バイエルンを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督が、2012年まで率いた古巣バルセロナやスペイン代表の代名詞とも言われるプレースタイル“ティキ・タカ”を嫌悪していることが明らかになった。16日付のイギリス紙『テレグラフ』など各紙が報じている。
“ティキ・タカ”とはスペインサッカーにおいて、華麗で正確なパスワークを、時計の秒針の音「チク、タク(スペイン語ではティキ、タカ)」になぞらえて創られた言葉である。
ジャーナリストのマルティ・ペラルナウ氏がグアルディオラ監督に迫った著書『ペップ・コンフィデンシャル』の中で、同監督は「私はパスワークを目的とするすべてのプレーを嫌う。ティキ・タカのことだ。そんなものはゴミで、何の意味もない。相手ゴールに迫ることを目的として、明確なパスを出さなければならない。パスワークのためにパスを繋ぐのではない」と語り、意図のないパス回しは不要であると主張した。
メディアは“ティキ・タカ”をグアルディオラ監督の代名詞のように報道しているが、これに対し「人々の言うことを信じるな。バルサはティキ・タカなんてやっていない! それは完全に(メディアに)作られた言葉だ! その言葉を信じてはいけない」と語り、自身の意図とは違うところで“ティキ・タカ”という言葉が独り歩きしていることに怒りを露わにしている。
実際に、同監督の率いたバルセロナやバイエルンは高いボール保持率を誇り、パスワークに特化しているが、これについては「すべてのチームスポーツは、片方のチームが攻め込めば、もう一方のチームはそれに対処して守らなくてはならない。我々が攻め込めば、相手は自陣に引きこもる。我々がやってきたのはそういうことだ。我々が攻め込んで得点する。明確に意図がある場合だけ、パスを出すべきなんだ。相手を押し込めば、彼らはカウンターを狙ってくる。それが我々がパスを繋いだ理由だ。ティキ・タカとは何の関係もない」と説明し、同監督が志向するプレースタイルは、あくまでゴールへ向かう経緯としてパス回しが多くなるのであり、パスを目的としているわけではないと語った。