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優勝戦線生き残りかけた“首都ダービー” 近年優勢のアトレティコ、新本拠にレアル迎える

2017.11.17

2017年5月対戦時 [写真]=ムツ カワモリ

 11月の代表戦が終わると、欧州サッカーはいよいよ前半戦の山場を迎える。そのスタートを飾るのが、18日に行われるリーガ・エスパニョーラ第12節、4位アトレティコ・マドリードと3位レアル・マドリードによる“マドリードダービー”だ。

“首都チーム”としてのプライドを懸けた両者の激突は近年、リーガだけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)でも様々なドラマを生んできた。さらに今回は、今年9月に開場したアトレティコ・マドリードの新本拠地「ワンダ・メトロポリターノ」で行われる初めてのダービーマッチとあって、新たな歴史の幕開けを告げる戦いとなる。すでにチケットは完売しており、スタジアムは最高の雰囲気に包まれるだろう。

 奇しくも両チームは、開幕11試合を終えて勝ち点「23」で並ぶ。とはいえ、首位バルセロナとの勝ち点差は「8」。これ以上の敗戦は許されず、今回の戦いは優勝戦線生き残りをかけたサバイバルマッチの様相を呈している。

 是が非でも3ポイントが求められる中、鍵を握るのはやはり両エースだろう。アントワーヌ・グリーズマンはここまで2得点、クリスティアーノ・ロナウドに至っては1得点と、現所属クラブで自己ワーストとなるシーズンを過ごしている。

 ただ、ダービーとの相性は悪くない。ともに昨シーズン行われた公式戦でのダービー4試合のうち、2試合でゴールをマーク。特にC・ロナウドが得点を挙げた2試合は、いずれもハットトリックだった。ポルトガル代表招集を回避した今回の代表ウィーク中には、第4子となるアラナ・マルティナちゃんの誕生を発表しており、愛娘に捧げるバースデーゴールを挙げるべく、より貪欲に得点を狙っているはずだ。

 もちろん、“準主役”となる選手たちからも目が離せない。レアル・マドリードでは、心臓の問題で長期離脱を強いられていたダニエル・カルバハルが復帰予定。10日の日本代表戦で推定時速100キロ以上という弾丸シュートを決めたマルセロとのサイドバックコンビが復活することになり、ジネディーヌ・ジダン監督が理想とするサイド攻撃が再び猛威を振るうことになるだろう。

 一方のアトレティコ・マドリードも、ケガで戦列を離れていたコケとカラスコが全体練習に復帰。グリーズマンの“後方支援”を担当する2人が2列目の左右に入ることによるメリットは計り知れず、ディエゴ・シメオネ監督も胸をなで下ろしているはずだ。ホームのアドバンテージも生かして、120%のパフォーマンスが期待できる。

 過去を振り返ると、2014-15シーズン以降、両者は公式戦で15回対戦。PK戦の末にレアル・マドリードが優勝を果たした2015-16シーズンのCL決勝を“ドロー”とカウントすると、アトレティコ・マドリードが6勝6分3敗と勝ち越している。さらにスペイン国内の大会に限れば、アトレティコ・マドリードは宿敵相手に最近11試合でわずか1敗(5勝5分)と圧倒的な成績を収めている。

 ただ唯一敗れたゲームは、ちょうど1年前(11月19日)、前本拠地「ビセンテ・カルデロン」で行われたリーガでのラストダービーだった。0-3と完敗を喫した試合で主役を飾ったのは、ハットトリックを達成して“マドリードダービー”の歴代最多得点記録を更新したC・ロナウド。2点目を挙げた後、オーギュスト・ロダンが制作した『考える人』像を模したゴールパフォーマンスが大きな話題を呼んだことを覚えているファンも少なくないだろう。

 そして、その試合を裁いたレフェリーこそ、今回も主審を務めるフェルナンデス・ボルバラン氏だった。これは何かの因縁か、あるいはただの偶然か。今から気を揉んでいるアトレティコ・マドリードのファンもいるという。

 ちなみに、1部通算14年のキャリアを誇るボルバラン氏は、今シーズン限りで審判業を引退することが決まっている。これが最後のダービーとなる可能性が高く、リーガの歴史を彩ってきた同氏のジャッジにも注目したい。

記事/Footmedia

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