21日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・グループステージ第5節でAPOELに6-0で圧勝したレアル・マドリード。敵地で格下を一蹴し、トッテナムに続くグループHの2位で決勝トーナメント進出を確定させた一戦では、不調に喘いでいたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとフランス代表FWカリム・ベンゼマのアベック弾が多くの話題をさらった。その一方で、揃って2ゴールを決めた両選手の試合後の反応は対照的なものとなっている。
リーガ・エスパニョーラでは8試合で1ゴールと、決定力不足を非難されているC・ロナウド。だが、CLでは5試合で8ゴールと、得点ランキングの首位を走っている。相性の良いCLで得点を伸ばしたエースだが、メディアに対する不信感が相当積もっているようで、試合後のミックスゾーンでは取材を拒否。不機嫌な態度で捨て台詞だけを残して去って行った。
「僕が何かを言うと、君達は別の事を言う。君達に何かを話すと、翌日には言ってもいない事が記事になっている。そんな状況で、どうやって話をすればいいと言うのだ」
一方、この試合が始まる前までは、リーガでは8試合で1ゴール、CLでは2試合でノーゴールと不振を極めていたベンゼマ。「自分はストライカーなのでゴールを決めたい。だが、ゴールが全てではない」と釘を刺しながらも、充実感を見せながら前向きなコメントを残した。
「批判を受けるのは、僕にとって人生の一部のようなものだ。だが、ゴールにアシスト、それ以外の役割で批判を変えてみせる。自分にはそれだけの力があるし、これからはかつてないほどのプレーを見せられると思っている」
C・ロナウドとベンゼマのゴールを特に喜んでいるのはジネディーヌ・ジダン監督で、試合後の会見では両ストライカーへの変わらぬ信頼を寄せている。
「ロナウドとベンゼマの活躍を嬉しく思っている。彼らは素晴らしい選手なので、いずれゴールが訪れるのは分かっていた。今後もハードワークを続けてくれることだろう」
得点力の高い選手を数多く擁するレアル・マドリードだが、やはりストライカーがしっかりゴールを決めるのが理想的だ。宿敵バルセロナに10ポイント差を付けられたリーガで巻き返しを図るためにも、C・ロナウドとベンゼマにはアベック弾の連発に期待したい。
文=北村敦