ボルハ・イグレシアスはこの日3人目の退場選手に [写真]=Getty Images
ラ・リーガ第13節が6日に行われ、ベティスとセビージャが対戦した。
セビージャに本拠地を置くクラブ同士の一戦、通称“エル・グラン・デルビ”。毎シーズン両クラブの意地とプライドがぶつかりあう一戦が、今季の公式戦で初めて開催される。ベティスはラ・リーガ開幕から7勝2分3敗の4位につけており、好スタートを切っている。ヨーロッパリーグ(EL)でも5勝1分でグループステージを駆け抜け、ラウンド16行きを決めた。良いチーム状況で今季初のダービーに臨む。
一方、セビージャは開幕から調子が上がらず、ジュレン・ロペテギ監督の解任を決断。ホルヘ・サンパオリ監督が率いるようになってからは1勝2分で発進したが、直近のラ・リーガではレアル・マドリードとラージョ・バジェカーノを相手に連敗を喫した。チャンピオンズリーグ(CL)でもグループGを3位で終えており、ELに回ることが決定。新体制のチームに確固たる自信を植え付けるためにも、重要な意味を持つ一戦だ。
ベティスは前節のレアル・ソシエダ戦(○2-0)からスターティングメンバーを4名変更。ラ・リーガでは今季2度目の出場となるクラウディオ・ブラボがゴールマウスに入り、ウィリアム・カルバーリョとギド・ロドリゲスが中盤でコンビを組む。最前線には今季8ゴールで得点ランキング2位につけるボルハ・イグレシアスが入った。ホアキン・サンチェスは負傷のため欠場となっている。一方、セビージャは前節ラージョ・バジェカーノ(●0-1)戦から先発5名を入れ替え。ラファ・ミル、アレハンドロ・ゴメスがスタメンに復帰した。イスコは出場停止のためメンバー外となっている。
“ベティコ”による大歓声の中でキックオフの笛が吹かれた『ベニート・ビジャマリン』開催の一戦では、ホームチームがこの日最初のチャンスを迎える。右サイド高い位置でボールを受けたナビル・フェキルが倒されてフリーキックを獲得。フェキル自身が左足で放った鋭いボールは、相手DFの頭に当たってニアポストを直撃した。あわやオウンゴールという場面だったものの、セビージャは助かる形となった。
22分には再びベティス。右サイドからパスを繋いで前進すると、セルヒオ・カナレスの軸裏パスにB・イグレシアスが反応。右サイドに流れて中央へ送ると、最後はアイトール・ルイバルがフィニッシュ。このシュートはクロスバーを大きく超えていった。
対するセビージャは前半の中頃からセットプレーを中心にシュート本数を増やしていく。ラファ・ミルやオリベル・トーレスらがゴールに迫るが、ネットを揺らすには至らない。すると37分、アレックス・モレノの突破を止めようとしたゴンサロ・モンティエルがスライディングタックル。主審はイエローカードを提示したものの、OFR(オンフィールドレビュー)の結果判定が変更。モンティエルにはレッドカードが提示され、セビージャは残り時間10人での戦いを強いられることとなった。
直後の45分に均衡が破れる。ベティスはペナルティエリア手前でボールを持ったW・カルバーリョが浮き球パスを供給すると、飛び出したカナレスが収めて横へ繋ぐ。このボールが下がってきたヘスス・ナバスの足に当たってゴールに吸い込まれ、ベティスが先手を取った。
しかし、直後のプレーでベティスにアクシデント発生。右サイドでボールを持ったフェキルがワンツーで突破を図ると、体を入れて折り返しを受けようとした際、腕を振り上げてしまう。先ほどと同様に主審はOFRを経て、イエローカードからレッドカードに判定を変更。残り時間は数的同数での戦いとなった。数分後にはB・イグレシアスがGKと1対1のチャンスを迎えたものの、GKボノのファインセーブに阻まれた。前半はこのまま終了している。
後半開始直後、ベティスにビッグチャンスが到来。相手ボックス内でクリアボールを拾ったルイバルの落としに、A・モレノが反応。抜け出したA・モレノはGKと1対1となったものの、シュートは再びGKボノに防がれた。しかし、直後の48分には、ピッチ中央付近でボールを持ったジョアン・ジョルダンに寄せたB・イグレシアスが、足の裏を見せてタックルに行ってしまう。今日3度目のOFRで、イエローカードからレッドカードに判定が切り替え。今度はベティスが数的不利を強いられることとなった。
59分にはセビージャが決定機を作り出す。右サイド深い位置でパスを受けたエリク・ラメラが深い切り返しで相手を置き去りにし、カットインから左足を振り抜く。ファーサイドを狙った一撃はわずかに枠を外れた。
その後はセビージャが攻め立てる展開となったものの、ベティスもブロックを敷いて集中力の高い守りを披露。このまま終盤に突入すると、セビージャは82分にネマニャ・グデリが距離のある位置からミドルシュート。強烈な一撃がゴールに突き刺さった。第9節マジョルカ戦の一発を彷彿とさせる“ゴラッソ”で、セビージャが試合を振り出しに戻している。
試合はこのままタイムアップ。ベティスは3位のアトレティコ・マドリードが引き分けたことから、勝利すれば3位浮上のチャンスだったが、勝ち点「1」にとどまった。一方、セビージャは90分にグデリのボレーがクロスバーに嫌われる場面もあり、後半の猛攻を見ると勝ち点「3」を“逃した”と称しても差し支えない一戦だろう。それでも、勝ち点「1」の積み上げで降格圏は脱出した。
次節、ベティスは10日に敵地でバレンシアと対戦する。一方、セビージャは9日、久保建英が所属しているレアル・ソシエダをホームに迎える予定だ。
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