リヴァプールがカラバオ・カップ制覇 [写真]=Getty Images
カラバオ・カップ(EFLカップ)の決勝が25日に行われ、チェルシーとリヴァプールが対戦した。
今夜、イングランド3大タイトルの1つであるカラバオ・カップの王者が決定する。今大会、チェルシーは4部相当のウィンブルドンを筆頭に、ブライトン、2部のブラックバーン、ニューカッスルを次々と撃破。準決勝では2部のミドルズブラ相手にファーストレグは0-1で落としたものの、セカンドレグでゴールラッシュを見せ、2戦合計スコア6-2で2年ぶりのファイナルにたどり着いた。
一方、リヴァプールは2部のレスター、ボーンマス、ウェストハムと難敵相手に勝利を積み重ねると、準決勝ではフルアムと激突。ホーム開催のファーストレグを2-1と逆転勝利で飾ると、セカンドレグを1-1のドローで終え、2戦合計スコアを3-2として決勝進出が決定。チェルシーと同じく2シーズンぶりとなるファイナル行きの切符を掴み取った。
2シーズン前の同大会決勝でも、チェルシーとリヴァプールがトロフィーを懸けて争った。試合は延長戦も含む120分間でもゴールネットが揺れることはなく、PK戦に突入。手に汗握るようなPK戦の中、11-10でリヴァプールが大会最多となる10年ぶり9度目の優勝を果たしていた。
2年ぶりの顔合わせとなる今大会の決勝に向けて、チェルシーはエンソ・フェルナンデス、モイセス・カイセド、コール・パルマーらの主力をスターティングメンバーとして送り出した。一方、リヴァプールはフィルジル・ファン・ダイク、アレクシス・マック・アリスター、ルイス・ディアスらが先発入り。遠藤航も中盤の底でスタメンに名を連ね、リヴァプール加入後初のタイトルを狙う。
試合は立ち上がりからハイレベルな激闘が繰り広げられ、両チームチャンスの数を増やしていく。14分、コーディ・ガクポがチェルシーのビルドアップ時に、アクセル・ディサシのボールタッチが中途半端になった隙を見逃さず、ボールを奪うと、マイナスへの折り返しを受けたL・ディアスが右足を振り抜く。ニアサイドを狙った低い弾道のシュートはGKジョルジェ・ペトロヴィッチが阻んだ。
対するチェルシーは20分、ピッチ中央でパルマーからの横パスを受けたカイセドが右サイドのスペースへスルーパスを送ると、飛び出したコナー・ギャラガーがダイレクトで折り返す。ファーサイドから走り込んできたラヒーム・スターリングはコナー・ブラッドリーに寄せられて足を振れなかったが、セカンドボールに反応したパルマーが左足で狙う。仕留めたかに思えたが、ここはGKクィービーン・ケレハーがビッグセーブ。こぼれ球にN・ジャクソンが詰めたものの、遠藤が体を張ってブロックした。
前半も半ばに差し掛かった23分にはリヴァプールにアクシデントが発生。自陣左サイドで遠藤が頭で繋いだボールを残そうとしたフラーフェンベルフの左足にカイセドの足が入り、プレー続行が不可能となる。ジョー・ゴメスがピッチに送り出され、ブラッドリーを右ウイング、ハーヴェイ・エリオットをインサイドハーフ、J・ゴメスを右サイドバックとする布陣に変更した。
徐々にチェルシーに流れが傾き始めると、32分には右サイドに流れてパルマーからのスルーパスを引き出したN・ジャクソンがボックス右から中央へ折り返すと、ファーサイドから飛び込んできたスターリングがダイレクトで押し込む。チェルシーが先手を取ったかに思えたが、ここはN・ジャクソンのポジションがオフサイドだったため得点は認められない。
前半終了間際にはリヴァプールが複数のビッグチャンスを構築。40分、左サイド高い位置を取ったアンドリュー・ロバートソンからのセンタリングを中央でガクポが頭で合わせるも、ここはファーポストに嫌われる。45分にはL・ディアスの左サイドでの持ち運びから、最後はブラッドリーにシュートチャンスが到来したが、レヴィ・コルウィルにブロックされた。前半の45分間はこのままスコアレスで終了している。
後半に入っても試合の様相は変わらない。52分、左サイドに流れてE・フェルナンデスのスルーパスに抜け出したN・ジャクソンが粘りを見せると、ボックス左へ入ったギャラガーがマイナスへ折り返し、最後は走り込んできたE・フェルナンデスがヒールで狙ったが、ここはジャストミートできない。
