レアル・マドリードのウェールズ代表MFギャレス・ベイルが、いよいよスペインに別れを告げることになりそうだ。同クラブのお抱えメディアとして知られるスペイン紙『アス』および同『マルカ』は22日、今シーズン限りでの退団を明言する報道を揃って行った。
両紙はともに、レアル・マドリードはベイルを放出する意向で、同選手も移籍を考えていると、両者の方向性が一致していることを説明。なかでも「レアル・マドリードがベイルの売却を計画する理由」と題打った『アス』は、決定的な2つの要因を挙げた。
「爆発的なスピード、驚異的なシュート力、空中戦における支配力など、ベイルはレアル・マドリードで成功を収めるための全てを持ち合わせていた。しかし、継続性の欠如が常に付いて回った。度重なるケガが能力の発揮を妨げた。レアル・マドリードでのベイルは、19回もの負傷により70試合を超す欠場を余儀なくさせられた」
「フロレンティーノ・ペレス会長がベイルを獲得したのは、ラモン・カルデロン前会長が獲得したクリスティアーノ・ロナウドに代わるエースに据えるためだった。しかし、ベイルはC・ロナウドの後継者ではないことばかりが証明されて行った。C・ロナウドがバロンドールを5度も獲得する一方、ベイルは3名の最終候補にすら1度も選出されていない」
同紙はまた「レアル・マドリードはベイルを夏の移籍市場で売却すべきか?」とのアンケートを併せて実施。6万近くの回答が集まる中、73.5パーセントの人々が「イエス」に票を入れるなど、大多数のファンがベイルの放出を支持していることが示される格好となっている。
ベイルの退団は、チームの看板であるC・ロナウドおよびフランス人FWカリム・ベンゼマとの“BBCトリオ”の解体を意味すると同時に、新たなスター選手加入の呼び水となる。ここ3シーズンは世界的なビッグネームを獲得してこなかったレアル・マドリードだけに、今年の夏は移籍市場の主役となること間違いなさそうだ。
文=北村敦