FA杯王者マンU、フルアムに敗れ5回戦敗退…主将ブルーノが意地の同点弾も、PK戦で力尽きる

　FAカップ5回戦が2日に行われ、マンチェスター・ユナイテッドとフルアムが対戦した。

　現在、プレミアリーグでは14位とボトムハーフに沈むマンチェスター・ユナイテッド。3試合未勝利と苦しい時期を過ごした後、2月26日に行われた第27節イプスウィッチ戦は3－2で勝利しており、この白星をポジティブな材料として繋げていきたい。FAカップでは3回戦でPK戦の末にアーセナルを破った後、4回戦ではハリー・マグワイアの劇的ゴールでレスターに2－1と逆転勝利。準々決勝へ駒を進めるべく、5回戦では本拠地『オールド・トラフォード』にフルアムを迎える。

　フルアムはプレミアリーグ前節終了時点で9位につけており、来季の欧州カップ戦出場権も狙える状況。直近公式戦5試合のうち4試合を勝利しており、状態も決して悪くはない。FAカップでは3回戦でワトフォード（2部）を4－1、4回戦でウィガン（3部）を2－1で退け、5回戦へ辿り着いていた。

　そんな両チームによるゲームは、序盤こそマンチェスター・ユナイテッドがボールを握ったものの、要所でのミスも散見されてなかなか決定機に繋げられない。時間の経過とともにフルアムがセカンドボールを回収する回数を増やし、敵陣へ押し込む構図となるが、こちらも決定的なシーンに至る回数は少なく、決め手を欠いた状態で時計の針が進む。

　それでも、前半がこのままスコアレスで終わることはなかった。前半アディショナルタイム、フルアムが右コーナーキックを獲得すると、アンドレアス・ペレイラの蹴ったボールをニアサイドでロドリゴ・ムニスが逸らし、最後はカルヴィン・バッシーが押し込む。セットプレーで均衡を破り、フルアムが先手を取ってハーフタイムに突入した。

　後半に入ってもなかなかマンチェスター・ユナイテッドのギアは上がらない。54分にはヴィクトル・リンデロフ、そしてアレハンドロ・ガルナチョを投入するが、状況は好転することなく、62分にはブルーノ・フェルナンデスが強引にミドルシュートを放ったものの、ここはGKベルント・レノの正面。

　それでも71分、遂にマンチェスター・ユナイテッドがゴールネットを揺らす。敵陣でセカンドボールを回収したリンデロフが頭で繋ぐと、ガルナチョがスルーパスを送り、左サイドを抜け出したディオゴ・ダロトが左足でマイナスへ折り返す。ボックス内低めの位置で待っていたB・フェルナンデスがダイレクトで左足を振り抜くと、シュートはGKレノを超えてゴール右へ吸い込まれる。キャプテンの一撃で、マンチェスター・ユナイテッドが試合を振り出しに戻した。

　同点に追いついたマンチェスター・ユナイテッドは、ガルナチョの左サイドでの仕掛けからゴールに迫る場面を生み出すが、次の1点は生まれない。90分間で決着はつかず、試合は延長戦に突入した。

　延長戦に入っても試合の様相は変わらず。前半の15分間は決め手を欠いたまま進むが、アディショナルタイムにはチド・オビ・マルティンがゴールに迫る。しかし、シュートはGKレノに阻まれ、逆転とはならない。フルアムも途中出場のラウール・ヒメネスやウィリアンが絡んでゴールへ迫ったが、延長後半もゴールネットが揺れることはない。各所で激しいバトルが繰り広げられた消耗戦は、120分間が経過しても1－1のままで、勝負の決着はPK戦に委ねられた。

　先攻のマンチェスター・ユナイテッドは1人目のB・フェルナンデスを皮切りに、ダロト、カゼミーロと3人連続で成功したものの、4人目のリンデロフのゴール左下を狙ったキックは、GKレノにコースを読み切られてセーブされる。一方で、後攻のフルアムは、1人目のR・ヒメネスから4人目のアントニー・ロビンソンまで全員が成功。迎えたマンチェスター・ユナイテッドの5人目、ジョシュア・ザークツィーの放ったシュートもGKレノに弾き出され、PK戦は終了。PK戦を4－3で制したフルアムが、昨季のFAカップ王者を破り、ベスト8入りを決めた。

　なお、準々決勝は3月29日の週末開催予定となっている。

【スコア】
マンチェスター・ユナイテッド　1－1（PK戦：3－4）　フルアム

【得点者】
0－1　45＋1分　カルヴィン・バッシー（フルアム）
1－1　71分　ブルーノ・フェルナンデス（マンチェスター・ユナイテッド）