CLのレギア戦では、アセンシオ(左)、モラタ(中)、バスケス(右)らスペイン人選手3人がゴールを記録 [写真]=Getty Images
世界各国から集められたスター選手の派手な活躍に比べ、自国の選手の存在感が薄いことが、十年来に渡り不満の種となっているレアル・マドリードのサポーターにとって、18日に行われたチャンピオンズリーグ・グループステージ第3節はまさしく気分爽快な一戦となったはずだ。
本拠地サンティアゴ・ベルナベウでレギア・ワルシャワに5‐1で快勝したこの試合、レアル・マドリードはMFマルコ・アセンシオ、FWルーカス・バスケス、FWアルバロ・モラタと3人のスペイン人選手がゴールを決めた。そして、レアル・マドリードにとって、CLの試合で3人以上の自国選手が得点を挙げたのは、実に14年ぶりの出来事だという。
その14年前の一戦とは2002年9月25日に行われたグループステージ第2節で、DFミチェル・サルガド、MFアルベルト・セラーデス、MFグティ、FWラウール・ゴンサレスと4人のスペイン人選手がゴールを決めたレアル・マドリードは、ホームでゲンクに6‐0で圧勝している。
“ロス・ガラクティコス”(銀河系軍団)と呼ばれた当時のレアル・マドリードは、現在はチームの指揮官を務めているMFジネディーヌ・ジダンを筆頭とするスター選手とDFフランシスコ・パボンらカンテラ(下部組織)出身の若手選手を組み合わせる“ジダネスとパボネス”という構想を掲げたものの、前者が年齢により衰え始めたうえ後者の台頭も無かったため成功を見なかった。
一方、現在のレアル・マドリードは、スペイン人選手の活躍を期待しながらも、国籍や出身クラブは度外視した完全実力主義となっている。しかし、そんな状況でも主将のDFセルヒオ・ラモスとDFダニエル・カルバハルは不動の地位を築いており、今回のレギア・ワルシャワ戦でゴールを決めた3選手や15日のリーガ・エスパニョーラ第8節のベティス戦で2ゴールを挙げたMFイスコの中から数名がレギュラーを掴めば、計画倒れに終わった“ジダネスとパボネス”が十数年の時を経て実現することになるだろう。
文=北村敦