リヴァプールは60分、敵陣左サイドでフリーキックを獲得すると、ロバートソンが左足で最終ラインとGKの間に絶妙なボールを送り込む。走り込んだファン・ダイクはチルウェルに寄せられながらもヘッドでゴールネットを揺らした。リヴァプールが均衡を破ったかと思われたが、OFR(オンフィールドレビュー)によってオフサイドポジションにいた遠藤がコルウィルの戻りをブロックしており、プレーに関与したと判定。ゴールは取り消しとなり、0-0で試合は再開された。
試合も終盤に差し掛かると、チェルシーが徐々にゴールを脅かす回数を増やしていく。76分、右サイド深い位置でボールを受けたパルマーが左足に持ち替えて中央へ送ると、ニアサイドでフリーになったギャラガーがダイレクトで合わせたが、シュートはファーポストに直撃。85分にはカウンターの場面で粘りを見せたE・フェルナンデスが右へ渡すと、パルマーはタイミングを見て逆サイドのスペースへパスを繋ぐ。走り込んできたギャラガーがGKと1対1のチャンスを迎えたが、うまく間合いを詰めたGKケレハーが凌いで見せた。
後半アディショナルタイムに入ってもチェルシーが怒涛の攻撃を見せたが、90分間では決着はつかない。2シーズン前の決勝と同じく、スコアレスで延長戦を戦うことが決まった。
延長戦でも両チーム待望の先制点を目指してゴールに迫り続ける。94分にはエリオットが左足で上げた浮き球のボールを、ボックス左でファン・ダイクが頭で繋ぎ、最後はジェイデン・ダンズがヘディングシュート。若きストライカーの放った一撃は枠を捉えたが、GKペトロヴィッチに弾き出される。99分にはボックス右でL・ディアスからの浮き球パスを受けたエリオットが左足でボレーシュートを放ったが、ここはサイドネットを揺らすにとどまった。
延長後半に入ると、徐々に両チーム疲労の色が目立つようになってくるが、それでも一瞬であろうと隙を見せると待望の1点を目指して攻撃陣が牙を剥く。それでも、チェルシー、リヴァプールともに“守護神”が素晴らしいセーブを連発してゴールを許さず、徐々に時計の針は延長後半終了へ向かっていく。
このような状況で迎えた118分、クラークがボックス左から右足でフィニッシュまで持ち込むと、シュートはブロックされ、リヴァプールに右コーナーキックが与えられる。途中出場のコスタス・ツィミカスが左足でインスイングのボールを蹴り込むと、ニアサイドに飛び込んだファン・ダイクがヘディングシュート。今度は正真正銘ゴールが認められ、リヴァプールが土壇場で先手を取った。
試合はこのままタイムアップ。2年前の決勝と同じく文字通り“死闘”となったファイナルは、ファン・ダイクのヘディングシュートでリヴァプールに軍配が上がった。これで2年ぶり10度目の優勝を勝ち獲っている。遠藤は延長戦も含めてフル出場を果たし、リヴァプール加入後初のタイトルを獲得した。
【得点者】
0-1 118分 フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)
【スターティングメンバー】
チェルシー(4-2-3-1)
GK:ペトロヴィッチ
DF:ギュスト、ディサシ、コルウィル、チルウェル(113分 チャロバー)
MF:カイセド、E・フェルナンデス;パルマー、ギャラガー(96分 マドゥエケ)、スターリング(67分 エンクンク)
FW:N・ジャクソン(90分 ムドリク)
リヴァプール(4-3-3)
GK:ケレハー
DF:ブラッドリー(72分 クラーク)、コナテ(106分 クアンサー)、ファン・ダイク、ロバートソン(87分 ツィミカス)
MF:遠藤航、マック・アリスター(87分 マコーネル)、フラーフェンベルフ(28分 J・ゴメス)
FW:エリオット、ガクポ(87分 ダンズ)、L・ディアス
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By サッカーキング編集部
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