バルサ加入スアレスを管理するのはメッシのけがを予防した人物

　バルセロナに入団したウルグアイ代表のFWルイス・スアレス。ワールドカップ・イタリア戦の“噛みつき”により4カ月の謹慎処分を受けたウルグアイ代表のエースは「スポーツ施設の出入り禁止」によりいまだにカンプ・ノウで入団会見をできないでいる。またスタジアムだけでなく、トレーニングセンターの出入り禁止により、バルセロナの施設で汗を流すこともできない。当然ながらトップチームにも合流することができず、ルイス・スアレスはひとりでトレーニングをしなければならない状況に置かれている。バルセロナはFIFA（国際サッカー連盟）の謹慎処分の軽減をスポーツ仲裁裁判所に訴えており、8月8日にスイスで行われる法廷にルイス・スアレスが立つことになっている。

　とはいえ、謹慎処分中だからといってルイス・スアレスは身体を動かしていないわけではない。バルセロナのトレーニングセンター以外の施設で来るべき新シーズンに向けて調整を始めている。スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が今のルイス・スアレスのトレーニングの状況を伝えている。

　ルイス・スアレスは5月22日に左ひざの半月板を負傷し、手術した。その後、ワールドカップに合わせて回復を急ぎ、6月19日のイングランド戦に出場。バルセロナはワールドカップ後にルイス・スアレスのメディカルチェックを行い、順調に回復しているという検査結果が出ており、その状態には満足している。だが、クラブは慎重を期して、ルイス・スアレスが万全の状態になるようトレーニングをある人物に任せた。

　バルセロナの理学療法士であるフアンホ・ブラウだ。

　フアンホ・ブラウはジョゼップ・グアルディオラがバルセロナの監督に就任してから負傷がちなメッシの左足を徹底的にケアするように命じられた人物として知られている。筋肉の疲労度を測る検査を行い、アルゼンチン代表のゲーム、オフシーズンのバカンスにも帯同し、メッシのコンディションを整え、けがの予防を徹底した。実際メッシは彼が毎日いた時は負傷しなかった。2013年の夏頃からフアンホ・ブラウはメッシに帯同することがなくなった。フアンホ・ブラウはクラブで仕事しているかぎり、他の選手もケアしなければならず、以前ほど時間がとれなくなかったからとその理由を表明している。

　フアンホ・ブラウが帯同しなくなるとメッシは筋肉の故障を繰り返すようになった。地元メディアはフアンホ・ブラウが常に帯同しなくなったことがメッシ負傷の要因のひとつだと書き立てるほどだった。それほど彼の仕事は評価されていた。

　今夏、フアンホ・ブラウはスペイン国外で合宿や親善試合をするトップチームから離れ、バルセロナに残り、ルイス・スアレスのプレシーズンのトレーニングを管理している。ルイス・スアレスはバルセロナ郊外にあるビーチ、内陸にあるコリャセロラ自然公園、もしくはジムでトレーニングをしている。持久走などまだ負荷の強いトレーニングをしておらず、ボールにも触れていない。なぜなら謹慎処分により、負傷、コンディションの回復を急ぐ必要がないからだ。プラン沿って、ルイス・スアレスのトレーニングは続けられる。メッシを徹底管理した実績がある理学療法士がついていれば、出場停止処分が解けた時にルイス・スアレスが、試合勘の欠如は別にして、万全なコンディションでいることは間違いないだろう。