バルサ時代の恩師であるクライフとの思い出を語ったグアルディオラ [写真]=Getty Images
マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が、現地6日にロンドンで行われた故ヨハン・クライフ氏の自伝の出版記念イベントに出席し、恩師との思い出を振り返った。
バルセロナでの現役時代に指揮官のクライフ氏によって才能を見出されて以来、選手としても指導者としても一流のキャリアを送っているグアルディオラ監督は、「彼がいなければ今の自分はない」との強い感謝の意を表した。
「グアルディオラはクライフによって形作られたといっても過言ではない。自分がバルサで選手ならびに監督を務め、その後はバイエルン、今はマンチェスター・Cを指揮しているのは、全て彼のお陰だ。私は本当に幸運な男だ」
現在は世界屈指の指揮官との評価を確固たるものとしているグアルディオラ監督だが、「彼のような人物を見つけるのは不可能だ」と述べるなど、クライフ氏の指導者としての才覚が抜きん出ていたことを説明した。
「ヨハンのような指揮官はそれまで見たことがなかった。彼は誰よりも大胆で、選手の才能に気付く抜群の嗅覚があった。自分はフットボールを分かっていると思っていたが、彼と知り合って新たな世界が開けた。我々選手は誰もが彼から学んでいた。練習のセッションは今でも鮮明に覚えている。彼は指揮を執って説明を行うだけではなく実践して見せたが、どの選手よりも上手かった」
グアルディオラ監督はまた、今年3月に68歳の若さで亡くなったクライフ氏が残した多大な影響を強調した。
「彼はアヤックスとバルセロナという2つのチームを変えた。また、両チームで指導した選手の多くが今では監督を務めており、2つの世代に決定的な影響を与えたとも言える。彼が我々に与えたインパクトは他のいかなるものとも比較できない」
一方、「彼のことはどれだけ時間があっても話し続けられる」と笑いながら話したグアルディオラ監督は、かつてはクライフ氏を恐れていたことを正直に告白した。
「子供の頃はヨハンが怖かった。本当に厳格で、要求も凄く多かったからね。もちろん、私が監督になった頃はもうだいぶ年老いて、他人のために生きるという完全に異なる人物になっていたけどね」
文=北村敦