今夏の移籍市場でバルセロナに加入したアルトゥール [写真]=NurPhoto via Getty Images
バルセロナの期待の新戦力であるブラジル人MFアルトゥールが、新天地で幸先良いスタートを切った。
29日に行われたインターナショナル・チャンピオンズカップ(ICC)、トッテナムとの大会初戦に臨んだバルセロナは、2点のリードを守り切れず同点に追い付かれたものの、PK戦を5-3で制して白星発進。先発出場したアルトゥールは、攻守両面で落ち着いたプレーを見せたうえ、強烈なミドルシュートでチームの2点目を叩き出した。
名刺代わりのゴールだけではなく、93.5パーセントのパス成功率を記録するなど、初出場とは思えないパフォーマンスを披露したアルトゥール。クラブ公式チャンネルでのインタビューで、会心の形でデビューを飾れたことを喜んだ。
「バルセロナの選手としてピッチに立つのは、小さい頃からの夢だった。そのために努力を重ねてきた。それが叶って本当に幸せだ。おまけにゴールも決められるなんて、これ以上ないスタートが切れた」
アルトゥールはまた、ペナルティーエリア右手前からゴール左隅へと突き刺したゴラッソを冷静に振り返った。
「良いボールが来たので、しっかりとコントロールしてシュートした。ファインゴールを決められて幸運だった。点を取るのはいつだって良いことだ。チームを助けることを意味するからね」
一方、デビュー戦で早速能力の高さを発揮したアルトゥールには、エルネスト・バルベルデ監督も大満足だったようで、中盤の要に成り得る存在との高評価を与えた。
「アルトゥールは良いデビューを飾ってくれた。何よりモチベーションにあふれていたね。彼は様々な面で我々を助けてくれる選手だ。ボールポゼッション、攻撃の起点、決定的なパスやシュートと、多くの役割を果たすことができる。彼がチームに適合すれば、極めて大きな戦力となるだろう」
グレミオから加入したバルセロナでは、ヴィッセル神戸に移籍したスペイン代表MFアンドレス・イニエスタの後釜として期待が寄せられているアルトゥール。中盤を支え続けてきた前主将の穴を埋めるのは並大抵のことではないが、デビュー戦ではチームメイトを生かすプレーが随所に光った。今後も補強の目玉としてファンから熱視線を注がれることは間違いなく、とりわけ2018 FIFA ワールドカップ ロシアに出場した選手が合流した際には、大黒柱である新主将のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシら主力組との融合に注目が集まる。
文=北村敦