アビダル氏(左)とユムティティ(右)はキャリアやプレースタイルなど多くの共通点を持つ [写真]=Getty Images
近年のバルセロナの黄金期を支えた1人である元フランス代表のエリック・アビダル氏が、クラブと代表の両方で後輩にあたるサミュエル・ユムティティに熱いエールを送った。
スペインのラジオ局『RAC1』のフットボール番組とのインタビューに応じたアビダル氏は、適合するのが難しいとされるバルセロナで新加入ながら早速主力として活躍しているユムティティに目を丸くした。
「ユムティティの順応の速さには驚かされている。彼はほんのわずかな期間で、クラブのフィロソフィー、チームのプレースタイルやメンタリティといったものを理解した。私なんてずっと遅く、6カ月も掛かったものだよ」
アビダル氏はまた、左利きの黒人ディフェンダー、センターバックとサイドバックを遜色無くこなす能力、リヨンからバルセロナへとステップアップしたキャリアなど多くの共通点を持つことから、自身の後継者とも目されているユムティティを絶賛。さらに、歴代屈指の万能型ディフェンダーである元ドイツ代表のフランツ・ベッケンバウアー氏にその姿をなぞらえた。
「私が彼の中で特に好きなのは、プレーの起点となるパスの素晴らしさと、あらゆるタイプのリスクに対応できる落ち着きだ。彼はまた、リヨンでもやっていた通り、センターバックとしてもサイドバックとしてもプレーできる。私はユムティティがアビダルよりも数段上の選手になると確信している。彼ならばバルサの“黒いベッケンバウアー”になれるだろう」
そのユムティティは、20日の練習中に左膝の内側靭帯を負傷したものの、幸いにも10~15日程度で戦列に戻れると見込まれている。とはいえ、21日にホームで行われたリーガ・エスパニョーラ第5節では、アトレティコ・マドリードに一瞬の隙を突かれて1‐1のドローに持ち込まれたバルセロナとしては、同選手の復帰が待ち遠しいところだろう。
文=北村敦