バルセロナは9日、HJKヘルシンキとフィンランドで親善試合を行い、6-0と大勝した。スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が伝えている。
ムニル・エル・ハダディが2得点、サンドロ・ラミレスがゴールを決めるなどラ・マシア(バルセロナの下部組織)の選手たちが活躍した。ルイス・エンリケ監督がこの日送り出したスタメンはジョルディ・マシップ、マルティン・モントーヤ、ジェラール・ピケ、マルク・バルトラ、ジョルディ・アルバ、セルジ・ロベルト、セルヒオ・ブスケツ、アンドレス・イニエスタ、ラフィーニャ、ムニル、そしてペドロ・ロドリゲスの11人。11人全てがカンテラ出身者となった。
ヘルシンキ戦は親善試合だが、バルセロナは公式戦でピッチ11人全員がカンテラ出身者だった時がある。2012年11月25日のレバンテ戦だ。ティト・ビラノバ氏が指揮していたチームはダニエウ・アウヴェスが前半15分で負傷し、モントーヤが交代出場で入った。その時に11人全てが下部組織出身者となった。その時ピッチにいたのはビクトル・バルデス、モントーヤ、ピケ、カルラス・プジョル、ジョルディ・アルバ、シャビエル・エルナンデス、ブスケツ、セスク・ファブレガス、ペドロ、リオネル・メッシ、そしてイニエスタだった。
新指揮官は現役時代、元バルセロナの人気選手であり、指導者としてバルセロナBを指揮したキャリアを持っている。そしてローマ、セルタを経てバルセロナのトップチームの監督に就任。他クラブを指揮したそのキャリアは、現役時代に同僚だったジョゼップ・グアルディオラ監督に似通っている。グアルディオラ監督は自分が指揮していたバルセロナBのペドロ、ブスケツを自分と共にトップチームに昇格させて、クラブの重要な戦力としてだけではなく、スペイン代表にまで育て上げた。エンリケ監督が昨シーズン指揮したセルタでは、年齢に関係なく実力があれば若手であろうと積極的に起用してきた。そんな背景もあり、バルセロナをよく知るエンリケ監督もグアルディオラ監督同様にカンテラ育ちの若手を引き上げてくれるという期待がある。そして、そんなバルセロナのサポーターの期待の行き着く先が、HJKヘルシンキ戦のスタメンのような11人がカンテラ育ちで埋まることなのだ。
一方で、今シーズンのバルセロナはスペイン、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、チリ、フランス、カメルーン、ウルグアイ、クロアチアの9か国の選手から成り立っている、とスペイン紙『スポルト』が伝えている。ベルギー代表のトーマス・フェルメーレンがやって来て、その数は10か国になる予定だ。カメルーン代表のアレクサンドル ・ソングが退団する可能性もあるが、コロンビア代表のフアン・クアドラードがフィオレンティーナから加わる可能性もあり、だいたい10か国の選手で構成されるだろう。
グアルディオラ監督が指揮をした初年度2008-09シーズンも11か国の選手が在籍しており、現在のチーム構成と国籍数は似通っている。期待もあるのだろうが、このようにことあるごとにエンリケ監督とグアルディオラ監督は比較される。公式戦が始まるとさらに両者を比較するいろんな数字が飛び交うだろう。