リーガ・エスパニョーラで首位に立つバルセロナだが、最近3試合では1分け2敗と勝利から遠ざかり、2位アトレティコ・マドリード、3位レアル・マドリードに勝ち点差を詰められている。
ルイス・エンリケ監督はフィジカルコンディションの影響とは考えていないようだが、現在のバルセロナが抱える問題とは何なのか。スペイン紙『マルカ』が考察し、指摘している。
■集中力を欠いたミスがあった。
バルセロナは3月20日の第30節ビジャレアル戦で2点をリードしたが、同点に追いつかれてしまった。後半からピッチに投入されたフランス代表DFジェレミー・マチューは2失点に絡んだ。今シーズンは、昨年12月12日の第15節デポルティーボ戦でも2点のリードを守り切れず、2-2の引き分けに持ち込まれている。
■DFのバックアップがいない。
L・エンリケ監督にとっては、マチューはとても価値があるプレーヤーだ。しかし同選手は、フランス代表の一員として臨んだ3月29日の国際親善試合ロシア代表戦で右ひざを負傷。離脱を強いられることとなった。同選手の不在は他のDFの選手、ベルギー代表DFトーマス・ヴェルマーレンやスペイン代表DFマルク・バルトラ、ブラジル代表DFアドリアーノ・コレイアの出場機会増加を促すことになったものの、重要な試合では起用されていない。ゆえに31歳のアルゼンチン代表MFハビエル・マスチェラーノは過密日程にもかかわらず、最近5試合連続でフル出場している。
サイドバックにもバックアップがいない。スペイン代表DFジョルディ・アルバとブラジル代表DFダニエウ・アウヴェスは相手アタッカーのマークに問題を抱えていることは明白だ。しかし2人はアルゼンチン代表FWリオネル・メッシとブラジル代表FWネイマールがいるサイドをカバーできるだけの豊富な運動量を備えており、守備の問題に目をつぶっても起用せざるを得ない。
■固定された中盤以外が機能しない。
L・エンリケ監督が、スペイン代表MFセルヒオ・ブスケッツ、クロアチア代表MFイヴァン・ラキティッチ、スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの3人からなる中盤のメンバーを入れ替えると、チームは機能しなくなる。同監督が前線のメッシ、ネイマール、ウルグアイ代表FWルイス・スアレスの“トリデンテ”を崩すことはないが、中盤は継続的に入れ替えている。ビジャレアル戦ではイニエスタがプレーしなかった。4月2日の第31節レアル・マドリード戦ではアルダが投入されるとバランスが崩れ、相手に反撃を許した。そして、4月9日の第32節レアル・ソシエダ戦ではトルコ代表MFアルダ・トゥランとブラジル人MFラフィーニャが先発し、0-1で敗れた。
■新加入選手がフィットしていない。
アルダとスペイン代表DFアレイクス・ビダルは1月から機能するはずだったが、徐々に存在感を失っている。アルダはバルセロナのサッカーへの適応に苦しんでいる。A・ビダルは試合メンバーに招集されるかどうかもわからない選手に成り下がり、今は負傷で離脱している。
■アイデア、オプションが不足している。
L・エンリケ監督が選手交代で戦況を変えたり、修正を促すことは最近の試合ではできていなかった。レアル・ソシエダ戦では終盤にスペイン代表DFジェラール・ピケを前線に上げてパワープレーをするなど、アイデア不足が目についた。
『マルカ』は以上のように、バルセロナ不振の理由を分析した。