セビージャ時代の衝撃的なエピソードを振り返ったイスコ [写真]=Icon Sport via Getty Images
無所属の状態が続いている元スペイン代表MFイスコが、前所属クラブであるセビージャ在籍時の衝撃的なエピソードを打ち明けた。スペイン紙『マルカ』のインタビュー内で語っている。
現在31歳のイスコは、2021-22シーズン限りで9シーズンに渡って在籍したレアル・マドリードを退団。その後はセビージャと2年契約を締結したが、スペイン代表時代の恩師であり、加入を後押ししたフレン・ロペテギ監督(現:ウルヴァーハンプトン)が解任されて以降、クラブとの対立が表面化していると報じられた。昨年12月には、わずか半年の在籍でセビージャとの契約を解除。冬の移籍市場ではドイツのウニオン・ベルリン加入が目前となっていたが、メディカルチェックの通過後に移籍は破談し、無所属のまま2022-23シーズンが終了していた。
インタビューの中で、イスコはセビージャ加入の経緯を説明。レアル・マドリード退団後はヨーロッパだけでなくカタールやサウジアラビアからもオファーがあったことを明かしつつ、「競争力のあるプロジェクトを持ち、良いサッカーをしようとするチーム」を優先していたという。最終的には「僕と最も相性が良く、最高のパフォーマンスを発揮できた監督」と信頼を寄せるロペテギ監督から直接電話を受け、セビージャ加入を決意した。だが、セビージャの2022-23シーズンは苦しいスタートとなり、ラ・リーガ第7節までを1勝2分4敗の成績で終えた時点で、ロペテギ監督の解任が決まった。「フレンが去り、(ホルヘ・)サンパオリがクラブに来て、それでも良いと思っていた」と当時を振り返ったイスコは「だが、冬の移籍市場が近づくと、クラブ内で奇妙なことがたくさん起こるんだ」と、自身の身に起こった出来事を細かく説明している。
「クラブは事前に僕自身に相談することなく、僕の代理人に電話して、移籍先を探すように伝えていた。だから、この事実を知ってからすぐにモンチ(当時のスポーツディレクター/現在はアストン・ヴィラ所属)と直接話をした。『聞いてくれ。何が起こっているのかがまったく把握できていないんだ。クラブが僕を必要としているのか、そうではないのか。正直に話してくれれば問題なく解決できる。君たちの言う通りに動くつもりだ』ってね」
「当時のセビージャが経済的にうまくいっていなかったのか、細かいことは僕はわからない。ただ、あの会話の後からすべてが狂った。僕はただ、クラブの考えを聞かせて欲しかったんだ。あの会話の後、モンチは僕が退団を望んでいると言い続け、事実ではないことを言いふらし、僕と僕の弁護士に毎日電話をかけてきた。契約を解除させるためにね。だから、僕はもう1度彼と話をすべきだと思った」
このような考えを持っていたイスコは、トレーニングの後、ドレッシングルームに向かう途中の通路でモンチSDに遭遇したという。イスコはモンチSDに対して「聞いてくれ。君は僕に対しても、この話を知っている周囲に対しても、まったく正直に接していない。僕はセビージャに残りたいのに、君は僕が去りたいと言っている」と意見を伝えたという。「その後、ちょっとした衝突が起きたんだ」と話したイスコは、「とても衝撃的なことを話す」と前置きした上で、暴力を伴う衝突があったことを認めている。
「僕は彼に『フットボールの世界で出会った中で最大の嘘つきだ』と言い放ってしまった。すると、彼は僕に暴行を加えた。僕の方に向かってきて首元を掴まれたんだ。周囲にいた警備員は僕たちを引き離さなければならないほどにね。ここまで聞いてもらえばわかると思うけど、もう僕はセビージャには居られなかったし、居たいとも思わなくなった」
イスコは「モンチもクラブもデリケートな時期だったことはわかっている。ただ、暴力の壁を超えるようなことは絶対に許されない。僕はセビージャで幸せだったし、プレーする機会も貰えていた。確かにチーム状況は良くなかったが、最終的には乗り越えられると確信していた」と発言。また、「チームメイトとの関係も良く、ファンからも素晴らしい扱いを受けていたから、彼らには申し訳ないと思っている」と周囲とは良好な関係を築けていたとも述べた。最終的にはセビージャを離れることを決めたが、契約解除に至った理由を「SDが僕に暴力を振るい、誰も声をあげたり謝罪もないクラブでは快適に過ごすことができなかった。攻撃に対しても、彼が漏らしていたすべての嘘に対してもだ」と説明している。
一方で、一部のメディアからクラブが不調に陥る中での退団に対し、批判的な報道が相次いだことには「僕が自ら進んで船を降りたと言われているのは異なる。そのような考えは僕のメンタリティにはない」と強く否定。「何年もレアル・マドリードに在籍していたが、1度も諦めたことはない。常にポジションを獲得するために戦おうとしてきた」と自身の過去を引き合いに出しながら、批判を一蹴した。
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By サッカーキング編集部
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