22－23シーズン、マンCの主将としてビッグイヤーを掲げたギュンドアン [写真]＝Getty Images
マンチェスター・シティは23日、バルセロナから元ドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンが完全移籍にて加入することを発表した。
2シーズン前、マンチェスター・シティが“トレブル”を達成した時のキャプテンが、電撃復帰を果たすこととなった。マンチェスター・シティ側の発表によると、契約期間は2025年6月30日までの1年間。また、イギリスメディア『BBC』によると、契約には1年間の延長オプションも含まれているという。ギュンドアンは2025年6月30日まで残っていたバルセロナとの契約を双方合意のもとで解除し、移籍金の発生しないフリートランスファーで加入することとなった。背番号は「19」に決まっている。
なお、現在バルセロナはラ・リーガが独自に定めるサラリーキャップの問題により、新戦力を登録できないという問題に直面している。『ムンド・デポルティーボ』によると、特に今夏の目玉補強となったスペイン代表MFダニ・オルモを登録するためには、人件費（チーム全体の選手年俸＋移籍金の減価償却費）のうち、およそ2400万ユーロ（約39億円）を削減する必要があるという。今回、ギュンドアンの退団のみでオルモの登録が可能となることはなさそうだが、それでも“第一歩”を踏み出すこととはなったようだ。
マンチェスター・シティへの帰還が正式に決まり、ギュンドアンはクラブを通して次のようにコメントを発表している。
「マンチェスター・シティでの7年間は、ピッチ内外で純粋な満足感を味わえる時間だった。人としても選手としても成長し、シティのファンと特別な関係を築き、素晴らしい成功を収めた。僕の人生の中でも特別な期間だった。ここに戻る機会を得たことは、とても大きな意味がある」
「僕がペップを尊敬していることは誰もが知っている。彼は世界最高の監督だし、彼と毎日仕事をすることで、より良い選手になれる。プロフェッショナルであれば、常にチャレンジングでありたいものだ。彼とまた仕事ができるのが待ちきれない」
「そして、ここシティのチームメイトについては何と言ったらいいか。彼らはワールドクラスのサッカー選手だ。彼らとともに練習し、プレーするチャンスを得たことを心から喜んでいる。正直、またシティのシャツを着るのが待ちきれないよ」
ギュンドアンは1990年10月24日生まれの現在33歳。母国ドイツでシャルケやボーフムなどの育成組織を渡り歩き、2009年5月にニュルンベルクでトップチームデビューを飾った。2011年夏に加入したドルトムントでは、初年度にブンデスリーガとDFBポカールの2冠達成に貢献。当時のユルゲン・クロップ監督の下でその才能を開花させると、欧州トップクラスの中盤へと成長を遂げ、在籍した5シーズンで通算157試合出場15ゴールを記録した。
2016年夏にマンチェスター・シティへ完全移籍加入。同じタイミングで新指揮官に就任したグアルディオラ監督にとって、待望の新戦力としてチームに迎え入れられた。初年度は右ひざ前十字じん帯断裂の大ケガに泣かされて出場機会を伸ばせなかったものの、復帰後は欠かせない中盤の1人に君臨。卓越した技術やスペースランニングの質、何よりも高いサッカーIQを武器に活躍を続けた。在籍最終年度となった2022－23シーズンはキャプテンを務め、公式戦51試合出場11ゴール7アシストを記録。プレミアリーグ、FAカップ、チャンピオンズリーグ（CL）の“トレブル”達成に大きく貢献した。マンチェスター・シティでは7シーズンで公式戦通算304試合出場60得点40アシストを記録し、通算14ものタイトル獲得を経験している。
昨年夏にはマンチェスター・シティを退団し、フリートランスファーでバルセロナへ加入した。初挑戦となったラ・リーガの環境にも即座に適応し、“ブラウグラナ”の主軸として活躍。全公式戦53試合のうち、ラ・リーガ2試合（うち1試合は累積警告による出場停止）を除く51試合のピッチに立ち、5ゴール14アシストを記録していた。だが、今夏に就任したハンジ・フリック新監督のもとでは、序列に若干の変化があったことが報じられており、既に開幕した2024－25シーズンのラ・リーガ第1節バレンシア戦（○2－1）はメンバー外。その去就には大きな注目が集まっていたが、古巣への復帰という形で決着した。
今回の移籍市場において、マンチェスター・シティは比較的“静かな夏”を過ごしている。新加入選手はブラジル代表FWサヴィーニョのみで、売却もアルゼンチン代表FWフリアン・アルバレス（現：アトレティコ・マドリード）やU－23スペイン代表DFセルヒオ・ゴメス（現：レアル・ソシエダ）ら最低限にとどめる。前人未到のプレミアリーグ4連覇を達成した昨季の面々を中心に戦っていくと思われたが、一昨シーズンの主将が新戦力として電撃帰還を果たすこととなった。
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By サッカーキング編集部
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