6月に行われたチャリティマッチに出場したレアル・マドリードのレジェンド、ラウール氏 [写真]=Corbis via Getty Images
レアル・マドリードが本拠地サンティアゴ・ベルナベウでオサスナに5-2と快勝した10日のリーガ・エスパニョーラ第3節で、同クラブのレジェンドの1人である元スペイン代表FWラウール・ゴンサレス氏が解説者デビューを果たした。
2010年夏にカンテラ時代から18年間を過ごしたレアル・マドリードを退団した後、シャルケおよびアル・サッドを経て、昨年末にニューヨーク・コスモスで引退したラウール氏。自身がレアル・マドリードのトップチームでデビューした時の監督であるホルヘ・バルダーノ氏とともに初解説を務められたことを喜んだ。
「自分にとって永遠の監督であり父親のような存在であるホルヘの横で解説者としてデビューできて幸せだ」
この日は開始わずか6分でポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドが先制点を挙げたレアル・マドリード。ラウール氏は、故障からの復帰戦でいきなり結果を残した大黒柱が完全復活間近であるとの見解を示した。
「ついに怪物が戻って来た。シーズン初の試合で早速ゴールを決められたのは、感覚を取り戻すうえで大きい。現時点ではまだフィジカル面もメンタル面も完璧ではないが、あと4日もすればハングリー精神とゴールへの意欲に満ち溢れたトップフォームの彼が再び見られるはずだ」
また、この夏の移籍市場でユヴェントスから買い戻したスペイン代表FWアルバロ・モラタのチームへの貢献を褒め称えたラウール氏は、フランス代表FWカリム・ベンゼマとのハイレベルなレギュラー争いにも期待を寄せた。
「モラタは継続的なプレー機会を掴み取っている。ユヴェントスでの活躍で復帰を勝ち取り、レアル・マドリードでも良い試合を重ねている。スピードに優れた彼ならば、ペナルティエリアへのダイアゴナルな動きが生かせるサイドのポジションでも高いパフォーマンスを発揮できるだろう。実際、彼の加入によりチームは必要とするダイナミックな動きを得ている。ベンゼマとの定位置争いは、監督にとって嬉しい悩みとなるだろう」
ラウール氏は一方、この日は中盤で圧倒的な存在感を示したうえ、62分にはチーム5点目となるダメ押しゴールを決めたクロアチア代表MFルカ・モドリッチに対して、「チームを推進することができるエンジン」と絶大な信頼を寄せた。
「モドリッチは自分が良いプレーをするだけでなく、チームメイトに良いプレーをさせることができる。心身両面で万全な彼がプレーに絡む時、レアル・マドリードは最高のパフォーマンスを見せることができる」
また、かつて自身が着けていたキャプテンマークを巻いてプレーしているスペイン代表DFセルヒオ・ラモスについても触れたラウール氏。前半終了間際に試合を決定付ける3点目のゴールを得意のヘディングで決めた現主将を、守備力だけでなく攻撃力も兼ね備えた特別な選手であると絶賛した。
「S・ラモスはディフェンダーとフォワードが融合した選手だ。これまで何度も重要なゴールを決めている。今日はオサスナも良いプレーをしていたが、レアル・マドリードは彼の素晴らしいヘディングで勝利を手繰り寄せた」
文=北村敦