今季好調のアトレティコ・マドリード [写真]=Getty Images
アトレティコ・マドリードが好調だ。今シーズンのリーグ戦は8試合を戦って、6勝2分け。リーガ・エスパニョーラ(ラ・リーガ)で唯一の無敗チームとなっている。21日に行われたバルセロナ戦では1-0の勝利を収め、宿敵から2010年2月以来、実に10年ぶりのリーグ戦白星を挙げた。
レアル・マドリードも本調子とは言えず、多くのスペインメディアがアトレティコを「優勝候補の本命」と報じ始めている。そんな中、スペイン紙『マルカ』が特集記事を掲載し、「アトレティコが王者になりうる7つのポイント」を紹介している。
平均勝ち点はリーグトップ
11月26日時点で、アトレティコは首位レアル・ソシエダと勝ち点2差の2位。ただ未消化試合が2つあり、1試合平均勝ち点(2.5)では、ソシエダ(2.3)を上回ってリーグトップに立っている。「パルティード・ア・パルティード(一戦一戦)」を口癖とするディエゴ・シメオネ監督は、他のチーム状況をほとんど気にしないだろう。とはいえ、アトレティコより1試合消化が多いレアル・マドリードには3ポイント差、消化試合数が同じバルセロナには9ポイントの差をつけている。今後、レアルとの“マドリード・ダービー”が控えているとはいえ、有利な立場にあるのは明白だ。
守備だけでなく攻撃も好調
シメオネ監督率いるアトレティコの武器と言えば、鉄壁の守備だろう。今季も開幕8試合を終えて、わずか2失点。一方、彼らは「18」の得点を記録している。過去4シーズンを振り返っても、開幕8試合終了時の最多得点が2018-19シーズンの9ゴールだったことを思えば、サプライズと言わずして何と言えるだろうか。さらに5ゴールを挙げるジョアン・フェリックスとルイス・スアレスは、得点ランキングの2位タイにつけている。これもまた近年のアトレティコなら考えられなかった出来事だ。
リードを許した瞬間なし
今季のアトレティコは、リーガで一瞬たりとも相手にリードを許したことがない。第3節のグラナダ戦(6-1)と第8節のオサスナ戦(3-1)で失点を許したが、どちらもアトレティコが2点以上のリードを奪ったあとの出来事だった。開幕直後はキーラン・トリッピアーとレナン・ロディが本調子ではなく、ホセ・ヒメネスは新型コロナウイルスの陽性反応を示し、フェリペは昨季のようなパフォーマンスを披露できていない。しかしながら、マリオ・エルモソがロディの穴を埋めれば、ステファン・サヴィッチはキャリア最高とも言えるプレーを見せている。
約10カ月負けなし
アトレティコは今年2月1日の“マドリード・ダービー”に敗れて以降、公式戦無敗をキープ。しかも、辛くもドローというような試合は少なく、勝利に限りなく近いドローというゲームが多い。またバルセロナ戦がそうであったように、相手に決定機を作らせていない。リオネル・メッシやクレマン・ラングレのシュートがあったにせよ、ボールはオブラクの両手にしっかりと収まった。彼にとっては、平和な夜だった。
かつてないほどの戦力
シメ・ヴルサリコが負傷離脱中で右サイドバックの控えに不安があること、また絶えずプレッシングを行えるセンターFWがいないことを除ければ、各ポジションの競争はかつてないほど激しい。最終ラインではエルモソが台頭し、中盤センターでは不動の地位を築くコケとサウール・ニゲスだけでなく、エクトル・エレーラ、ルーカス・トレイラ、マルコス・ジョレンテ、ジョフレイ・コンドグビアが出場機会をうかがっている。(4-4-2の)両サイドMFも1ポジションにつき2人以上の選手がレギュラーを争う構図だ。
好調の選手が多数
復調を遂げたスアレスやアトレティコ加入後ベストとも言えるパフォーマンスを見せるオブラクだけではない。今のチームにはキャリア最高のプレーを見せる選手が何人も存在する。コケとジョレンテはスペイン代表のメンバー入りを果たし、J・フェリックスは、いま世界で5本の指に入るアタッカーと言えるだろう。中国から“帰国”したカラスコも再び高次元のプレーを見せ、彼の縦への突破とスピードは試合を決める武器となっている。
ハマったスタイル
シメオネ体制になってから次々と勝利を手にしてきたアトレティコだが、一方で「退屈」といった意見や「守備的すぎる」という批判の声は絶えなかった。しかし戦い方には変化が見られ、相手陣内でプレーする時間がこれまで以上に増えている。ボール保持を望むようになり、プレッシングの位置が高くなった結果、相手のエリア近くでミスを誘発することも少なくない。それが得点数の上昇と失点数のさらなる減少、そして勝ち点の増加へとつながっている。
(記事/Footmedia)
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By Footmedia