過去3年の間にリーガを去っていった選手たち [写真]=Getty Images
バルセロナに退団の意思を表明しているアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ。スペイン国外へ移籍した場合には、バルセロナだけでなく、リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)にとっても大きな損失になるだろう。8月30日に発表した声明ではバルセロナのスタンスを支持し、メッシの契約解除条項は今も有効だと主張したが、いち選手の契約問題にラ・リーガが介入するのは極めて異例。それだけメッシを失いたくない気持ちの表れとも取れる。
ここ3年を振り返ってみても、ラ・リーガからは多くの優秀な選手たちが他国のクラブへと流出している。スペイン紙『アス』は「ラ・リーガを去った35人のクラック(名手)たち」という記事を掲載しており、今回はその中から11人を抜粋して紹介する。
▼GK
ケイラー・ナバス(コスタリカ)
移籍:レアル・マドリード→パリ・サンジェルマン(2019-20)
2010年に当時2部に在籍したアルバセテに加入。欧州での知名度は全くなかったが、レバンテで飛躍的な成長を果たし、2014年にレアル・マドリードへ移籍した。正GKとして2016年からのチャンピオンズリーグ(CL)3連覇に貢献。ファンからも愛される存在だったが、ティボー・クルトワの加入に伴い、徐々に出場機会を減らすと、昨年夏にパリ・サンジェルマンへの移籍が発表された。
▼DF
アイメリク・ラポルテ(フランス)
移籍:アスレティック・ビルバオ→マンチェスター・C(2017-18)
アスレティック・ビルバオの下部組織出身で、2012年にトップチームデビュー。翌年からは背番号4を背負い、チームの中心選手になっていく。しかし2018年1月にマンチェスター・Cへの移籍が決定。違約金に設定されていた6500万ユーロ(約82億円)が支払われ、A・ビルバオとは契約を解消する形となった。現在26歳と当分は実現しないだろうが、いつの日か古巣に帰還する日はあるだろうか。
テオ・エルナンデス(フランス)
移籍:レアル・マドリード→ミラン(2019-20)
2017年夏、下部組織時代から過ごしたアトレティコ・マドリードを退団し、レアル・マドリードへ。禁断の移籍を果たし、大きな注目を集めたが、肝心のプレーの方でインパクトを与えることができず、昨年夏にミランへと完全移籍を果たした。ただ、イタリアの水が合ったのか、初挑戦のセリエAで6ゴール3アシストと大爆発。大きな飛躍を遂げた1年となった。
リュカ・エルナンデス(フランス)
移籍:アトレティコ・マドリード→バイエルン(2019-20)
幼少期にスペインへ移住し、弟のテオと共にアトレティコ・マドリードに入団。2014年のトップチームデビュー以降は着実な成長を遂げ、2018年にはフランス代表でワールドカップを制覇した。ディエゴ・シメオネ監督から将来のリーダーと期待されていたリュカはしかし、昨年夏にバイエルンへ移籍。奇しくも弟と同じタイミングでの“海外移籍”となった。
ディエゴ・ゴディン(ウルグアイ)
移籍:アトレティコ・マドリード→インテル(2019-20)
2007年のビジャレアル加入から昨年夏のアトレティコ・マドリード退団まで、12シーズンにわたってラ・リーガでプレー。368試合の出場数は、外国人選手として歴代6位タイの記録である。“シメオネ・アトレティコ”の象徴として、またラ・リーガを代表する選手として、ピッチに立てば全身全霊をチームのために捧げ、敵チームのファンからも一目置かれる存在だった。
▼MF
アンドレス・イニエスタ(スペイン)
移籍:バルセロナ→ヴィッセル神戸(2018-19)
イニエスタも、近年ラ・リーガが“失った”タレントのひとりだろう。2002年12月のデビュー以来、ラ・リーガでプレーした16シーズンのうち9シーズンで優勝。バルセロナの黄金期を象徴する選手だった。ただヴィッセル神戸加入後も、ラ・リーガとの関係は途切れることがなく、昨年7月には公式アイコンに就任することが発表された。今後はスペインサッカーの魅力を伝える伝道師としても、活躍が期待される。
ロドリ(スペイン)
移籍:アトレティコ・マドリード→マンチェスター・C(2019-20)
昨年夏、マンチェスター・Cがアトレティコ・マドリードからロドリを引き抜くために支払った移籍金は7000万ユーロ(約89億円)。2年前にアスレティック・ビルバオからチェルシーへ移籍したケパの8000万ユーロ(約101億円)に次ぐ、スペイン人史上2番目の高額移籍だった。彼らに限らず、2018年夏にはファビアン・ルイスがベティスからナポリへ、今夏はフェラン・トーレスがバレンシアからマンチェスター・Cへ移籍するなど、20代前半のヤングタレントたちの流出も目立っている。
サンティ・カソルラ(スペイン)
移籍:ビジャレアル→アル・サッド(2020-21)
2018年夏に古巣ビジャレアルと契約を交わすと、日常生活も困難とまで言われた大ケガからの復活を果たし、30歳半ばとは思えない好パフォーマンスを見せてきた。2019-20シーズンは11得点9アシストを記録し、通常どおり開催されていれば、ユーロ2020のメンバー入りも確実だっただろう。しかし今夏、盟友シャビ・エルナンデスが監督を務めるアル・サッドへの移籍を決断。カタールデビューとなった一戦では、挨拶代わりのゴラッソを叩き込んでいる。
エベル・バネガ(アルゼンチン)
移籍:セビージャ→アル・シャバーブ(2020-21)
カソルラと同じく、中東で新たなキャリアをスタートさせるのがバネガだ。2008年のバレンシア加入以来、2014年のニューウェルス・オールドボーイズ、2016~2017年のインテルを除けば、10年以上にわたってスペインで活躍。ラ・リーガ屈指のゲームメイカーとして名を馳せたが、新シーズンからはサウジアラビアのアル・シャバーブでプレーする。
▼FW
ネイマール(ブラジル)
移籍:バルセロナ→パリ・サンジェルマン(2017-18)
今回のメッシ騒動に勝るとも劣らないインパクトを与えたのがネイマールのバルセロナ退団だろう。2017年夏、パリ・サンジェルマンが同選手をバルセロナから引き抜くために支払った移籍金は、サッカー史上最高額の2億2200万ユーロ(約280億円)。いまだにこの記録は破られていない。“ポスト・メッシ”として期待されたタレントの国外流出は、ラ・リーガにとっても大きな痛手だったと言える。
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
移籍:レアル・マドリード→ユヴェントス(2018-19)
2009年夏のレアル・マドリード加入以降、公式戦438試合で450ゴールという驚異的な得点記録を残し、とりわけメッシとのライバル対決はラ・リーガの風物詩でもあった。しかし、2年前にユヴェントスへ完全移籍し、国内での直接対決を見る機会はなくなった。C・ロナウドという好敵手がスペインを去ったことも、メッシの気持ちに変化を生じさせたのかもしれない。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia