪い、ブライトンのプレミア最年少ゴール記録を打ち立てた。そのシーズンはプレミア19試合で6ゴールを叩き出してクラブの若手年間最優秀選手にも選ばれた。
今季は前半戦だけでプレミア19試合に出場して6ゴール。9月のニューカッスル戦ではプレミア歴代4位の若さでハットトリックを達成し、さらに評価を高めている。
■6位タイ:マンチェスター・ユナイテッド(FWマーカス・ラッシュフォード) 6000万ポンド(約113億円)
6位には6000万ポンド(約113億円)の才能を輩出した3チームが入っている。まずはイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォード(26歳)を世に送り出したマンチェスター・ユナイテッドだ。7歳からマンチェスター・ユナイテッドの下部組織に在籍するラッシュフォードだが、宿敵マンチェスター・シティに入団してもおかしくなかったという。彼は、マンチェスター・ユナイテッドに加入する前にマンチェスター・シティの練習にも参加していたのだ。しかし、ユナイテッドファンだったラッシュフォードはマンチェスター・ユナイテッドからも誘いを受けると家族とも話し合って「好きなクラブ」に加入することにした。
デビュー戦は2016年2月のヨーロッパリーグだった。ケガ人の続出によりチャンスを与えられた当時18歳のラッシュフォードは、ミッティランを相手にいきなり2ゴール。すると、3日後のアーセナル戦でプレミアデビューを果たし、またしても2ゴールの活躍でチームを勝利に導いた。そこから一気にスター選手への階段を駆け上がっていった。
ちなみに、マンチェスター・ユナイテッドは87年間もアカデミー卒業生を起用していることで知られる。1937年から直近のトッテナム戦まで、実に「4238試合」も連続でアカデミー出身者が試合メンバー(ベンチを含め)に名を連ねているのだ!
■6位タイ:リヴァプール(DFトレント・アレクサンダー・アーノルド) 6000万ポンド(約113億円)
リヴァプールの生え抜き、DFトレント・アレクサンダー・アーノルド(25歳)も市場価値は6000万ポンド(約113億円)だ。リヴァプールで生まれ育ったアレクサンダー・アーノルドの入団のきっかけは“運”だった。彼が通う小学校の生徒がリヴァプール主催の課外教室に招かれることになり、抽選でアレクサンダー・アーノルドが選ばれたのだ。そこでスカウトの目に留まり、6歳で入団することになった。
そして1年後、初めてアンフィールドでの試合を観戦した少年は、チャンピオンズリーグ準々決勝の大一番でユヴェントスを退けた赤いヒーローたちを見て、このクラブでプロ選手になることを決意。「スタジアムに足を踏み入れた瞬間、僕もここでプレーしたい」と思ったという。それから11年後の2016年10月、18歳となっていたアレクサンダー・アーノルドはリーグカップのトッテナム戦でデビューを果たすのだった!
■6位タイ:アストン・ヴィラ(MFジャック・グリーリッシュ) 6000万ポンド(約113億円)
アストン・ヴィラも6000万ポンドの才能を輩出している。現在マンチェスター・シティで活躍するイングランド代表MFジャック・グリーリッシュ(28歳)は、バーミンガムで生まれ、6歳にしてアストン・ヴィラ下部組織に入団した。生粋のヴィラファンであるグリーリッシュは、2014年5月に18歳にしてアストン・ヴィラでのデビューを果たすと、華麗な足技を武器に徐々に出番を増やしていく。そしてチームが2部に降格したことで、2016-17シーズンからレギュラーに定着すると、2019年3月から腕章を巻くことに。すると2部リーグで13位にいたチームを5位まで引き上げ、昇格プレーオフも制して4シーズンぶりにチームをプレミアリーグの舞台に引き上げたのだ。
プレミアでも結果を残すようになったグリーリッシュは、2021年8月にマンチェスター・シティへ移籍する。移籍金は当時のイングランド人選手の最高額となる1億ポンド(約188億円)。19年も過ごしたクラブを去るのは「人生で最も難しい決断だった」とグリーリッシュは明かした。「チームメイトやスタッフに別れを告げるとき涙が出てきた。僕は4歳からヴィラファンで、6歳からクラブに所属してきたけど、次に進むときがきたんだ…」
次回はトップ5を見てみよう。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia