鮮烈デビューの久保建英にも期待！　ヘタフェで武者修行を積んだ有名選手6名

　11日に行われたリーガ・エスパニョーラ（ラ・リーガ）第18節エルチェ戦で、ヘタフェは3－1の逆転勝利を収めた。MF久保建英はぶっつけ本番の新天地デビューで、いきなり決勝点に絡む活躍を披露。鮮烈な印象を残した。

「スペイン屈指」と評判の育成力を武器に下部組織出身の選手を重宝してきたビジャレアルとは対照的に、ヘタフェはビッグクラブから有望な若手をレンタルで獲得し、チームの戦力として活用してきた歴史がある。そこで今回は、ヘタフェで武者修行を積んだ有名選手6名を紹介したい。

[写真]＝Getty Images

▼マルク・ククレジャ（現ヘタフェ）

国籍：スペイン
ポジション：DF
レンタル移籍期間（レンタル元）：2019－20シーズン（バルセロナ）
レンタル移籍発表当時の年齢：20歳

　久保のヘタフェデビュー戦で貴重な同点ゴールを決めたククレジャも、もともとはレンタル選手。2019年夏にバルセロナから1年間の期限付きでヘタフェに加入。彼にとっては前シーズンのエイバルに続くレンタル移籍となったが、縦に鋭いサッカーとの相性は抜群で、昨季はリーグ戦37試合に出場して1ゴール5アシストを記録した。今夏からは完全移籍に切り替わり、昨年11月にはスペインのA代表に初招集。バルセロナとは袂を分かつことになったが、ヘタフェで選手としての価値を高めることに成功している。

▼モイ・ゴメス（現ビジャレアル）

国籍：スペイン
ポジション：MF
レンタル移籍期間（レンタル元）：2015－16シーズン（ビジャレアル）
レンタル移籍発表当時の年齢：21歳

　ビジャレアルで久保とポジションを争ったモイ・ゴメスも、ヘタフェへのレンタル移籍を経験している。しかし、彼にとっては苦い思い出の一つだったかもしれない。公式戦24試合に出場して2ゴールを記録したものの、チームは19位で2部降格が決定したからだ。なおシーズン終盤戦の監督交代により、元ジェフユナイテッド千葉監督のフアン・エスナイデル氏からも指導を受けている。

▼パコ・アルカセル（現ビジャレアル）

国籍：スペイン
ポジション：FW
レンタル移籍期間（レンタル元）：2012－13シーズン（バレンシア）
レンタル移籍発表当時の年齢：19歳

　モイ・ゴメスだけでなく、パコ・アルカセルもヘタフェで武者修行を積んだ選手の一人。ただ彼はバレンシアからのレンタル移籍だった。U－19欧州選手権優勝の実績を引っ提げて加入すると、公式戦23試合に出場して4ゴールを記録。ラ・リーガ1部での初ゴールをマークしたのも、ヘタフェ時代になる。トップリーグでの経験値を高めた彼は、その後バレンシアのエースとして活躍し、2016年にはバルセロナに移籍。そこでの活躍は実現しなかったものの、武者修行をひとつのキッカケに飛躍を果たしたというモデルケースと言える。

▼エステバン・グラネロ（現マルベージャ）

国籍：スペイン
ポジション：MF
レンタル移籍期間（レンタル元）：2007－08シーズン（レアル・マドリード）
レンタル移籍発表当時の年齢：20歳

　レアル・マドリードからヘタフェへのレンタル組として有名なのが、知性派MFとして知られたグラネロだ。20歳のときに1年契約でヘタフェへレンタル移籍し、その翌シーズンには完全移籍が成立。するとUEFAカップ（現ヨーロッパリーグ）ではベスト8進出、コパ・デル・レイでは準優勝と躍進したチームを支えた。その活躍が認められ、レアル・マドリードは買い戻しオプションを行使。古巣復帰を果たすと、ジョゼ・モウリーニョ監督に重用された。

▼ガビ（引退）

国籍：スペイン
ポジション：MF
レンタル移籍期間（レンタル元）：2004－05シーズン（アトレティコ・マドリード）
レンタル移籍発表当時の年齢：20歳

　ヘタフェはレアルだけでなく、アトレティコ・マドリードからも有望な若手を借り受けてきた過去がある。“ピッチ上の指揮官”としてディエゴ・シメオネ政権を支え、昨年7月に現役引退を発表したガビは、2004－05シーズンにヘタフェへレンタル移籍。クラブ史上初の1部昇格を果たしたチームで主力として活躍し、見事残留を達成している。当時はU－21スペイン代表にも頻繁に招集され、アンドレス・イニエスタ（現ヴィッセル神戸）らと中盤を形成していた。

▼ラウール・アルビオル（現ビジャレアル）

国籍：スペイン
ポジション：DF
レンタル移籍期間（レンタル元）：2004－05シーズン（アトレティコ・マドリード）
レンタル移籍発表当時の年齢：20歳

　ガビとまったく同じタイミングでヘタフェにレンタル移籍をしたのが、現在ビジャレアルでセンターバックを務めるアルビオル。バレンシアの下部組織で育った同選手は、武者修行のためにマドリードへ。契約締結に向かう途中で交通事故に遭い重傷を負ったものの、復帰後はレギュラーポジションを獲得し、アトレティコ相手にドロー、レアル相手に金星を挙げる原動力の一人となった。それから16年以上が経過した今も、第一線で活躍中。パフォーマンスレベルも落ちることなく、プロの鑑として多くの若手の手本となっている。

（記事／Footmedia）