現役時代に3強の全てでプレーしたという稀有なキャリアを持つシュスター氏 [写真]=Getty Images
開幕から6試合を終えたリーガ・エスパニョーラは、首位にレアル・マドリード、1ポイント差の2位にバルセロナ、さらに1ポイント差の3位にアトレティコ・マドリードと、早くも3強がトップスリーを占めている。だがその一方で、アトレティコと同ポイントで4位のビジャレアルと5位のアスレティック・ビルバオが並び、1ポイント差の6位にセビージャが着けるなど、上位は混戦模様となっている。
このような状況となった原因は、アトレティコ・マドリードが第1節および第2節、レアル・マドリードが第5節および第6節とそれぞれ連続ドローに終わり、バルセロナが第3節で敗れたことなどにある。
そんな中、現役時代に3強の全てでプレーしたという稀有なキャリアを持つ元ドイツ代表のベルント・シュスター氏が、スペイン紙『MARCA』とのインタビューで、古巣の取りこぼしを歓迎した。
「3強が勝ち点を落とすのは、リーガにとってもファンにとっても素晴らしいことだ。なぜなら、シーズンが進んで行けば、誰も彼らを捕まえられないからだ。我々には非常にレベルの高いリーグがあるが、とりわけ彼ら3チームは見所満載な上位争いをしている」
とはいえ、レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードが連続ドローを喫したことについて聞かれたシュスター氏は、とりたて気にする必要はないとの見解を示した。
「マドリーもアトレティコも悪い流れを迎えた訳ではない。引き分けたからといって、どうってことはない。むしろアトレティコはバルセロナで貴重な1ポイントを奪った。マドリーに関しても、あらゆるチームと同様に勝ち点が逃げて行ってしまう試合もある。これはシーズン序盤には予期されることだ。彼らにはその後の数試合で取り返せるだけの力がある」
シュスター氏はその一方で、第5節の直接対決でバルセロナのウルグアイ代表FWルイス・スアレスと小競り合いを繰り広げたアトレティコ・マドリードのブラジル代表DFフィリペ・ルイスが、その際に足を踏まれてできた傷の写真を自身の『Instagram』に掲載したことについては、するべき行為でなかったと苦言を呈した。
「あのような出来事は毎試合のように起きるものだ。最近ではSNSに写真を上げるのが流行っているようだが、ピッチで起きた全ての事はピッチに留めておくべきだ。いずれにしても、我々はフットボールを楽しむことに集中すべきであり、この手のテーマについて1日中話をしているべきではない」
文=北村敦