大活躍を見せたK・ナバス [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)準決勝でバイエルンを退け、大会3連覇に王手を掛けたレアル・マドリード。アウェイで2−1と先勝したファーストレグのリードを辛くも守り切っての決勝進出となったが、ホームで2−2のドローを演じた5月1日のセカンドレグで、2ゴールを決めた元フランス代表FWカリム・ベンゼマ以上とも言える働きを見せたのは、チームのピンチを幾度と無く救ったコスタリカ代表GKケイラー・ナバスだろう。
この試合、バイエルンのドイツ代表GKスヴェン・ウルライヒが失点に直結する致命的なミスを犯したのとは対照的に、K・ナバスは神懸かり的なセーブを連発。74分には相手フランス代表MFコランタン・トリッソの至近距離からの強烈なシュートを驚異的な反応で防ぐなど、あと1点失えばアウェイゴールの差により敗退する状況を凌ぎ切って見せた。
これにはレアル・マドリード寄りとして知られるスペインの2大スポーツ紙も脱帽のようで、『アス』が「ケイラーというヒーローによる決勝進出」と絶賛すれば、『マルカ』は「“聖人”ケイラー、チームを救う8つのセーブ」と強調。『マルカ』はさらに「両守護神が決定的な選手に。片や大チョンボ、片や好セーブの数々。マドリーはウルライヒとナバスのお陰で決勝に駒を進めた」とGKの差が勝負を分けたとの寸評を行った。
また、レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督も、チームを決勝進出に導いたK・ナバスを手放しで称賛した。
「こういった試合、つまりビッグマッチではGKの出番が多くなる。ケイラーの活躍は本当に喜ばしい。とりわけ後半は、度重なるセーブによりとてつもない貢献をし、チームに命を与えてくれた」
反対に、「ケイラー・ナバスさえいなければ」と恨み節を吐きたいのはバイエルンだろう。実際、ユップ・ハインケス監督は「マドリーはナバスに感謝しなければならない」と語気を強め、クラブも公式ツイッターを通じて「君が全てを止めるのはもうたくさんだ!」と嘆く始末となっている。
K・ナバスがレギュラーを獲得した2015−16シーズン以来、3年連続でCL決勝進出を果たしたレアル・マドリード。前人未到の大会3連覇を賭けた26日の決勝でも、ジダン監督が「彼こそがマドリーのGKだ」と絶対的信頼を置く守護神のビッグセーブがものを言う可能性は十分にありそうだ。
文=北村敦
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