セルタ守備陣を翻弄し、2ゴールを挙げたメッシ(中央) [写真]=Vladimir Rys Photography via Getty Images
4日に行われたリーガ・エスパニョーラ第26節で、セルタは敵地でバルセロナと対戦。今シーズン屈指のパフォーマンスを見せた相手に0-5と完敗を喫した。試合後、セルタのエドゥアルド・ベリッソ監督が、大逆転を目指すチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦を前に本来の姿を取り戻したバルセロナについて、会見で自身の見解を表した。
ベリッソ監督はまず、バルセロナの強力攻撃陣を封じるための対策を用意していたものの、大黒柱であるアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの驚異的な能力によりプランを完全に破壊されたと分析した。
「これは相手の攻撃の細かい部分によって描かれた敗戦だ。我々は様々なシステムを使い分けられるようなイレブンで臨んだが、応対する選手との1対1をことごとく制したメッシによって、想定を超える範囲で守備に奔走させられてしまった。彼が輝きを見せた時、それを止められるような戦術はない。1点目のシーンでも2点目のシーンでも、彼の才能が違いを作り出した。戦術は全てではない。メッシの技術が試合を決めた」
現在、CL決勝トーナメント1回戦でパリ・サンジェルマンと対戦しているバルセロナは、先月14日にアウェーで行われたファーストレグで0-4というショッキングな大敗を喫した。8日にホームで行われるセカンドレグでは、セルタ戦のように5-0で勝つことができれば大逆転での準々決勝進出が決まる。
この点について質問を受けたベリッソ監督は、「ベストパフォーマンスを見せられればチャンスはある」との見方を示した。
「今日のバルセロナは、彼らが理想とする姿にかなり近かった。優れたタレントはフットボールを最高のレベルへと引き上げる。あの攻撃陣を抑えるのは極めて難しい。実際にラウンド(決勝トーナメント1回戦)を突破するかどうかまではわからないが、彼らにはそれだけの底力がある」
困難な挑戦に臨むバルセロナだが、4点の大量リードを守り切れば良いパリ・サンジェルマンは、セルタのようにオープンな展開に持ち込ませてくれるとは考えにくい。だからこそ、ベリッソ監督が惜しみない賛辞を贈ったメッシが、この日をさらに上回る存在感を示すことが奇跡を起こすための絶対条件と言えるだろう。
文=北村敦