アトレティコ・マドリード戦でハットトリックを達成したC・ロナウド [写真]=Getty Images
ここに来て、まことしやかに囁かれていた限界説をアトレティコ・マドリードとの大一番で見事に一蹴したレアル・マドリードのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドに、世界中のメディアも平伏しているようだ。
今シーズンは自慢の決定力が影を潜めていたC・ロナウドだが、アトレティコ・マドリードの来シーズンの新スタジアム移行に伴い、リーグ戦ではこれが最後となったビセンテ・カルデロンでのダービーで、圧巻のハットトリックを達成。フランス紙『レキップ』は、「ロナウドのワンマンショー」とのタイトルとともに、チームを3-0の圧勝劇に導いたエースを称賛した。
「C・ロナウドのハットトリックにより、レアル・マドリードはカルデロンでの最後のダービーでアトレティコ・マドリードに屈辱を与えた。この大差は試合を見た者にとってはそれほど驚きではない」
また、イギリス紙『デイリーミラー』は、首位固めに成功したレアル・マドリードが9ポイント差のアトレティコ・マドリードに引導を渡したとの見解を示すとともに、C・ロナウドが試合の主役を演じられた要因として普段の左ウイングではなくセンターフォワードでプレーしたことを挙げた。
「ポルトガルのスーパースターが、レアル・マドリードを勝利へと導き、アトレティコ・マドリードを優勝争いから蹴落とした。今のロナウドにとっては、“9番”がベストポジションであることは明らかだ」
一方、「マドリードの王が君臨」とのスペイン国王を意識するかのような見出しを掲げたアルゼンチン紙『Ole』は、この日のハットトリックによりダービー通算18得点、今シーズンのリーガ通算8得点としたC・ロナウドの、記録ずくめの活躍を強調している。
「手に負えないクリスティアーノ。エースが3ゴールを叩き出し、レアルはアトレティコとの首都決戦を3‐0で制圧した。レアル・マドリードで歴史を作り続ける男は、クラブの伝説であるアルフレド・ディ・ステファノを抜き、ダービーにおける歴代最多得点者となった。また、今シーズンのピチーチ(得点王)争いでも、バルセロナのリオネル・メッシとルイス・スアレスに並んだ」
今年は2年振りのバロンドール受賞に期待が掛かるC・ロナウドだが、試合後の会見でジネディーヌ・ジダン監督からも「今夜で議論は終了した」と太鼓判を押された通り、今月25日で投票が締め切られる同賞獲得に向け、ダービーでの大活躍がラストスパートになったことは間違いないだろう。
文=北村敦