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レアル退団から5年…GKアダンがアトレティコで鮮烈デビュー、シメオネも信頼

2018.07.27

PK戦勝利の立役者となったアトレティコ新加入のGKアダン [写真]=Getty Images for ICC

 強豪が揃うプレシーズン恒例の大会であるインターナショナル・チャンピオンズ・カップ(ICC)の初戦で、PK戦の末にアーセナルを破ったアトレティコ・マドリード。獅子奮迅の活躍を見せたのが、この日が移籍後初出場となったスペイン人GKアントニオ・アダンだ。

 今夏の移籍市場でベティスからアトレティコ・マドリードに加入したアダンは、1点を先制して迎えた後半からピッチに入ったものの、出場からわずか2分後の47分に同点ゴールを許してしまう。だが、90分を戦い終えて迎えたPK戦では3選手のシュートを止めたうえ、自らも最終キッカーとしてシュートを成功。アトレティコ・マドリードに貴重な勝ち点をもたらした。

 鮮烈なデビューを飾ったアダンは、興奮冷めやらぬ試合後のインタビューで喜びを語った。

「この日が来ることを待ち望んでいた。アトレティコという偉大なチームの下でいち早くプレーしたかったんだ。3本のPKを止められたことは幸運だった。チームの勝利に貢献できて満足しているよ」

 この夏の移籍市場では、ビジャレアルからU-21スペイン代表MFロドリゴ・エルナンデス、モナコからフランス代表MFトマ・レマル、スポルティングからポルトガル代表FWジェルソン・マルティンスを獲得するなど、積極的に補強を進めているアトレティコ・マドリード。新戦力の一人であるアダンは、チームが順調にプレシーズンを進められているとの実感を示している。

「チームの状態は良いよ。まだ数週間しかトレーニングを積んでいないので、フィジカル面やコンビネーション面では足りない部分があるけど、今日はしっかりとレスポンスができた。今シーズンはアトレティコにとって非常に夢のある1年になるだろう。だが、そのためには一歩一歩前進していくというクラブのフィロソフィーを忘れることなく、今の形を続けていく必要がある」

 1997年夏に10歳で入団したレアル・マドリードでは、トップチームまで上り詰めたものの、キャプテンを務めていた元スペイン代表GKイケル・カシージャス(現ポルト)の壁は高く、レギュラーの座を掴めないまま2013年夏に退団したアダン。だが、カリアリでの半年間を経て加入したベティスで正守護神の座を掴むと、4年半に渡る実績が認められる形で、出身クラブのライバルであるアトレティコ・マドリードに迎えられた。

 アトレティコ・マドリードのゴールマウスには、世界有数の守護神であるスロベニア代表GKヤン・オブラクが君臨。アダンがレギュラーの座を掴むのは至難の業となる。しかしアトレティコ・マドリードリーガ・エスパニョーラ、チャンピオンズリーグ(CL)、コパ・デル・レイの3大会を戦うため、出場機会は確実に巡ってくるはずだ。ディエゴ・シメオネ監督から「彼の経験は必ずチームに役立つ」と信頼を寄せられている通り、苦労を重ねて円熟味を増した31歳の守護神がアトレティコ・マドリードに安心感をもたらしてくれることだろう。

文=北村敦

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