迷うことなくリーガ挑戦を決断した清武。「自分がどこまでできるのか。ワクワク感しかない」と語る [写真]=Bongarts/Getty Images
「10番をつけたいですね」
ごく自然に発せられたその一言に、驚かずにはいられなかった。清武弘嗣はどちらかと言えば、発言に慎重なタイプだったはずだ。少なくとも、セレッソ大阪からニュルンベルク(ドイツ)へと渡った4年前、彼が「10番をつけたい」と言うことはなかったし、そう思ってさえいなかっただろう。だからこそ、このセリフに4年間の成長を見る思いがする。
言うまでもなく、「10番」を背負うには覚悟がいる。2015-16シーズン、ハノーファー(ドイツ)で背番号10を託された清武は、その重みに改めて気付かされた。「大切さが分かりました。10番はやっぱり特別な番号。ピッチに10番がいるのと、いないのとでは全然違う」。「10番」はチームとファンから最も期待され、対戦相手からは最も警戒される。たとえ本人が意識していなくても、周囲の目は明らかに変わる。
つまり、清武は新天地となるセビージャ(スペイン)で、その重圧を自ら望んでいることになる。
例えば、いわゆる“欧州組”の中でも、香川真司や岡崎慎司と比較して、清武の活躍は見過ごされがちだ。ニュルンベルクやハノーファーでプレーすることは、残留を目標とする下位クラブで奮闘することを意味した。繊細なテクニックと攻撃センスを武器とするMFにとって、長所を発揮しにくい状況だったことは想像に難くない。清武が振り返るのはニュルンベルクに加入した4年前のことだ。
「最初はなめられていましたよ(笑)。『何だ、日本人か』という感じだった。だから練習で一度、ガツンと削りに行ったんです。今思えば少し危険なプレーでしたけど、そこから周囲の自分を見る目が一気に変わりました。自分がその場にいることを認めてもらわないと意味がないし、当時の(ディーター)ヘッキング監督は、無名の僕をトップ下として考えてくれていた。だから、自分がどこかで示さなければいけないと思ったんです」
自己主張しなければ、海外では生き残れない。これはサッカーがチームスポーツである以上、海外に挑戦する日本人選手にとって永遠のテーマであり続けるだろう。本来の能力を発揮する機会すら与えられず、不本意な形で欧州挑戦に幕を引いた日本人選手の話は、もう珍しくもなくなった。だからこそ、4年間でブンデスリーガ117試合に出場し、17ゴールと30アシストを積み重ねた清武の実績は、見過ごされてはならない。
そう考えたとき、「10番をつけたい」という言葉が本当に理解できる。否応なく注目される「10番」を背負うことは、新天地で清武が自分を主張し、居場所を確保するための、恐らく最短ルートなのだ。「背番号は自分を象徴するものだと思うし、それに見合った活躍をしないといけない。自分がどこまでできるのか、ワクワク感しかない」。その言葉には、これまでの経験に裏付けられた自信の強さが感じられた。
セビージャはこの夏、「10番」をつけていたホセ・アントニオ・レジェスと、トップ下のレギュラーだったエベル・バネガを放出。その穴を埋めるために、清武とパブロ・サラビアを獲得した。サラビアはレアル・マドリードの下部組織出身で、ヘタフェで10番を背負っていたMF。だが、清武にとってライバルの存在は望むところだ。「激しい競争が待っていると思います。でも、それは自分が待ち望んだこと。絶対にポジションを取りますよ。絶対に負けない。トップ下でプレーするのが一番の目標です」。
そして何より、セビージャではチャンピオンズリーグの大舞台が待っている。「あの熱さと雰囲気、そしてアンセム。早く体感したい」と胸を躍らせるのは、その先に2年後を見据えているからだ。「必ず2年後のワールドカップに役立つ」。たった6分間しかピッチに立つことを許されなかった2014年のブラジルW杯。清武はその時の悔しさを忘れたことはない。
思えば、4年前のロンドン・オリンピックで日本をベスト4に押し上げた頃から、清武は未来の日本代表を背負う存在と見なされてきた。2018年のロシアW杯では、当然のように主役になるものと思われてきた。だが、時間が無条件に人を成長させるわけではない。だから、清武はよりリスクが少ない選択肢――実際にヘルタ・ベルリンなどから熱心なオファーが届いたという――を選ぶことはなかった。
「自分にもプレッシャーをかけていますし、それに絶対に打ち勝たないといけない。別に失うものはないです。自分が挑戦して、そこで勝つだけ。セビージャのようなビッグクラブでも絶対にポジションを取って、ハノーファーのように自分中心のチームにしたいという気持ちを強く持っている」
2015-16シーズン、史上初のヨーロッパリーグ3連覇を達成したセビージャには、新シーズン開幕前からビッグマッチが待っている。CL覇者のレアル・マドリードと戦うUEFAスーパーカップがあり、そしてリーガ王者のバルセロナと対戦するスーペル・コパ(スペイン・スーパーカップ)もある。「めっちゃ楽しみにしています。でも、そこまでにポジションを取らないといけない。強豪との対戦は楽しみですし、絶対にW杯につながると思う」。
そのピッチに、背番号「10」をつけた日本人は立っているだろうか――周囲の期待は膨らむが、もちろん、それが清武のゴールではない。ロシアW杯のピッチに立つ日まで、濃密な2年間が彼を待っている。
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By サッカーキング編集部
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